23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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[ピアノを弾いていると、少し落ち着いた。 集中力を研ぎ澄ますせいなのか 少し、心の中が澄んだ気がする。
──本当か?
……やがて静かに一曲弾き終えると、 サラの方に向き直って。]
趣味のピアノだけど、聴いてくれてありがと。
…調べたい事あるから、保健室いこ。*
(41) 2023/04/24(Mon) 02時半頃
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[離れた身体。ピアノの方へ行くのを見送り。]
そうなのね。 ……今は私が、独り占め。
[なんて、ふふっと笑うと、その場にしゃがみ。 瞼を伏せて、その旋律に身を預ける。]
[好きな人が奏でる、好きな曲の、音色に。]
(42) 2023/04/24(Mon) 02時半頃
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[一曲が終わると、ぱちぱちと小さく拍手をして。>>41]
とても、好き。
[上手とか、技術よりも、その音を、好きだと思った。]
調べたい事?
[と問いつつも、同意してこくりと、頷いた。]
(43) 2023/04/24(Mon) 02時半頃
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[拍手を貰えば、客席にそうするように、一礼をして。]
好きって言って貰えるのが一番嬉しいよ。 上手、とかよりもさ。
[両手を拡げれば、サラはこの胸に来ただろうか。*]
(44) 2023/04/24(Mon) 03時頃
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[両手を広げる仕草>>44を見て。 近くまで行くと、その腕の中に、ぽふりと収まった。**]
(45) 2023/04/24(Mon) 03時頃
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ー二階の階段ー
[どのぐらい寝ていたか。目が醒めると身体が軋んでいた。このVR世界では睡眠は必要ないはずだから、恐らく少年は気絶していたのだ。
ふらつく頭を無理やり叩き起こして、すぐにバーチャルスマホを開いた。]
……
[少年は自身の役職を考える。今日の選択はとても重要だ。故に、悩む。]
畜生、難しすぎるぞ、このゲーム。
[悪態をつく。
少女Aは人狼の手により消された。つまり、人狼は存在している。今日から投票がある。村側の勝利のためには、人狼に投票するしかない。
しかしーー誰が、なんの役職なのか?]
(46) 2023/04/24(Mon) 06時半頃
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[一覧を眺めると、昨日LINEで話したこと、逢って話したことが過る。
実は全て壮大なドッキリで人狼なんていません。 人狼襲撃時に死ぬまで痛みや苦しみが伴うなんて嘘。
そんな風にならないか。
ーーキリノは少女Aを憎んでいた。 ぶん殴りたいと言っていた。
少女Aは前回の優勝者で、投票されることも襲撃されることもなく生き残り、今回また参加した。
彼女ではなく彼らしい。
彼は死ぬ時、断末魔をあげたろうか。
少年が昨日狭い個室で啼いたのとは違う。 何故なら。]
(47) 2023/04/24(Mon) 06時半頃
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[少年だって肉体に大きな負担をうけたが、当たり前にーー死ぬわけではない?
愛し合った、いや…そういう行為なだけで。 苦痛も痛みもあったが、歓びも快楽もある。
対して少女Aはどうか。
キリノの話では、襲撃された人間は"死ぬ間際まで"苦しむのだとか。
散々探し回ったが、この世界にはアイテムがほとんどない。つまり、武器はほぼ存在しない。
銃があれば即死、苦痛を与えないことができる。 だけど犯人は、人狼。つまりモンスターだ。
その武器は、牙と爪のはず。 イメージはーー身体を切り裂き、肉や骨を噛み砕く。
そして真っ赤に染まるのだ。殺した人間の血で。]
(48) 2023/04/24(Mon) 06時半頃
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[そういう殺され方をし、人間はどれだけ痛みや苦痛を味わうだろう。どのぐらいの時間で絶命するんだろう。
この世界とリアル世界の体感時間は違う。 もう何日かこの廃校で過ごした気がするが、実際現実に戻ればたった三時間ぐらいだそうだ。
要するに、此方で苦しむ時間(絶命まで)はそこそこ長くとも、リアルは一瞬。 そうじゃないと下手すれば本体がショック死するから、まあ、システムとしては納得だ。
これはゲームだから。 少女Aがどんなに苦しかろうが、痛かろうが、現実に戻ればピンピンしている。
これはゲームだから。 どんなに苦しくとも、終わったらリアルだねーすごかったねで終わる。
……終わるはずだが。]
(49) 2023/04/24(Mon) 06時半頃
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なんで、人狼なのか。 なんで、人狼ゲームなのか。
[少年は呟く。始まる前に考えていた疑問だ。別に犯人と刑事たちでも良くないか?マダミスと言うんだっけ。
なんで、人狼である必要が。
その目的がーー痛みや苦しみを人に与えるショーを見るためなら。 死ぬ間際までを合法的に観察するためなら。
リアルでやったら拷問であり殺人になるが。
"ゲームだから"大丈夫なのだもの。
少年だってゲームで勇者となり、沢山モンスターを殺した。スライムの断末魔なんて知らないが、もしーー
少年がスライムだったら。]
(50) 2023/04/24(Mon) 06時半頃
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[中世ヨーロッパ、日本も江戸時代ぐらいまで拷問はショーだった。
その時はVRなんてないから、罪人を集めてショーを開催する。
殺すだけなら苦しませない方法はいくらでもあるのに、火で炙る、町中引き回す、それこそ様々な、残酷すぎるやり方が公然と行われてきたのだ。
何故なら?
