情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
なるほど、お義父様は研究もなさっているのね……とっても立派なお方なのでしょうね。今から緊張しちゃうわ。
[実際に出会っても緊張よりは興味の方が勝りそうだが。自分の師とは別の、魔術士。我が師とも違うその人は、どのような教えを説いてきたのだろう。
ただこの段階でも分かるのは、とても良い師匠だろうということ。魔術の話をする彼女は、いつだって煌めいているから。本当に『魔法』が大好きなのだろうし、そう育てた義父の教育の賜物であろう。]
ありがとう、ではお休みの日には遠慮なく読ませていただくわ。
まあ、あたしなら大丈夫よ。直接の主人は貴女だけど、お義父様のお話を聞く事だって、大切よ。
[蔵書は自由に読んでいいとの事。休日の楽しみが一つ増えた瞬間である。
……仮に、義父に捕まったとしても自分ならある程度までは大丈夫……のはず。実際に会わないと分からないけれど。]
……しっかりしたお義父様ね、本当に。
過不足はないわ、ありがとう。
お休みが無いわけでは無かったのだけどね。立場的に自由時間は少なかったから。
[文字の読み書きは師から一通り教わっていたので、問題はない。契約書を前に、何故か雇用主の方が不安そうにしているというのも少し可笑しなはなし。
ダーラは丁寧に奴隷を扱う女性であった。しっかりと休息を取らせる時は取らせてくれはする。ただ、業務の都合上あまりドール達に融通を利かせはしなかったが。
契約書にサインをし、ひと段落ついた。
……丁寧には綴ったが、少々筆圧が強く癖のある字である事は否めない。]
そうねえ。お義父様を待っている間、さっそく本をお借りしようかしら。
貴女のオススメを、教えてくれる?*
![]() | 【人】 灰占道士 煙ジャーディンちゃん。ちょっとごめんね……今から少し触れるわ。 (104) 2024/02/24(Sat) 00時頃 |
な、納得された!
[がーん。と顔に書いてある私である。
私が引き取られたのは8の頃。
元の家族と過ごした時より、養父と重ねた時間のほうが
もう長く、なってしまった。
そのことは、煙には伝えているだろうけれど。
――元の家族のことを、『パルテール』で語る機会には。
私の笑顔は歪になっていなかったろうか。
自ら望んで、自身の才能を売ったことを告げた際に
止めもせず、喜ぶことしかしなかった
当時の、家族の様子については
多分彼には、語っていないと思われる。]
世間的には立派だけれど、
お気に入りの毛布がないと眠れないし
朝食にハチミツヨーグルトついてないと
駄々をこねて料理長を困らせたりする
ちょっぴりこだわりが強い
でも、自慢の養父だわ。
[欠点を含めて。私は養父を尊敬し、敬愛している。
内包する子供っぽさのエピソードは、幾らか彼の緊張を和らげることはできたろうか。
最初に示されたのは 学べ。 ただ1つである。
溢れるばかりの蔵書と紐解き方の基礎に導かれ
あとはもう寝食そっちのけで魔術を学ぶことに没頭する
似た者親子の出来上がりであった。]
本当に大丈夫?
なら養父も喜ぶわ。
[なんだかんだで、本を読んでもらったり
自分の話を聞いてもらうの、大好きだから。]
[そして雇用契約の諸々の手続きが終わり。
その際に、彼のパルテール時代のことの一端を、聞く。
大事にされてはいる物の、やはりドールとしての
立場があったのだなぁと改めて知るのだった。]
本を借りたい?じゃあ
となりの蔵書室にいきましょう。
ええと、おすすめは蔵書棚の15棚目の上の方にある、
睡眠の魔術に関しての本なんだけれど。
[あれ、覚えられたらいつでもどこでも
安眠できていいんですよね。などと言いつつ蔵書室へ。
よいしょよいしょと梯子を使って本を手に取り
彼に差し出す様は、手慣れたものであった。**]
[リッキィが元家族について語るとき、普段『魔術』に対して見せるような熱意はどこかへと去ってゆき。少しなんとも言えないような表情になっていた事を、思い出した。
……あまり触れられたくない話題なのかもしれない。語りたくない事に踏み込むのは、よろしくない事であるので。店の方でもそれ以上その話題について触れることはなかった。]
あらあら。
随分と可愛らしい所もあるのね。
お会いするのが楽しみだわ。
……そうね、彼の語る『魔術』のお話にも、興味があるしね。
[彼女の表情からも、語り口からも。養父への愛情が伝わってくるかのよう。今や彼女にとっての『本当の家族』は、こちらの魔術研究者である養父のいるこの家なのだろう。
それでよいのだ、と思った。
血の繋がりなんてなくたって。幸福で温かなものをくれる、安らげるそこが『家庭』なのだから。
……さて、自分の方はどうだっただろうか。
…………自分も、彼女の『家族』の一員として、相応しくあれるだろうか。]
ありがとうね。
では、まずはその本から読んでみることにしましょうか。
[『パルテール』時代の話も少し口に出しつつ。彼女からおすすめされた『睡眠の魔術本』を受け取る。
……小柄な彼女が、高い梯子を登って本を差し出す様子は少々危ないのではないか、と危惧したが。普段から慣れた所作はそういった危うさは一切なかった。
それだけ、日常の動作として染み付いているのだろう。
受け取った本を手に、隣の小部屋へ移動し。机を挟んで向かい合わせになる。彼女も、何冊か自分で読む用の本(あるいは、次に己へおすすめしたい本)を持ってきている。
試しに数ページめくってみたが、かなり興味深い事が書いてあるのが伺えたので、これはつい読み耽ってしまいそうだなと思った。]
……本を読んじゃうと、会話よりそちらの没頭しちゃいそうだから。
せっかくだし今お話しましょうか?
