31 私を■したあなたたちへ
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(卯木へ個別送信)
『 銀の館で気になること?
そう言われるとこちらも気になるな。
メシ食ってから俺も行くよ。 』
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[メッセージを返信して塔を出る。
まずゲート近くのロッカーに預けっぱなしの 荷物を回収し、昨日も寄った休憩所で軽食を取った。 ドリンクメニューの一部には疑問が残るが、 フードメニューはなかなかレベルが高い。 中央カフェでは、もっと趣向を凝らしたメニューが 楽しめる筈だ。>>18>>19>>20>>21]
今日も暑くなりそうだねぇ……。
[呟いて、ロッカー近くにあるスタッフ用の 簡易シャワールームで汗を流し、着替えを済ませる。 ゲン担ぎするでなく、しかし随分長くなった髪を結んで ただの飾りの役目しか果たしていない煙管を手に取った。*]
(52) 2023/11/19(Sun) 11時頃
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――プラネタリウム「銀の館」
[遊園地のテーマを考えると、 プラネタリウムは逸脱したものではない。 確か、るくあからの要望にあったものだったか、 己は特に関与もせず、然して気にも留めずにいたが。]
よう。マスターだよな? 視えないものでも見えたかい?
[>>50早見盤の掛かった壁近くその長身はあったろうか。 天井の星を見上げる男に軽口を叩くように。**]
(53) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/19(Sun) 11時半頃
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――前日夕方――
月面基地で宇宙人と死闘を繰り広げた後は、道々のオブジェを眺めながら、カプセルトイ巡りをした。いくら全無料とはいえ、園内のカプセルを貪り尽くしては他の招待客に申し訳なくて、1筐体につき3回まで、と決めて挑んだが、ほどなく戦利品でポーチがパンパンになってしまう。
観覧車の側に差し掛かった時には、遠目に卯坂庵のマスターと中学時代の教師が下りてくるのが見えて、逃げるようにその場を去った。
そして、夕食にはまだ早い頃合いにホテルへ向かう。徒歩移動に飽いて、園内に点在するレンタルスペースで、光るタイヤが二つ並行に並んだ立ち乗り二輪車を借りてみたら、SF世界の住人になれたような没入感と趣きが楽しめて、意外と悪くなかった。
(54) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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――前日夕方/ホテルロビー――
ホテルの玄関から見えるラウンジの隅の席に腰を落ち着ける。こんな自己顕示欲の塊みたいなナリをして、人間の本質なんてそう変わらない。どの席を選ぶかなんて、子供騙しの心理テストを思い浮かべながら、青硝子のテーブルに本日の戦利品を並べていく。 カプセルトイのついでに、自動販売機で買ったスナック菓子やポップコーン、宇宙ひも理論的なワーム状チュロス。カフェほどのメニュー数は提供されていないが、軽食で済ませる魂胆だ。足りないなら、後でルームサービスでも取ればいい。 モナリザの姉妹機みたいな給仕ロボットに、ブラックコーヒーだけ注文して、一服。
「あ、ちょっと待ってよ。 他に用事ないなら、ここに居て、話し相手になって?
……一人の食卓は味気ない。」
ロボットは機械音声で相槌程度は打ってくれるだろう、思わず引き留めてしまってから溜息。
もう、随分前から食べ物の味を感じなくなっていた。餓死はご免なので、食感の軽いものを適当に抓む日々。テーマパークやコラボカフェで、試食動画も受けは良さそうだが、自分には不可能な芸当だ。
(55) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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「キミも名前はモナリザなの? 何号機、とかなの?
