17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
情報
プロローグ
1日目
2日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
全て表示
|
[ 意識が途絶えるまで、彼はいつも話をしました。 ”それ”には口がありませんので、 返事で静寂を破ることはありません。
それでも男は、まるで”それ”へ 語り掛けるように話をするものですから、 ”それ”は、相槌を打つように身体を揺らしました。
暗く冷たい夜、黒く煤けた家の中、 ”それ”の内と男の瞳だけが淡く煌めいていました。]
(58) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ 静寂を切り裂くような音が聞こえたのは、 そんな日々がいくらか続いた後のことでした。
夜の風にすら悲鳴を上げていた扉は、 固い拳が叩きつけられる度、木の屑に姿を変えます。 意識を失っていた男が飛び起きて、 足元にいた”それ”をいつもの場所へ押し込みました。
薄い板を介して、何人かの声が聞こえます。 すべての言葉を知ることはできませんでしたが、 毎晩与えられていた男の声だけは はっきりと掬うことができました。]
(59) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ ここには俺しかいない。と、男は言いました。]
(60) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ ”それ”が次に部屋を捉えた時、 男はもう、どこにもいませんでした。
幸いなのは、ここが黒い部屋のままだったことです。 赤や白といった他の色は見当たりません。 あの夜、男が発したのはたった一言で、 苦しむ声や呻く音は決してしませんでしたから。
代わりに、多くの人が”誰もいない”部屋を訪れ、 悲しみに満ちた思いを零していきました。]
(61) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ 飢えて死にそうだった時にパンを貰った男の子は、 今は弟のために頑張っていると言いました。
大人になる日の誕生日に服を貰った女の子は その布を生きるために切り裂いたと謝っていました。 彼なら笑って許してくれると言われた彼女は、 上等な布で作った毛布を抱きしめて頷きました。
カモがいなくなったと嘆く者、 自分のために生きれば良かったのにと嘲笑する者、 彼が残した宝がないか部屋を漁る者もいましたが、 ここを訪れた大半の人間が、 彼に感謝し、彼の無事を祈っていました。]
(62) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ それなのに。 誰も、彼の名を呼ぶことはありませんでした。]
(63) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ もし、”それ”に手があったのなら、 夜に震える彼を抱きしめられたでしょうか。
もし、”それ”に指があったのなら、 孤独に怯える彼の目元を拭えたでしょうか。
もし、”それ”に口があったのなら、 一人の夜を音で彩ることができたでしょうか。
もし、”それ”に声があったのなら、 彼の瞳——黒い宝石が、灯りに照らされる度に 様々な色を乗せることを教えてあげたかった。
”それ”ははじめて、叶うことのない夢を見ました。]
(64) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
『あなたの望みは何でしたか。』*
(65) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
エフェメ、ラーム、王国……?>>27
[口の中でもごもごと、聞こえた音を繰り返す。 自慢じゃないけど(ちなみに自慢じゃないけど、から 始まる話はたいてい自慢話です) 私は島に来るまではごりごりのガリ勉で、 中学受験に参戦してそれなりの成績だって残していたから そりゃあたくさん勉強してた。 けれど、今ミケさんから聞こえた国?の名前は 聞いたことがない。]
(66) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
聞いたこと、ない、かも。 てか、星?国じゃなくて、星か…… しかも自分たちで、自分たちの星を、 滅ぼすってなにそれ……
[到底現実離れした話に、整理して理解するのに 時間がかかる。 ぶつぶつと呟き咀嚼しようとしながら ちらりと視線を流せば、 穏やかに笑んでいたミケさんの表情が 少し変わったように感じられた。
死に向かって、とか、数多くの人が去って行った、とか さらりと紡がれていくにはとても重くて、 とても悲しいなと思った。]
(67) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[重なる思いがある。
ミケさんは無事で、良かったね。
そう、たしかにその通りだけれど 私には、言えなかった。
だからかわりに、一体なにがあったの、とか 私はきっと、あれこれ聞いたと思う。 そしてミケさんはきっと、丁寧に教えてくれただろう。>>29 だから私は、大好きなアニメ映画みたいだなって そんな感想を導き出すことが出来て、 ]
バルス、的なやつ?