他人の不幸、否、他人の苦痛が蜜だからに他ならない。]
(51) 2023/04/24(Mon) 06時半頃
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[見物人がいるとニジノは言った。ニジノはそこから参加者に転じたと。
だから、見物人はみんなニジノのような同じ生徒かと少年は思い込んでいた。ニジノが参戦したタイミングから考えて"補欠"や"控え"なんじゃないかと。
そう言えば、スズキはどうしてエントリーを辞退したのか。理由はわからないが、ゲーム開始前にああいう離脱があるなら上記のような存在が必要なのだ。
何故なら、人狼ゲームは役職があり、人数が必要だから。
しかし、野球だってベンチには控えがいるが、別に観客席は存在するじゃないか。
ニジノがいた場所だけが、ここを覗ける場所ではないのでは。 そこに集う人々はーー人が苦しみ死ぬ様を、ニヤニヤ見ているのでは。]
(52) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[……いや。見せ物は殺人ショーだけじゃない。 少年はさっきまで、何をしていた?
カメラはオフにした。向こうには見えない、はず。
"はず"
それを向こうから確かめた人物はいるのか?
もしニジノがそれを見ていても。普通運営は全部を見るのでは。
そうだ、そんなテレビ番組があったじゃないかーー]
(53) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[それは恋愛バラエティーをうたい、何人かの男女を集めて閉鎖空間にて数日過ごさせるのだ。
彼らは恋をしたり、喧嘩したり、悩んだり、カップルになったりする。
吊り橋効果、というものがある。人間は極限下でドキドキすると、それを恋と誤認するのだそうだ。
恋愛バラエティーは脚本があるなんて噂もあるし、別に極限下ではないがーー
このゲームは、どうか。]
(54) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[少年は鮫島に恋をした。そして彼との関係を望んだ。
展開はやっ!て言われた。実際、昨日から三回も事に及んでいる。展開は、めちゃくちゃ早い。
展開がのろのろしたドラマは退屈である。 見ている側はいつも刺激を求めている。
拷問殺人ショーは最大の盛り上がりだが、少年たちの恋愛模様が繰り広げられたらどうなるか。
ワカナって人は、何を楽しんでたんだっけ?
少年と鮫島の行為は何処かでーー全て、見られているんじゃないか。
欲に濡れた視線に曝されているのでは。]
(55) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[アダルトビデオを観るように。いや、少年と鮫島は演技をしていたわけじゃない。本当の気持ちと身体を重ねたのだ。
殺人拷問ショーだって、すべて演技ならつまらない。
そんなものなら、こんなVR世界を大々的に作り、観客に見せる価値がない。
本物そっくりだから。 そこにある感情も、苦痛も。
すべてが本物だから。極限下に凝縮された極上だから。
ーー見せ物として、価値があるのでは。]
(56) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[何故参加者は学生なのか。 何故参加者は、みんな違う学校の生徒ーーつまり初対面なのか。
キリノは家族と参加していてやや例外的だが、思春期の学生たちなら、恋愛バラエティー的な展開、性的な展開に陥りやすいからでは。
初対面に意味がある。恋愛バラエティーも、初対面に意味がある。
……全てに理由がある、全てが、繋がる。
たかがモニターに百万?おかしいだろう。 未成年なのに保護者の参加許可がないのも。
優勝して叶う願いは餌だ。 そんなプライベートを誰が曝す? 少年には覗かれて興奮する趣味も、苦痛を喜ぶ癖もない。
大きな見返りに伴う義務があるのは、当たり前じゃないか。]
(57) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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……は、は。
[少年は今、鮫島に恋をしている。
極限が生んだ錯覚だろうがなんだろうが。
彼の笑顔にときめき、連絡に胸踊らせ、言葉に一喜一憂する少年にはリアルでしかない。
でもそれは、大人たちの、餌。
リアクションが激しい少年なんか、特に観ていて楽しかろうよ。寝ている猿よりも、暴れる猿が面白い。
こんなに悩んで、苦しんで、愛して。 全てを玩具にされる。
それでも。誰もこのゲームをやめないだろう。 何故なら、みんなどうしても叶えたい願いがあるから。
少年とてこのゲームの実態を暴いた今も、だから離脱したいと考えていない。]
(58) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[ここには鮫島がいる。
……違う。ここでしか、鮫島に逢えないかもしれない。]
(59) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[「約束はできない」と彼は言った。
バスケをしようという話は出たが、それは条件つきだった。
彼がリアルで積極的に少年との繋がりや関わりを望むと思えなかった。
それは、彼の少年に対する好き嫌いではない。 彼の叶えようとしている内容を考えたら、当然なのだ。
「待っていたい」と告げた少年に彼は「自分に縛られるな」と言った。
少年を思えば、当然なのだ。
だからーー見せ物でも。 今しか、ない。
今しかない……。]
(60) 2023/04/24(Mon) 07時頃
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[少年は自身の過去を鑑みて、彼を愛する権利は自分にないと考えた。
だけど、未来がないなら。今しかないなら。]
ーーなあ、愉しいか、お前ら。
[少年は初めて、カメラに語りかける。]
俺が喘ぐのどうだった? 色っぽかったかい。
身体は結構鍛えてんだけど、どう?