このコーヒーって、どれくらい苦いのかな。 前はね、もうちょっと、甘い苦いは分かったんだ。 …………るくあと食べた購買のパンは、 どんなご馳走より美味しかった。」
頬杖をつきながら、三日月の形のスナックを口に放り込む。 物言わず佇む白い機体に、何を聞かせているのだろう。
「ごめんごめん。 キミの淹れてくれたコーヒーも美味しいよ。
多分ね。」
指先の油分を拭ってから、労わるように丸い頭部を撫ぜる。一つきりのレンズに写る自分は、迷子の子供のように、不安で瞳を揺らしていた。
(56) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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「そうだ! コレあげるよ! みんな同じロボットだけど、 見分けついた方がよくない?」
自分の髪を飾っていた、派手なピンクのリボンつきマグネットピンを外すと、モナリザの頭にえいやと引っ付けた。うんうん、と頷きご満悦。当社比10倍は可愛くなった。 頬張ったポップコーンをコーヒーで流し込むと、ご馳走様をして案内された405号室へ。*
(57) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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―前日 観覧車―
「ええ、ありがとう。 あなたにも良い出会いがありますように。」
結婚の話についてはこちらもさらっとお礼を言って彼の良い出会いも祈っておく。 彼の恋愛事情についてはもちろん今観覧車1周分しか言葉を交わしていないのでは 分かる事もないのだけれど。
「こちらこそありがとう。 そうね、いったんお開きにしましょうか。 この後は…先にホテルを見ておいた方がいいかもしれないわね。」
(58) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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ゴンドラが地上に降りたら二人して降りる。 差し出されたカードを裏表透かして、ポーチにしまい込んだ。
「ありがとう。ちゃんと戻れたら、二人して寄らせてもらうわね。 …それじゃあ。」
そう言って、彼とはその場でいったん別れた。 昼食はカフェで簡単にカレー程度で済ませた。 その後は…ホテルを確認した後、大きな荷物だけは置いて園内各地を歩いて回っていれば、時間も過ぎていっただろうか。
島の以前の事がわかるようなものは、やはりぱっと歩いてみて回った程度では何も分からなかったのだけれど。
(59) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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── 前日:中央カフェ ──
[遅くまでアトラクションを楽しんでいる招待客は キラ様とだれか、の他にいたのかどうか。
さっき名前が出てこなかった食べ物>>1:250が チュロスだったと思い出した時には、もう日没。 軽い朝食とレモネード以外に何も口にしていないけれど 今日の今日で、何だか食欲が湧いてこない。 それでも何か食べなければ、と迷った末 近くに見えたワゴンで野菜ベーグルを買った。 園内の複数ポイントに設置されているらしきワゴンには 坂理くんの食べていたものと同じもの>>1:194も きっとあったのだと思う。
カフェに向かえば好物のシチューに出会えたり 魅惑の三種のオムライス>>18のことが 聞けたりしたのかもしれない。 今日は、残念ながら料理を堪能できたとは言えず 美味しいものを楽しんだ話をどこかで聞くことあれば、羨むかも。]
(60) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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[ホテルに着くと、私に割り振られた部屋には きちんと荷物が運び込まれているようで>>0:55 従業員役のロボットたちに挨拶しながら階上へ。 驚いたのはその内装の方。 細部まで宇宙遊園地のコンセプトへの 愛情やこだわりが感じられる設え。>>24 バスルームの遊びごころ。>>25
ひとつひとつが何だか嬉しくて 彼方此方、室内のドアを開けては見て回り そうして――、同時に、切なくなる。
きっと、もっとゆっくりと楽しめたはずなのだ。 こういう時でさえ、なければ。 ]
(61) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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[それでも、 初日に遊園地らしいアトラクションで 殆ど遊ぶことが出来なかった分 浴槽にはしっかりと浸かったし、 ふわふわのベッドにも顔まで潜り込んだ。
―― 夢を観ないように願いながら。 人の夢は、儚いものだから。 *]
(62) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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── 2日目・ホテルの一室 ──
[目が覚めたら、園内ホテル503]室のベッドの上だった。 ぼんやりしたまま、ベッドサイドの時計を確認する。朝8時。 モーニングには間に合いそうだ、と考えつつ、ごろんと寝返りを打った。
──結局、帰れなかったな。 マジで閉じ込められたのか……。
そういえば着てきた服、レンタル衣装屋に取りに行かないと。 どうせ使えないけどスマホも。
