2 【R18】夢見る議事の村【RP半再演】
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[「化石の牙を持つ吸血鬼の城に、囚われていた」
誰も信じはしなかった。 だが男のその妄言が、かの吸血鬼に実体をもたせるトリガーとなった。 これは紛れもない事実だ**]
(24) 2020/11/15(Sun) 00時半頃
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学校に行きたくないって?
[玄関の前に佇む幼馴染の前に屈み、俯く顔を覗き込む。 その表情を確認し、ふっと笑んだ。 先程まで彼を叱っていたその母親とは違い、 責めることなく穏やかに問いかける。]
(25) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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……ん だって、クラスの奴ら嫌いだから
うるせーし、嫌なことばっかり言ってくるのに 殴ったら俺が悪いみたいになるし、めんどい
[頷き、ぼそぼそと言い訳を紡ぐ。 納得出来ないものはあるけれど、散々に怒鳴られ家から追い出された後。 自分としては正当な主張でも、少し弱々しくなる。
また叱られるのかと思い、唇を引き結び服の裾を握った。 元から目つきが悪くて良く見られない顔は、きっととても不機嫌なものになっていた。]
(26) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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そっか、仕方ないな。 じゃあ今から海に行くか
[一つ一つに頷き、口は最後まで挟まなかった。 立ち上がり、軽く叩くように頭を撫でてやる。 自転車を取りに行く為、隣の自分の家へ向かおうと 踵を返し、背を向ける。]
(27) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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……えっ、とうせも学校行かないの
[責められもせず、学校に連れても行かれず、更に自分に付き合おうとする。 重なった予想外につい反応が遅れて、問いを投げたのは後ろ姿。こちらより少し大きい、上級生の背中へ。
その声には、驚きと共に明らかな期待が籠もってしまったと思う。 嫌いな同級生の代わりに、唯一心を許している幼馴染と過ごせることへの。]
(28) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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義務教育って、知らない? 学校なんか行かなくても退学にならないし、 ちゃんと中学生になれるんだよ
[振り返り、得意げにそう答えた。 引いてきた自転車の後ろに彼を乗せて、 地元の海へ漕ぎ出すのは、そんなやり取りから数分後。]
(29) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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[本当は、あの人も学校に行きたくなかったんだと思う。
ただ一度の機会となった、同じ学校に通った小学生時代。 全校集会や固まって集まる行事を除き、校舎で見掛けた時あの人はいつも一人で、同学年に兄姉がいる奴には「あんなのと仲が良いのかよ」と言われたこともあった。
その理由の一つは髪の色だったのだろうか。記憶に残る限りでは最初から、その頭は黒髪ではなかった。]
(30) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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地毛だよ、……多分。
[曖昧な答えに不満げにする姿に口角を釣り上げた。]
巡も染めたらいいのに。きっと似合うと思うな。 大きくなったらそうしなよ、覚えておいてね
[それでも、相手を眺め勝手に未来を思い描いた時は 一方的でも意地の悪さは、何処にも浮かべずに。]
(31) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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[それでも学校での過ごし方について一度も触れず、勝手に哀れむこともしなかったのは、こちらと違い周囲からの扱いを苦に思っているとは見えなかったからだ。
普通は嫌いなのだと言う。 髪の色について聞いた時のように、避けられることも異物として扱われることもあの人は楽しんでいるように思えた。
年下の幼馴染とばかり関わるのに、心が幼いようにも思えない。 よく喋るのに街の中より静かな海が似合う、どう語っても不思議な人だった。
上京するまで友達が出来なかった俺の記憶の殆どに、その人は登場している。]
(32) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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────子供の頃の記憶はいつも青空の下 陽の光があの人の茶髪をより明るく見せていた。 今は薄暗くて狭い道を、一人で歩いている。 風も無く蒸し暑い夜の生暖かい空気を感じながら。
(33) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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[駅から遠いマンションへの帰り道は長く、いつも陰鬱な心地になる。
更にコンビニすらも遠いものだから、ちょっと寄ろうと思えばそれだけ掛かる時間が追加されてしまう。 ここは本当に東京なのかと思ってしまう時もあるが、酔払いの多さや騒音は都会のそれだった。 都会は無条件に快適で何処でも何でも揃ってるなどというのは、海と港と船ばかり見て育った田舎者の偏見であった。]
……うわ
[暗がりでカップルがキスしてるのは想像通りだった。]
(34) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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[本当は、もっと安くて立地がマシなところも探せばあるのかもしれない。 ただでさえ楽器代やチケットを捌くのがきつい。家賃を削れたのならきっと少しは生活が楽になるだろう。
しかしこれ以上壁が薄い部屋には引っ越したくはない。現在でもたまに苦情は入れられてしまうのだから。
────まあそんな苦労をしてする練習も、意味なんて無いのかもしれないが。]
(35) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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[やっと辿り着いた部屋の前、かぶりを振ってから鍵を差し込んだ。
嫌なことばかり考えるのはやめよう。また眠れなくなると朝のバイトが辛くなる。 ほらドアを開けば漸く自室、安い発泡酒を啜って泥みたいに眠れば夢も見ない────]
(36) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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え?
