31 私を■したあなたたちへ
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── 現在:海のそば ──
ああ、なるほど。そういう意味でしたか。
[ もう誰も死ぬことはない、という話に>>1 合点がいったという風に頷いた。
かくいう卯木は、 自分が殺されるかどうかについては無頓着で、 招待主が確定していない今も、 自分が死ぬ可能性があるのかないのかも 特に気にしてなどいない。 ]
(15) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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私が、ですか?
[ 殺したい人がいるかと問われ、>>2 卯木は目を丸くする。
実際のところ、どうだろうかと考えてみるけれど、 そもそも殺意を抱けるほど、 他人に執着したこともなければ、>>1:178
自分が人間社会から弾き出されることも 許容できないのだ。>>0:217>>0:218
その考えは、自身が煙崎るくあに対して 引導を渡した可能性に思い至ったところで>>3:281 変わることはない。 ]
(16) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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[ そう、結局変わらないのだ。 どんな悲劇が起ころうと、 どんなに罪悪感に押しつぶされようと。
幼い頃から自身に根付いた価値観は、 それが正しいと思っているうちは、 きっと移り変わることなんてない。
だから── ]
(17) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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[ ──もう、いいのかもしれない。
いつまでも罪悪感を抱いていたところで、>>1:182 起こった結果は変わらない。
だったら、自身の罪を背負いながらも 前を向くしかないじゃないか。 だって、卯木の人生はまだ ここで終わったりなどしないのだから。 ]
(18) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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私は誰のことも殺しませんよ。 まだ、人間として生きていたいですから。
[ 坂理に伝わらないと分かりつつも、>>0:217 実にすっきりとしたような朗らかな笑みで、 卯木は断言した。 ]
月見ハンバーグプレート気になりますか? では、来られるのが9月中であったならば、 ほうじ茶と兎型大福と共にお出ししましょう。
(19) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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おや、それはお忙しいところを お引止めしたようで申し訳ございません。
[ 相手は友達、かは分からないけれど、>>3 何となく黒須だろうか、と思ったのは、 アポロでミサンガを受け渡したらしい文面を 見たからで。 ]
……どうぞお楽しみを。
[ 嫌な予感はするものの、>>3:283 結局その懸念を口に出すことはなく、 ]
(20) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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耳、ですか?
[ 「こういうのですか?」と 頭の上に丸めた両手を乗っけては、 どこかのネズミのキャラクターを模したような格好で 小さく首を傾げたけれど、 ]
はい、行ってらっしゃい。
[ 坂理に手を振り返しながら、 卯木はもう少しだけ、 この場所から海を眺めていようか。 ]**
(21) JITA 2023/11/23(Thu) 12時半頃
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宇宙原理衆 ウツギは、メモを貼った。
JITA 2023/11/23(Thu) 19時半頃
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── 中央カフェ厨房 ──
[ しばらく海を眺めていた卯木であったが、>>21 この島が墓標であるならば、>>3:*26 煙崎るくあに最後の挨拶をしたいなと 卯木は思った。
それは罪悪感から出た気持ちというわけではなく、>>2:213>>16>>17>>18 ただ、話したいことがあるから、 という純粋な気持ちだった。
テーマパーク内で、モナリザたちが奏でる 月光第三楽章のけたたましい音楽の中で>>3:30 少々不思議な気持ちになりながらも、 卯木は中央カフェへと向けて足を進める。 ]
