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[そして現在。
夢想の中にいた彼女は。質感のある本物として、己が腕の中で乱れてくれている。そうだ、こういう姿が見たかったんだ。
いつもは香草と古本が混じった様な素朴な香りを纏う彼女から、甘い雌の香がする。]
…………は 、
リッキィ、ちゃん、かわいい…………
[眼鏡の奥、涙の膜の向こうから意識が途切れそうになってもこちらを見つめ続ける彼女が可愛くてしょうがない。
「他の男とはこういう事しないでね、俺だけ覚えてほしい」
なんて、身分不相応な考えが過ぎったりしたけれど。口に出してしまってはいないだろうか。]
[なるべく時間をかけた行為も、互いの限界が近づいてきて終わりを告げようとする。]
リッキィ、ちゃん、そろそろ、もう、
[果てるのが近い事を告げて、然し今度は彼女も果てるまではどうにか持ち堪えた。
胎動に合わせて、こちらも2度目の精を吐く。]
――……はぁ、
お疲れ様、リッキィちゃん。
……気持ちよかった、ねえ。
[脱力した彼女の髪を撫でる。目に留まったのは、彩る蝶。……なんとなく、自分の色味に似ているようなと今頃思って。]
このまんま俺の色に染っちゃえばいいのにな。
[聞こえてるかどうかは分からないけれど。高い所にある願望を呟く。]
[事後処理をして、多幸感に埋もれた頭で自室の布団で一緒に微睡んだ後。
――完全に冷静になった俺は、
目覚めた主人の前で土下座をしていた。]*
······可愛いは、余計です。
[シャワー室の温水を浴びて、昂りの収まった頭で考える。
やはり目の前の君は自分と同じ男性なんだな、と。]
ロイエさんは、···やっぱり綺麗ですね。
[男らしい背中に視線を向け、頬を緩ませました。
布を一枚脱いだ先に、
こんな魅力的な姿があるなんて、知りませんでした。
もし関係性が変わっていなかったら。
一生わからないまま終わっていたんでしょうね。
がむしゃらな想いを君に伝えて良かったと、改めて思いました。]
[あっさりと戻ってきた返答に、
余計なお節介で良かったと、笑みを浮かべました。]
別に、私は指をさされても気にしませんよ。
······私が選んだ、最愛の相手ですから。
でも、そうですね。
着てくれるというのなら、見てみたいです。
今度の休暇に、一緒にドレスを見に行きましょうか。
[もうしかしたら、この先
君の秘密を知っているのは私だけになるのでしょうか。
そう考えると、優越感で満たされて。
君の身体を引き寄せ、優しく抱きしめたでしょう。]
[式は、
二人きりで執り行う予定でしたが、気が変わりました。
皆さんに君の晴れ姿を見て、自慢してしましょう。
この綺麗な方が、私の婚約者ですよ、と。]**
[カコが煙との仲を尋ねれば、時々声をかけてもらったと
ジャーディンは答えた。
世渡り上手な煙のこと、水商売には不向きに
思えるジャーディンを気にかけていたのだろう。
何時ぞや、彼に『優しくしてあげてね。』と
頼まれた言葉を、思い出しもする。
ええ、そうね。
“すごく良い子”のところに行くことに決まったと
言っていたから、本当に良かった。
主の外出にも、煙自身帯同できそうな
口ぶりだったから。
ジャーディンも、そのうち何処かで
会う機会があるかも知れないわね。
[カコ自身、同じ心算だと言外に仄めかす。]
[カコは、人は嘘を吐くものだと認識している。
その時々に応じて、必要なものでもあると。
使用人であるジャーディンと食卓を共にしたことを、
「いつもこうしている訳でない」と言いはしたが。
二度目三度目がないとは言っていない。
そもそも嘘ですらないから、宣った顔は素知らぬもの。
他の買い手がつく前にと、性急に彼を買い上げはしたが、
自邸に囲った今は、何を急くこともない。]
[求めに応じて、ジャーディンは自らの下衣を
滑り落とし、未だ貞操帯で拘束されたままの
下半身を晒す。
燭台の鈍い光の下、浮かび上がるのは、
白い膚を男根まで、交差する革ベルトで
戒められた彼の姿。
それは、カコの美意識に照らしても、
扇情的といっていい光景だった。
カコは椅子に腰掛けたまま、彼の方へと、
僅か身を屈めた。]
[ジャーディンの局部へと躊躇も見せず顔を寄せ、
淫靡な拘束具を、間近でしげしげと検分する。]
お客様から要望があったから、性具の類も
多少仕入れたことがあるけれど…
[囁く度、戒められた彼自身を、カコの吐息が擽る。]
……ふぅん、こうなっているのね?