昨夜は、観覧車に乗ったあと雛子とホテルまで一緒に歩いてきて、ロビーで分かれた。 姿は見ていないが他の招待客もおそらくこのホテルで夜を明かしたことだろう。
のろのろと起き上がると、乱れ切ったバスローブを引き摺って顔を洗いに行く。]
(63) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2023/11/19(Sun) 12時頃
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[洗顔して、ふわふわした白いタオルで水分を拭き取り、鏡の中の顔をじっと見る。 化粧をしていなくてもまだ、母に似た印象の残る顔立ちだった。年齢を重ねて行けばいずれはその面影からも離れていくのだろう。 備え付けの化粧水を手に取って、ぺちぺちと顔マッサージをする。]
はー……
[らしくもなく、ため息をひとつ付いて。
それしか無いので昨日のレンタル衣装に着替え、1階のカフェにモーニングを食べに行った。他の招待客とは出逢えるだろうか。**]
(64) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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―2日目 ホテル―
「朝…か。」
406号室のベッドで目を覚ます。 あまり熟睡できたとはいいがたい。 やっぱり気にしない風を装っても、状況は気にかかっているのだろう。 モーニングの時間より随分早めに諦めて起き上がり、身支度を整えた。 服は今日も黒のワンピースのまま。 何日かかるかわからないし、着られるうちは着ておいた方がいいだろう。
(65) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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「昨日はあまり人と話もできなかったし、 今日はもう少し動いた方がいいかもしれないわね…」
ため息一つ、モーニングの時間の開始ぴったりに降り、 パンにオムレツ、ソーセージにサラダ、コーヒー… 一通りの朝食をしばらく楽しませてもらう事にした。 少しは気もまぎれるだろう。 おそらく全員ホテルに泊まっているのだし、顔を合わせられれば都合がいい*
(66) 2023/11/19(Sun) 12時頃
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(灰羅へ個人送信)
『 お 兄さん、初めまして。
いえ、もしかしたら、園の入口でお会いしましたか?
そうですね、楽しいです。
まるで、るくあの好きな物ばかり集めた
おもちゃ箱みたいで、目移りしてしまいます。
本当は、るくあもここで、
みんなと一緒に遊びたかったんでしょうか。
そう思うと、やるせないです。』
お義兄さん、と打ちかけてさすがに訂正した。
『ところで、お 兄さんはるくあから、
ボクのこと、何か聞いていますか?』
るくあは多分、配信者キャンディとしての姿は知らないはず。るくあが中学校を卒業した後、未練がましく彼女を"見守る"ためにしばしば県境を跨いで生活圏内をうろついていた時も、群衆に溶け込む目立たない恰好をしていたから。
この場に居ることを求められたのは、どちらの自分なのだろう。
単純なブラフのつもりで、送信する。
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── 現在:銀の館 ──
[ 実在しない星を眺め始めてから>>49>>50 どれくらい経った後だろうか。 煙崎灰羅から声を掛けられ、>>53 卯木はそちらへと振り返った。
こちらは、館のどのあたりにいるかも 言っていないどころか、 届いた返信にも気づいていない始末。>>52 さすがに不親切だったと反省しながらも、 ]
はい。兎坂庵の卯木です。 ええと、煙崎さん……ではややこしいですね。 灰羅さんでしょうか?
[ 昨日届いたボイスメッセージの声音と 服装などの特徴を思い出しつつ、そう尋ねた後、 ]
(67) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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ええ。午前2時でもなければ、 望遠鏡を覗き込んでもいないのに不思議なのです。
この早見盤なのですがね、 実在しない星がありまして。 ほら、ここなのですが──
[ 指を伸ばして、その実在しない星を 指し示そうと思ったが、 卯木は距離感を見誤ってしまい、 思わずその場所に触れてしまった。
すると、何かをボタンを押して機械が起動するような ”カチリ”とした音が静寂の中響いた後、 ]
(68) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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[ ”ゴゴゴゴッ!”という地響きのするような大きな音が 館のどこかから鳴り響く。 館だけ微かに揺れているのか、 壁掛けの早見盤が小さくカタカタと震えていた。 ]
……何か音がしましたね。
[ 音がした場所へ行ってみたい気持ちもあったが、 夜中に届いたメッセージからすると、>>11 煙崎灰羅は卯木と 何か話したいことがあるのかもしれないと思って、
どうしましょう? と 目の前の煙崎灰羅を見つめながら、 判断を委ねる。 ]