(52) JITA 2023/11/24(Fri) 00時頃
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[ 中央カフェの厨房にて、 サポートロボットに断りを入れると、 納得したのかは分からないが、 卯木が調理するスペースを空けてくれた。
お供え用に大福を作ろうかと思い、 冷蔵庫の中を見てみるが、 餡子になりそうなものは見つからなかった。 ]
クリーム大福にしようかな。
[ それから、卯木は白玉粉、上白糖、水、片栗粉、 生クリーム、グラニュー糖、氷、苺、ブルーベリーを 用意すると、 ボウルに白玉粉と水を入れて混ぜた後、 穴のあいた平たい生地をいくつか作ると、 生地を熱湯に入れて茹でる。 ]
(53) JITA 2023/11/24(Fri) 00時頃
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[ ふつふつと茹で上がる熱気にあてられて、 生地が浮き上がってくると、 別の鍋に生地を移して、弱火にかけると 木べらで練りながら混ぜて、 上白糖を加えてさらに混ぜ、を繰り返し、 片栗粉をまぶしたバットに生地を流し込んで、 生地の上からさらに片栗粉をまぶして 求肥が完成する。
次は生クリームを氷水に当てながら泡立てて、 ツノが立ったら、生クリームを絞り袋に入れ、 苺を包み込むようにして生クリームを こんもりと丸く絞ると、冷蔵庫で冷やし固める。
求肥で冷やし固めた生クリームを包み込み、 最後に1/4にカットした苺とブルーベリーで 兎の耳と目を作ってクリーム大福が完成した。 ]
(54) JITA 2023/11/24(Fri) 00時頃
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── 現在:ジェットコースター『宇宙遊泳』前 ──
[ この島自体が墓標ならば、 別にどの場所で弔っても良かったのだけれど、 ジェットコースターの前に来たのは、 ホログラムの映像を見たのが、 ジェットコースターに乗った後だったからか、 何となくこの場所に彼女がいる気がしたから。
先ほど作ったばかりのクリーム大福を皿に乗せて、 この場所までやって来た卯木は、 大福の皿を地面に置くと、そっと手を合わせた。 ]
兎坂庵の大福じゃないけれど、 ここだと用意できないみたいだから 許してくれると嬉しいな。
(55) JITA 2023/11/24(Fri) 00時頃
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[ 兎坂庵で作る大福は、中身はこし餡で、 兎の耳と目は甘納豆でできている。
せめて求肥だけは普段通りに作ろうと思ったが、 きっと煙崎るくあが好んでいた大福とは だいぶ違うものとなっただろう。 ]
あの日話したことを、>>0:217 僕は撤回するつもりはないけれど、 でも、従弟のことで君が相談に乗ってくれたことは 本当に感謝しているから。
(56) JITA 2023/11/24(Fri) 00時頃
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[ 彼女に自分の言葉が届くといいなと 心から願いながら。>>0:217 卯木は瞳を閉じて、謝意の言葉を呟いた。 ]**
(57) JITA 2023/11/24(Fri) 00時頃
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(音声による一斉送信)
『 お呼び立てした客人諸君。
……こんな言い回しは大仰だな。
るくあの名を使って、
キミたちを招んだの俺だ。
先ほど、どうやら自白もあったようだが。
巻き込んだキミらには申し訳なく思ってる。
今、誰の手配か知らんが遭難信号が発せられた。
明日かあさってには救援が来るだろう。
それまで、
ここでの時間を楽しんでほしい。 』
『 ああ、俺に文句のあるヤツは
いつでも殴りに来てくれ。』
(灰羅へ個人送信)
『黒須ワ個人としては、
お招きいただいてむしろ感謝しています。
未だ、故人のことが全て
理解できたわけではないですけど。
診断が心臓麻痺だったことを思えば、
るくあ本人が遺書等を残してはいなかったんでしょうし、
彼女の死を知り、悼み、眠る地も分かったことで
この島に来た当初の目的の殆どは達成されましたから。
ありがとうございました。
どうぞ、お 兄さんも、ご健勝であられますよう。』
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── 現在:天の川ロード前休憩所 ──
[ 煙崎るくあへのお供えが終わった後、 クリーム大福の皿を持って 園内をぶらぶらした卯木は、
最終的にたどり着いた休憩所のベンチに座り、 アポロを操作していたら、 新たな音声メッセージが届いていることに気づいた。>>*0>>*1 ]
……そっか。
[ 煙崎灰羅が犯人でなかったのなら、 ほぼほぼ招待主だろうと思っていた卯木は、 特に驚くこともなく、ぽつりと言葉を零す。 ]