[その時風が吹いて、懐かしい香りを感じたような気がした。]
(37) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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「お邪魔しまーす」
「というか、お邪魔したよ」
[声は家主より先んじて、部屋の中から掛けられる。 楽しげに楽しげに、時間帯に合わない明るさで。**]
(38) 2020/11/15(Sun) 01時半頃
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[不思議な蝶が魅せた、過去の夢。 わたしはそこから現実に帰ってきた。 過去を変えるチャンスだったのに それを蹴って戻ってきたのは
同じ事をして、されて。 幸せになった後の世界を壊されたら 嫌だったから。
過去を変えたはずの世界なのに あの子に負けて、イースが私から離れたら 今度こそ、立ち直れないから。]**
(39) 2020/11/15(Sun) 07時頃
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[涙と共にした告白。 イースにはもう愛する人がいるのに。 私は、それでも、イースに想いを伝えてしまった。
わたしは、ずっと、ずっと。 イースと一緒にいられると思ってたの。 だから、この気持ちを伝える事だけは、
……おねがい、ゆるして。]**
(40) 2020/11/15(Sun) 09時半頃
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精留醸造 ミタシュがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(精留醸造 ミタシュは村を出ました)
宝珠 コーラがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(宝珠 コーラは村を出ました)
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[ねえ、わたし、 何か悪いことしたのかな?]**
(41) 2020/11/15(Sun) 09時半頃
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アンタさ、いつもいつも連絡無しでくんなよ! あと何時だと思ってるんだ!
[その声が一瞬の硬直から我に返らせてくれる。 玄関に入り、足元も見ずに適当に靴を脱いで早足で部屋に向かいドアを開く。
スイッチを手探りで押すと、香りと声の主──入井透世が我が物顔でソファーに座っていやがった。 先に入ったら電気くらい点けろよ、センサー式の照明なんかうちにはねーよ。 部屋のドアは丁寧に閉じていたのがまた腹立つ。絶対にわざとだ、そういう人なんだこの人は。]
(42) 2020/11/15(Sun) 23時頃
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「君こそ時間を考えたら?近所迷惑」
「あと、鍵閉めてないでしょ」
[相手とは対照的に、余裕の態度で返す。 潜ったばかりのドアを指差しながら、指摘を一つ。 戻ってきた時の不服げで悔しげな表情を目に笑った。]
(43) 2020/11/15(Sun) 23時半頃
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[本当に閉め忘れていた。 見てもない癖になんで分かるんだ。やっぱり腹立つ。 まあ、この人がこんな風に唐突にうちにやって来るようになって三年目だ。 鍵を閉める音が部屋まで聞こえたことが、今までにあったのかもしれない。]
……お久しぶりです、透世サン。
馬鹿だよな本当に、夏が嫌いな癖に毎年毎年こんな時期に 冬に来ればいいじゃん、そっちはその頃大変なんだから
[……いやまあ、別に来てほしくないわけでもないんだが。 何故だかいつも気持ちが弱っている時に現れるのが、色々見透されている気がして絶対に態度に出したくない。 投げっぱなしにしていたコンビニの袋をテーブルに乗せ、中身を漁り始める。
飲みますか?なんて、丁度二缶買ってきた発泡酒を見せてみるけれど、答えは知っている。]
(44) 2020/11/15(Sun) 23時半頃
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「嫌いだからいつもと違うことをしたくなる」
「という見方も、あるんじゃない?」
「暫くの間宜しく、巡」
[物言いたげな挨拶も、素っ気ない口振りも 昔と変わらず少しも気にする様子を見せることはない。
ただ、問い掛けには微笑んで首を横に振る。 何も答えを口にはせずに。]
(45) 2020/11/15(Sun) 23時半頃
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……じゃあ、オレが飲んでいる間見つめるのだけはやめろよ 親の実家に帰ったみたいな気分になる
[脳裏には大量の料理をひたすら孫に勧めては、食べている姿をニコニコ眺める父方の婆さんの姿。 この人は俺と違って若々しい、それこそ大学生の頃から何も変わっていないような容姿なので、見た目はろくに重ならないのだけど。
ぼんやりとした訪問の理由も、残暑の頃に現れては暫くうちで寝泊まりするのも、何処かで食ってきているのか何も部屋では口にしないのも、全部がいつものことだ。 不思議な子供は不思議なまま成長してしまったのかもしれない。社会でちゃんとやっていけているのだろうか?]
(46) 2020/11/15(Sun) 23時半頃
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[ため息をつき、プルタブを上げる。 値段相応の味の癖に開く時の音だけは小気味良い。
まあ、嫌いではないんだ。 庶民的な酒の味も、相変わらずな幼馴染のことも。**]
(47) 2020/11/15(Sun) 23時半頃
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