あたしの、昔話。
[読書に耽るのも悪くはないが、まずは。
新しい『ご主人様』に聞いてほしいと思ったから。
少し長い話をすることにした。]**
一応、本人は威厳のある魔術師として
ふるまってるつもりらしいんで。
可愛いっていうのは本人には言わないであげてくださいね。
[多分すねちゃうから。
でも、魔術の話に興味を示してくれるのは、
きっと喜ぶと。義理の娘は嬉しそうに笑むのだ。
私にとっての家族は養父と、その使用人の皆。
今の私にとっては、そうなのだ。
其処に貴方が加わるというのが、
とても、嬉しい。
相応しさとかよりも、家族でありたいと
君が思ってくれるだけで良いのである。
少なくとも私は、そうなのだ。
ぜひぜひ!!
睡眠の魔法なら、読みながら実践とかしても
安心だから、やってみても大丈夫ですからね!
[なお、私はそれをやって小部屋で爆睡し、
それを見つけた養父に、せめて布団で寝転がってしなさい。
と言われたのも良い思い出だ。
本の縁の跡がほっぺにくっきりはっきり
ついたことは、内緒にしておこう、煙さんには。
机を挟んで向かい合わせに座る、貴方とわたし。
私もまた、何冊か魔術の本を持ってきていて。
もしも寝落ちたりなんかがなければ
次はこれをどうぞ!と勧める用の本は一番上に。
手元にある読書用の魔術書以外の、あとで読む用のものは下に。
本越しに彼が頁をめくる様子を、興味深く窺っていると――]
[本から私に視線を映し。
問う言葉に。1つ、縦に頷く。
私もまた、本を閉じて貴方に向かい合い。
――続く貴方の、昔の話を待っている。*]
![]() | 【人】 灰占道士 煙−とある男の昔話− (149) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙『師』は、如何にも仙人みたいな見た目のおじいちゃんでね。 (150) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙……ていっても、『師』が本当に正規の『魔道士』だったかなんて、今でも分からないわ。 (151) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙数年過ぎて、あたしは『師』から『免許皆伝の証』を頂いたわ。それが、いま身についけているこの色眼鏡ね。『師』曰く、「物事の真髄を見通すことの出来る魔力の籠もった色眼鏡」らしいけれど…… (152) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙で、それからまた数年後…… (153) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙兄弟弟子たちみんなで、協力して商売をしていった……って言うと聞こえはいいけれど。実際はほぼほぼ詐欺集団だったわねえ。 (154) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙あたしは『魔道』の中で占術……特に『灰占』ってヤツが得意だったから、それが主の収入源だったわねえ。他にも、兄弟弟子の商売の手伝いをしたり。お客様と色々『お話』したり……これは今でも役に立つ技術になったわね。 (155) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
![]() | 【人】 灰占道士 煙で、その後は。 (156) 2024/02/24(Sat) 21時頃 |
……おしまい。
じゃあ、読書の続きに戻ろうかしら……
[長い長い昔話を、新しいご主人様はどう思っただろうか。感想があれば、それを聴いてから読書へ向き直っただろう。]*
了解。頭に入れておくわ。
そうね、睡眠の魔術は実践出来れば便利そうね……お部屋に戻ったときにでも、試してみようかしら。
[リッキィの養父について、また一つ学びを得た。接する際には気をつけるようにしよう。
……睡眠の魔術の実践について、は。試すだけ試してみてもいいだろう。]*
[昔話を聞いた。
――彼の半生ともいえるもの。
出会いと、別れと。兄弟弟子らと何をやったのか。
その結果が、どうだったのか。等々。
私は、彼をまっすぐ見つめたまま
掌で、机の上に置いた本の表紙を撫でて。]
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