(69) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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[ ちなみに、もし二人が大きな音がした場所に たどり着いたときは、 床の一部がぽっかりと開いている場所が見え、 そこに館の1階から地下へと続く 隠し階段があるのを発見できるだろう。 ]**
(70) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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──2日目・ホテルのカフェ──
[モーニングカフェの会場に来ると、まず、昨日会えなかった女性の姿が目に入った>>66。デバイスの自己紹介に写真は添えられていなかったが、他の女生とは全員会っているから、消去法で菊水という名の先生だと分かる。 視線を送っていたから、目くらいは合っただろうか。少し話したい気もしたが、女性が一人でモーニングしているところに図々しく隣に座るのも無粋だなと考えて、会釈程度にとどめた。]
オムレツとサルシッチャ、あとサラダを貰おうかな。 あ、飲み物はアイスティーで。
[給仕ロボットに告げると、間もなく食事が運ばれてくる。 ギャラクシー何とかではなく普通の食べ物だったので、普通に美味しくいただいた。
こんな風にのんびり朝の紅茶を飲んでいると、まるで普通のオフのようだ。 いや、昨日は実際普通のオフだったのだが。]
(71) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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[まだ2日目、と言えるのだろうか。 そろそろ、本気で此処から脱出する事を考えたほうがいいのだろうか……、
しばし、飲みかけの紅茶を前にして、頬杖を付いていた。]**
(72) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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――前日夜/ホテル405号室にて――
入室した部屋は、火星がテーマだったのだろうか、赤茶けた絨毯にベージュを基調とした地層のような縞模様の壁紙。ベッドはクレーターの中心に置かれていて、洗面所にも過不足無くアメニティが揃えられていた。 礼儀のように内装を撮影してから、これまた凝った宇宙仕様のバスルーム>>25で、今日一日の疲れを洗い流した。
ウィッグの下に隠れていた黒髪を拭きながら、鏡台に写った自分と目が合う。クレンジングでメイクオフした、凡庸なモブ顔がそこにあった。素顔まで秀麗に整っているだろうキランディとは天と地の差。高校生になったるくあの隣を堂々と彼氏面で歩いていた坂理も、女性受けの良さそうな容姿端麗ぷりだった。
「るくあってば、面喰いだったんだね。
平凡なボクがどんなに努力したって、 キミに好かれることはない、 キミに見つめてもらえない、 キミに――――
…………るくあ……。」
(73) 2023/11/19(Sun) 13時頃
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「でもボクは、ずっとキミを"見守って"いるよ。
雛子ちゃんから聞いた。 かくれんぼが、好きだったんだってね。
急にボクの前から姿を消したキミのこと、 ……今度はボクが探して、見つけるよ。」
(74) 2023/11/19(Sun) 13時半頃
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バスローブだけ羽織れば、随分と地味で軽装になった。誰かに見られたら、別の招待客だと疑われるだろう。中学生の頃と左程変わらない、この姿を一番見られたくない相手が隣の406号室>>65に泊まっているとは露知らず。
さてもう後は寝るだけ、目を瞑れば1秒で睡魔に襲われるだろう、という段になって漸く、重大な過失に気が付いた。
「あれ……? ない、『アレ』がなくなってる!?
もしかして、どこかで落とした??」
プチパニックになって、自分の手首を確認し、そして脱いだ衣類やポーチの中身を布団の上に並べて行く。どれもビビットでカラフルな、キャンディを粧う装飾品たち。 その中で唯一、無彩色なキャンディに似つかわしくないブレスレット。萌え袖に隠れた手首に、汚れてくすんだ灰色の編み紐の輪――肌身離さずいたミサンガが、見当たらないのだ。
(75) 2023/11/19(Sun) 13時半頃
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(一斉送信)
『夜分にごめん! 🍬だよ!
ボクの大事なもの、
園内に落っことしちゃったかも知れないんだ!
すごい汚れちゃってて、
灰色っぽい紐というか糸で編んだ、
ミサンガっぽいやつなんだけど。
どこかで見かけたら届けて欲しい。
もしかしたら、ゴミと間違われて
捨てられちゃったのかも知れないけど……。
モナリザにも、探して欲しいって伝えてはおく。
本当に、大切な思い出の品なんだ。
よろしくお願いします。
じゃあ、おやすみなさい。』
せめて、とホテルの入口まで自分の辿った道を探し歩いてみるも、結局見つけられずに失意のまま眠るしかなかった。*
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[そういえば、とアポロを手に取る。 昨夜、キャンディから何か送られて来てたな、とメッセージを確認した。夜は疲れていたのか、部屋に付いてシャワーを浴びた後、直ぐに眠ってしまったのだ。
カフェからぽちぽちと返事を打った。]
(76) 2023/11/19(Sun) 13時半頃
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