[と聞いてみたりした、はず。 ]
(68) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[ひとり。平仮名3つ。 淡々と言葉を紡いでいくミケさんの唇からは なんの感情も見えない気がした。 確かに、国にまだ同胞がいるというのならば 正確には"ひとり"ではないのだろう。 けれど、"家族、友人、恋人、仕事仲間、 そういう者がすべて居なくなった世界">>30 って、驚くほど悲しい響きが続くから。 ]
……ひとり、じゃなくても、それは結構 孤独な気がする。 ─── 寂しい、ね。
[小さな声でそっと告げれば、 どこか労わるようにゆるく笑んで ミケさんを見つめた。]
(69) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
[私にも同じ質問が返ってきて、 ちょっとカウンターを睨むように眉根を寄せる。 音もなく、カウンターには再び、カルピス。 今度は二つ。 目の前のグラスを手にして、口をつけた。]
……ううん、私は、 ひとりじゃない。 家族も、友達も、いるの。
[とても丁度いい濃さのカルピスを飲み込んで、 自分に言い聞かせるように呟いた。 胃への道を示すみたいに冷たい液体が流れていく。]
(70) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
……私は、12歳の時、波に攫われて。 でも怪我もなんもなくてね、ふつーに目が覚めたの。 ─── そしたら、10年経ってたの。まわりが。 他の人からしたら、死んだと思ってた私たち……あ、 私とあと数人ね、同じように攫われた子たちもいたんだ。 その死んだと思ってた私たちが、 いきなり10年ぶりに帰ってきたわけ。 子供のままで。
[変な話でしょう?と笑ってみせる。 幽霊と違うで、と自虐的な笑みは、 さっきのミケさんのと似ていたかも知れない。>>27 ]
(71) 2022/03/05(Sat) 23時頃
|
|
10年だもん。 信じられなかったけど、でもほんとで。 どうしたらいいのかわからなくて、 でも気づいたら大事なもの、ぜんぶ、なくなってて。
[さっき初めて会った人に、 私は胸の内をつらつらと吐き出してしまう。 ……今まで、誰にも吐き出せなかったことまで。 いきなりこんなこと言って、ミケさんは困ってないかな ってちょっと心配になったけれど。 ああなるほど、こういう時に大人は、 カルピスじゃなくてお酒を飲むんだと 悟った気がした。]**
(72) 2022/03/05(Sat) 23時半頃
|
|
[ 誰かに宛てた手紙も、そうでない思いも、 白い紙に残した星空は小さな手によって どこかへ旅立つのでしょう。
ただ目の前から消えてしまうのに、 どうしてか捨てられたとは思いませんでした。 遠くに見える扉が自分のものだと分かるのと同じ、 誰かの下に届くのだと、当たり前のように思います。
”それ”の扉は、硬い拳で叩いても 木屑を生み出してはくれないように見えました。
話が逸れてしまいましたね。 だから、”それ”は白い生き物に尋ねることなく、 小さな手が伸びる度に宙へ感謝の言葉を綴ります。]
(73) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ ”それ”の下へ手紙が届いた時もそうでした。
宛名が書いてあった訳ではありませんが、 ここにいる存在はとても少ないものですから。 カウンターに置かれた少々癖のある自体>>46に 白い生き物が反応しないのであれば、 これは、”それ”のために現れたのでしょう。
だって、”それ”にはあまり縁がありませんが、 ここには必要な何かが現れることがあるそうです。
他でもない、傍らの白い生き物が、 そう教えてくれましたもの。ね。>>0:#4]
(74) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ 手を伸ばしてもいない白い生き物に感謝を綴ります。 最後に描く顔のバリエーションも途絶えて、 代わりにうれしい≠フ一言を付け加えました。
そして、書きなぐったような手紙の上に乗り、 顔のような部位が文字を追いかけます。 最後に鼻のように丸く尖った先を 優しく押し当てるように、身を伏せました。]
(75) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
『 私のいない場所にいる あなたへ
私もあなたのいない場所にいます。 とても似ているのに、とても遠いのですね。
ここには炎も祈りも煤も雪も降っていません。 とても静かで広くて白いです。 けれど、雪は知っています。
とても美しくて、冷たくて、静かで、 すべてを覆い隠せる程に広くて、白い。 あなたも雪がお好きですか。
私は……分かりません。 あなたは自分のことが分かりますか。
B 』
