31 私を■したあなたたちへ
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――銀の館
……アンタが、悪いと思うことは 何ひとつないだろうに。
[>>10 自身の問いを省みるような呟きに。 深縹色の天井には、淡く光る近くて遠い星々が、 物言わず、温度もなく、ただ、 僅かばかりの光源としてあるだけ。 熱のある存在は、己と向き合う密星のみ。 わからないままよりはいいと言う、 殆ど見ず知らずと言ってもいい彼女。 彼女を爆破することも辞さないと、 のうのうと述べた人間を前にして。]
(22) yunamagi 2023/11/23(Thu) 13時頃
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止めたくなってしまう、 生きてほしいと思う、か。
うん、ああ、お節介だ。
[向けられる彼女の言葉や添おうとする気持ちを 撥ねのける気になれないのは、 己が今、参っているからというだけではない、 やはり、嬉しいのだ。
己の中にあったと信じていた感情が 見失ってしまった今でも、いや、今だからこそ、 本物だと感じられる想いに、 どうしようもなく揺さぶられる。]
(23) yunamagi 2023/11/23(Thu) 13時頃
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…………大丈夫だ。
[長い沈黙の後、吐き出すように呟いた。 瞳を伏せる動作は、暗闇の中、視認できない。 願いも祈りも同様に見ることはできない。 それでも、密星の優しさは伝わってくる。 るくあではない、彼女自身の力で。]
(24) yunamagi 2023/11/23(Thu) 13時頃
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ちょっと、整理するのに 時間はかかるかもしれんが…… アンタが、心配するようなことには、
しないと誓おう。
[ぽつぽつと落とすと。 ありがとう、と己からすると小さな肩を ぽんと叩いた。**]
(25) yunamagi 2023/11/23(Thu) 13時頃
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[ごく当然のように 「ほうじ茶と大福の伴う今度」を強請る坂理と、 「楽しむことが、るくあの手向けになる」 黒須のメッセージを見たのは、 恐らくまだ少し先の時刻。
綻ぶ口許に皮肉の色はなく。]
(33) yunamagi 2023/11/23(Thu) 16時頃
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[最後の一言に特に含みはない。 るくあが好み、通っていた兎坂庵で。 約束が果たされる日は、きっとあっただろう。**]
(34) yunamagi 2023/11/23(Thu) 16時頃
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――銀の館
[それは安堵の響き。 感謝の言葉が彼女のほうから出てくるのは おかしなもので、苦笑を洩らす。 跳ねたあとの彼女の微笑みは、 やはり判然としなかったが、纏う空気の和らいだ。 それで充分だ。]
何だろうな、随分と人の命ってのモノが 希薄な場所にいたからか、
忘れてたよ。 大切なものだったんだと。
[思い出せてくれて。 再度の礼を唱えることはせずに天井を見上げる。]
(44) yunamagi 2023/11/23(Thu) 21時半頃
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外の星でも観に行こうか。
[外へと促した。 長い夜の途中。館の外にも 薄闇が広がっているだろうが、
投影された淡い光源ではなく、 月明りのした、星空の元、 あるいは明るいパレードの灯りに照らされた、 彼女の姿を見てみたいと思ったのだ。*]
(45) yunamagi 2023/11/23(Thu) 21時半頃
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――エレクトリカルパレード
[夜風を受けながら、賑やかな場所を目指す。 ごく自然に隣を歩く密星を、 己も当たり前のように受け入れていた。
色とりどり、鮮やかな光を発しながら、 踊り、奏で、行進するモナリザ達。>>3:220 併せて、空に投影された巨大なUFOやロケット、 幻想的な城などのホログラム群に。 花火を模したような爆音とともに打ちあがっては 散っていく星々の演出。 るくあの希望通りプログラムされたものが テーマパーク内を彩る。]
(62) yunamagi 2023/11/24(Fri) 12時頃
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パレードも初めてか?