(68) JITA 2023/11/24(Fri) 16時半頃
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[ 遅くとも明後日には救援が来るらしいが、 それまでに招待主と犯人の間で、 何かしらの決着がつくのだろうか。
いや、卯木が煙崎灰羅のメッセージに 気づいたのは、 届いてからしばらく時間が経った後だったから、 もう既に決着がついた後なのかもしれないが。 ]
(69) JITA 2023/11/24(Fri) 16時半頃
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[ 改めて、中村から届いたメッセージを眺める。>>3:*19>>3:*20>>3:*21 「”招待者”に確実に届ける」ための一斉送信。
招待主が犯人に何をするつもりなのかは、 あのホログラムが話した言葉を覚えていたら、 きっと容易に想像はつくはずで。
中村が毒薬を所持していた理由や、 死を受け入れる理由、 煙崎灰羅が煙崎るくあの復讐をしようとした理由。 仮に全てが理解ができるものであったとしても、 卯木にはきっと受け入れられそうにない。
だけど── ]
(70) JITA 2023/11/24(Fri) 16時半頃
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あまり後味の悪い結末は、 僕は好きじゃないんだよね。
[ 物語のハッピーエンドのように>>3:224 現実はそう上手くはいかないけれど。 やらなかったことで後悔するということは したくはなかったから。
今後どうなるかは分からないし、>>3:279>>3:280 すでに決着がついた後かもしれない。
それでも、アポロを操作する卯木の指は 止まることはなかった。 ]
(71) JITA 2023/11/24(Fri) 16時半頃
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(中村への個別メッセージ)
『あなたが煙崎さんを死に至らしめた旨、
かしこまりました。
では、あなたが兎坂庵にご来店いただけるのは
全ての片がついて落ち着かれてから、
ということになりそうでしょうか。
私はもうしばらくは現役で店長をしておりますので、
いつでもご来店お待ちしておりますね。』
(煙崎灰羅への個人メッセージ)
『そっか。君が僕たちを招いたんだね。
それについては、僕は特に気にしていないけれど。
今後、君はどうするつもりなのかな?
君の答えによっては、
僕は君を殴りに行くかもしれないけれど、
正直に答えてくれると嬉しいな。』
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さてと、どうなるかな。
[ まあ卯木にできることなんて、たかが知れてるし、 どうなろうと文句を言うつもりもないけれど。
二人にメッセージを送った後、 卯木は一つクリーム大福を含む。
柔らかい求肥が綻んだ場所から、 コクのある生クリームがあふれ出すが、 苺とブルーベリーの爽やかな香りと 甘さ、かすかな酸味が影響してか、 くど過ぎず、なかなか食べやすい。
慣れない場所で作ったにしては上出来かな、 と自画自賛しつつ、 卯木はもう少しこの場所で休んでいようか。 ]**
(72) JITA 2023/11/24(Fri) 16時半頃
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宇宙原理衆 ウツギは、メモを貼った。
JITA 2023/11/24(Fri) 16時半頃
(灰羅へ個別送信)
灰羅殿。
一斉送信のメッセージは、見た、けど
僕の処遇は。
法に任せる
そういう解釈でいいの? *
(中村へ個別送信)
『 アンタが聞いたという、
るくあの言葉を信じるよ。 』
(灰羅に個別送信)
ホテルの503室にいるよ。
ドアストッパー嚙ませてるから開く。ご自由に。
必要ならロビーのカフェに降りる。
(卯木へ個別送信)
『 あまり、驚いちゃなさそうだな。
どうするかねえ、
今となっては、何も行き先が決まっていない。
今から中村に会ってくるが、
それで何か変わるものかも判らない。
アンタには文句を言う、首謀者を殴る資格がある。
ヤツとの話が済んだら会おう。 』
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── 天の川ロード前休憩所 ──
行き先、かあ。
[ 届いた煙崎灰羅のメッセージを読みながら、>>*9 彼の目的は犯人を殺すことだったのだから、 そこから先にどうしたいかについては、 今すぐには分からないだろうなとは思いつつも。
もし彼が煙崎るくあの兄ではなかったということを 卯木が知れば、さらに悩むことになりそうだが、 そんなことになりそうな可能性については、 この時点では想像もしておらず、 ]
(106) JITA 2023/11/24(Fri) 23時半頃
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