初めて見るわ。
[実際なかなかに興味深かった。
ジャーディンがパルテールから持ってきた服を
この邸宅で使うことはないと言ったけれど。
“例外”があってもいいかも知れないと、内心で思う。]
[そうしてふと、視線だけをジャーディンの顔へと上げて]
……ああ、そういえば。
さっき言い忘れたのだけど。
貴方の部屋、私の部屋の隣よ。
呼んだらすぐに、来てもらえるように。
人の気配がした方が、よく眠れることもあると
言ったでしょう?
[思い出したかのように、配置の理由を付け足した。]
この家の使用人は皆、家の資産だけれど。
───貴方は、私個人のものだから。
[縦に這わされた革ベルトをつっと撫で上げ、
カコは囁く。
彼自身には触れることのない、淡い接触。]
……否があるなら、今のうちにどうぞ?
[薄く笑んで、ジャーディンに言い渡す。
形としては意思確認だが、聞き入れるかは別問題だ。
細い指先で辿った先、南京錠を外すと、
彼を解き放った]**
[余計だと言うのに笑って見せた。
可愛い子に可愛いって言って何が悪いの?と
開き直りながら。]
なぁに?
[私の背中に目を向けたのに、怪訝げな疑問を投げかけた。
もし私の男らしい部分を見て
綺麗だと思っているのだと知ったら
暫く、頬を膨らまして不機嫌を振りまくから。
だから、そこは心の中でだけ思っていると宜しい。
思うだけなら自由だし、口に出さなければ
私が眉をしかめることもないのだろうから。]
私"が"、気にするの。
それに、パンツスタイルは苦手……
[体の線が出て男らしくなっちゃうから、
と拗ねるのも程々にして。
私の"秘密"については
貴方が思っている通りになると約束してあげる。
屋敷の中でも、そうでなくても。
貴方とのデートの時も、私はずっと女装で居るだろうから
貴方以外に男とばらす気は毛頭無いの。]
うん、見に行く。素敵なのを買って?
というか坊ちゃん……、くすぐったい。
[抱きしめられた時に、頬やなにやに髪の毛のふわふわが
当たったのに、こそばい気持ちになって
そんなことを呟いた。]
[常に、誰に見られても男と分からないように。
精一杯おめかしをして。
指の先まであなたの妻に相応しい振る舞いをしましょう
並の女より綺麗なわたくしを、皆様に見せてやって
坊ちゃんに羨望の目を向けさせることが
責務であり、私のやりたいことでもあり……
私を見初めて、金を出して買って
地位も愛も物も与えてくださった坊ちゃんに
奴隷出の私が出来る、最後の恩返しだと思っている。]**
村の更新日が延長されました。
そうなんですか、一緒に外出を……。
……僕に、会う機会が?
[外に出してもらえるということだろうか。
とはいえ、自由な外出を許されても、
ジャーディンが独りで外に出ることはないだろう。
外は恐ろしいところだ。
奴隷であると見抜かれれば、
犯されても殺されても文句が言えない。
もっとも、主人と共に、という話であれば
気後れしながらも同行はするだろう]
[ジャーディンは人をなかなか信用しない部分があるが
だからといって常々嘘を疑っているわけではない。
彼女が食事に関して告げた言葉に
今後どうするつもりかの含みがあるかどうかまで
考えてはいなかった。
下半身の貞操帯を露にしてみると
彼女はしげしげと視線を送る。
初めて見るという言葉で、彼女が
こういった遊びをしないのは改めて実感した]
[部屋の配置を主人の隣と聞くと、
ジャーディンは目を丸くする。
もっともな理由のようには思われたし
奴隷の部屋を隣室にするのにも
彼女は抵抗感がないのだろう。
・・・
だが、寝室に呼んだらすぐに来てもらえるように、
ということは――]
[ジャーディンが想像しかけた内容を
裏付けるような言葉が告げられたが、
今更何が否でもない。
一人の主人に買われるとは
その人に何をされても許さねばならないということ。
ただ、彼女にはそのつもりが無さそうに思えたから
それが意外に思ったのだ。
彼女は、彼女がいいと思ってくれる相手が
いいのだろうと思っていたから
……いえ、僕はカコ様のものです。
如何様にでも、カコ様のお好きに扱ってください。
[性器を包む革ベルトを撫で上げられると、
ジャーディンは僅かに身体を震わせた。
錠を外され、貞操帯も外される。
その解放感よりも、
今ここで何かをさせられるのか、
その不安のほうが先立った。
それでもジャーディンはそのままの姿で待った。
衣服を着ていいとも、
性器を隠していいとも許可は出ていないから]**
![]() | 【人】 姉妹 ロイエ[氷より冷たい手を、隠すようにしながらあなたが言う (13) zazakiti 2024/03/01(Fri) 18時頃 |
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