(76) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ 誰かの問いに答えを出せず、 ”それ”はいくつかの小さな丸い染みを作りました。 望む者の目に入れば、沈黙の形として残るでしょう。
”それ”は暫く紙の上に佇んでいました。 まるで何かを考えているかのようでした。]
(77) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ ”それ”に美しさを与えたのは、凛とした女性でした。 ”それ”の役目は、記憶を永遠にすることでした。]
(78) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ ”それ”は紙の上から退きました。 もし白い生き物が手を伸ばすのであれば、 細長い身体を同じように伸ばして留めます。
その上で頭で円を描くような動きをしましたが、 やがてその身からインクを滲ませて、 紙を裏返してほしい旨を伝えました。
白い生き物がそれを叶えてくれたなら、 ”それ”は裏側の右下に尾を滑らせます。]
(79) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ もし、この手紙が望む者に届くのであれば、 手紙の裏側、世界の片隅のような端に 星空色の雪だるまを見つけられるかもしれません。]**
(80) 2022/03/06(Sun) 00時頃
|
|
[ エフェメラームの名前は知らないようだ>>66 そのかわり返ってきた言葉は「バルス的なやつ」で 今度首をかしげるのは私の方だっただろう>>68
ひとり、には慣れてしまった。 だけど返されたゆるい笑みに、 どこか、心が穏やかになる心地がした。
私のことをみずきが優しいと云うのなら みずきも充分に優しい人間だと、私は思う。 ]
(81) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
|
[ ひとりじゃない、みずきを。 良かったな、と思う、私も居る >>70
それでも、そのあと聞いたみずきの境遇は、 流石に私でも、信じがたいものだった。 文明と科学の進んだ国で、 空間の転移は可能になっても、 時間の転移はどうしても叶わなかったものだから ]
(82) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
|
10年… 周りは20を超えていた、というわけか。 それは…そうだな、何もかも変わっているだろうな
[ 街も、人も、変わっているだろう。 もしかしたら人々の関係性や、状況なんかも。 ]
辛かったな。
[ グラスを手に取れば また喉に流し込まれるのはカルピスで ねっとりとした液体が喉元に張り付いた。 ]
(83) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
|
そうやって取り残されるのは すべてを失うのよりも、辛かっただろうな。
[ これは、私がそう思う、というだけのこと だからみずきの気持ちに添えたかどうかはわからない だけど私はお節介だから。 そのあともこうやって続けるのだろう。 ]
(84) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
|
例えばその波で。 全てを失ったのだとしたら。 それは時間が解決してくれるのかもしれないな。 無論、悲しみなどは残るかもしれないが。
[ 実際。全て失った私に、時間が経って残ったものは 悲しみよりも、ただの空虚感のほうが大きい 家族を失った悲しみや、寂しさは、 とうの昔に忘れてしまった、そんな気がする ]
(85) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
|
でも、みずきのように。 自分も、誰かもそこにいるのに、 当たり前の日常がいつのまにか失われて その誰かが違う顔をして生きていたとしたら
………それはひとりぼっちになるよりも 随分と寂しいし、悲しいことだろう?
自分にとっては続いたままの世界でも 誰かに、いやこの世界自体が まるで違う顔になっているのだから。
まるで違う顔をした世界で、 それをちゃんと受け入れたかのように、 これからも生きていかなきゃいけないのは
(86) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
|
………自分に、 嘘をついて生きているような気に、 なるかもしれないな、と、私は思うよ。
[ この言葉で傷つけるつもりなど毛頭ないから これは、ただのお節介。 傷つくような顔をするなら、 私はそう思っただけだと弁解するだろうし そうでないなら ── 私は、どうしただろうな。 **]
(87) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
|
1
2
3
4
5
6
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る