(61) 2023/04/24(Mon) 07時半頃
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[上着をはだけ、Tシャツを胸元まで捲って見せる。 わざと扇情的に。]
将来AV男優目指そうかな? 俺イケそうだよね。どっちも出来るし。
[答えはない。向こうの反応はわからない。]
人狼を推理ゲームとして観てるやつもいるのかな? 廃校での拷問殺人ショーに恋愛バラエティーで推理ゲームか。盛り沢山だなあ。
…おっと、お客様に失礼したら、俺は運営に怒られちゃう?ごめんねえ。今夜もたっぷりサービスするから赦してよ。
[鮫島がまた求めてくるなら。いや、求めたの少年だ。 彼は応じただけ。
少年は鮫島に慰み物にされたのではない。 身体で繋ぎ止めているわけでもない。
少年を食い物としているのは、モニターの向こうの大人だ。]
(62) 2023/04/24(Mon) 07時半頃
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[少年以外の参加者が見せ物にされるのは腹が立つが、野球選手が見られたくないと言っても無理だ。
見られる仕事を少年たちはしているんだ。]
金とかも賭けてる? 馬鹿な俺はレートがいいかな?
[段々アホらしくなったから、シャツを戻す。 わかったところでやるべき事は何も変わりなかった。
ただ。
そんなサイテーで悪趣味な大人どもに見せてやろう。 少年はいつだって、全てに全力だ。]
(63) 2023/04/24(Mon) 07時半頃
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……俺は勝つよ。陣営を勝利に導く。
人らしく生きるよ。この世界で。
聞けよ馬鹿ども。
俺はーー火浦大和は、鮫島を、愛してるよ。 この身体の全てで、な。
[彼が信じられる存在で良かった。一緒に陣営を勝利に導こう。
ーー少年はやるべきことを思い出してスマホを取り出す。
以降、少年がカメラを気にすることはなかった。]**
(64) 2023/04/24(Mon) 07時半頃
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[小休止中の2,3のやり取りで情報の少なさを痛感したわたしは、謎の「少女A」の手掛かりを探して、1階の教室から探索を進めていた。 その間誰かとすれ違えば会釈や手を振り挨拶しただろうけれど、積極的に同行したりはしなかったのじゃないかな。 いつの間にか窓の外は暗闇。 元から薄気味の悪い廊下の奥は 10メートル先も見えなくなっている。
チャイムの音が鳴り響く>>#0 思わず1,2歩下がって息を殺すも、 アナウンスは何も流れない。 状況の変化に急かされるように、すべきことへ。*]
(65) 2023/04/24(Mon) 08時頃
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―― 2F階段踊り場 ――
[踊り場の大きな鏡の前に もし通行人がいたり、階段に影を見ることがあれば 誰も居なくなるのを待ったし、 見落としがなければ、誰の目もないと思えるタイミング。 バーチャルスマホをもう一度開き、 ゲーム用の画面を表示させる。 暗闇の中でスマホの光は目に痛くて、 何度かぱちぱちさせた後で画面を消した。
わたしに与えられているのは、 【配布能力:サイキックリーディング】 ―――いわゆる村陣営の攻撃職。]
(66) 2023/04/24(Mon) 08時半頃
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[必要なものは「映し出すもの」。 廃校に水晶玉はあるかしら? 「桜森高校」に占いフリークの先生がいた …とかでない限りは、考えにくい気がした。
だったら。真っ先に思い浮かぶのは鏡。 でも夜の廃校のお手洗いなんて雰囲気がもう…… 通るだけで足が竦んでしまうほどで。 入るのも無理と判断して、 結局辿り着いたのはスタート地点。]
(67) 2023/04/24(Mon) 08時半頃
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[大きなフレームに囲われた、 その硬質の手触りに指を滑らせる。
… ひやっとしてる。
音にならない程度の声で呟き、 そうして、集中しようと双眸を伏せた。]
(68) 2023/04/24(Mon) 08時半頃
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[
判断したかったのは、 クリムゾンレッド。
伝わるイメージは 【 白色 】 の光を帯びて。
]
(69) 2023/04/24(Mon) 08時半頃
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