[初めての遊園地と言っていた彼女に、 視線はロボットの楽隊に向けたまま尋ねる。
休憩所に卯木の姿が見えれば、視線を投げて。 こちらに気づいたようなら、 煙管を持ち上げての挨拶を交わした。]
(63) yunamagi 2023/11/24(Fri) 12時頃
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[>>3:222 やがてハンドベルの響きが、 音楽の調べを一転させ、 夜本来の静寂さを取り戻す。
モナリザの数と配置に、園内の人数とるくあ、 その符牒に気付かないわけにはいくまい。]
皆と一緒に遊びたかったんだよな。 ……満足だったか? るくあ。
[これは、己からの最後の呼びかけだ。 ふ、と息を短く吐いて。 傍らに立つ、生身の存在へと向き直った。*]
(64) yunamagi 2023/11/24(Fri) 12時頃
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[やがてフィナーレを迎えると、
ロボットの楽隊のもとに、 他のモナリザ達も集ってきて、 当初の予定になかった演出が行われる。>>3:29
誰の仕業かまではさすがに判らずに、 目を瞠った。 もう暫くは島での生活を余儀なくされると、 皆に告げるつもりでいたが、 思いのほか早い帰還になりそうだ。
まるで最後のセレモニーのような遭難信号を 見届けると、アポロにメッセージを送る。]
(65) yunamagi 2023/11/24(Fri) 15時頃
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(音声による一斉送信)
『 お呼び立てした客人諸君。
……こんな言い回しは大仰だな。
るくあの名を使って、
キミたちを招んだの俺だ。
先ほど、どうやら自白もあったようだが。
巻き込んだキミらには申し訳なく思ってる。
今、誰の手配か知らんが遭難信号が発せられた。
明日かあさってには救援が来るだろう。
それまで、
ここでの時間を楽しんでほしい。 』
『 ああ、俺に文句のあるヤツは
いつでも殴りに来てくれ。』
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[勝手な言い分を伝えて、通信を切った。 夏の終わりを実感させる、 涼しさを孕む風が吹いていた。**]
(66) yunamagi 2023/11/24(Fri) 15時頃
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(灰羅へ個人送信)
『黒須ワ個人としては、
お招きいただいてむしろ感謝しています。
未だ、故人のことが全て
理解できたわけではないですけど。
診断が心臓麻痺だったことを思えば、
るくあ本人が遺書等を残してはいなかったんでしょうし、
彼女の死を知り、悼み、眠る地も分かったことで
この島に来た当初の目的の殆どは達成されましたから。
ありがとうございました。
どうぞ、お 兄さんも、ご健勝であられますよう。』
(中村への個別メッセージ)
『あなたが煙崎さんを死に至らしめた旨、
かしこまりました。
では、あなたが兎坂庵にご来店いただけるのは
全ての片がついて落ち着かれてから、
ということになりそうでしょうか。
私はもうしばらくは現役で店長をしておりますので、
いつでもご来店お待ちしておりますね。』
(煙崎灰羅への個人メッセージ)
『そっか。君が僕たちを招いたんだね。
それについては、僕は特に気にしていないけれど。
今後、君はどうするつもりなのかな?
君の答えによっては、
僕は君を殴りに行くかもしれないけれど、
正直に答えてくれると嬉しいな。』
(灰羅へ個別送信)
灰羅殿。
一斉送信のメッセージは、見た、けど
僕の処遇は。
法に任せる
そういう解釈でいいの? *
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[>>73 モナリザ達のパフォーマンスを 密星は夢中で見つめている。 追悼の念があったからこそ、感慨深く 眺めてはいたものの、演し物自体は、 然程己の興味を惹く類ではなかった筈だ。
隣でこうして喜色をたたえて、 パレードを鑑賞している存在がいて、初めて実感する。]
――そうか。 パレードってのは、心躍るものなんだよな。
[音にすると、確かに楽しい時なのだと思えた。 パレードが終わると、ロボットに 頭を下げて拍手を送る姿に、律儀だな、 もう何度目かになる感想を抱き、目を細める。]
(88) yunamagi 2023/11/24(Fri) 20時半頃
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そう願うよ。
[>>76 向けられる微笑みに、己も笑みを返すだろう。]
(89) yunamagi 2023/11/24(Fri) 20時半頃
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[それから、密星に断りを入れて アポロに音声での一斉通信を済ませると、 間もなく黒須から返信が届く。>>*2
不適当と思われる感謝の言葉は、 しかし、あまりにも彼らしい。]
黒須くんもな。
[問答の必要はなさそうだった。 短く呟くことで返信とする。]
(90) yunamagi 2023/11/24(Fri) 20時半頃
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色々廻りたかったが、もう時間も遅い。 明日、また付き合ってくれるかい?
アンタもジェットコースターに 乗りたいだろうしな。 それとも、夜のうちに行きたいとこ、あるか?
[密星に問うて、彼女の希望があれば汲むが、 なければ、ホテルの部屋まで送るつもり。*]
(91) yunamagi 2023/11/24(Fri) 20時半頃
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(中村へ個別送信)
『 アンタが聞いたという、
るくあの言葉を信じるよ。 』
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[先刻の中村とのやり取りの中で、 彼の人となりを正直掴めたとは言い難い。
彼は隠し事をしていた。 腹を割っての会話ではなかった。 信じるに足る人物か、現時点では判別つかない。
ただ、研究所の実験によって生み出された るくあの能力によって、 他者の意志がどれだけ介在できたのか 判らなくなっていた。
会って話せば、少しは伝わるだろうか。 彼の真実が。]
(92) yunamagi 2023/11/24(Fri) 20時半頃
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[他の多くの関係者と変わりない洗脳対象者である己が 今さらどの立場で対峙するのか、 意味を見出せず、今の今まで 顔を合わせる気を失っていた。
だが、やはり向き合っておくべきなんだろう。*]
(93) yunamagi 2023/11/24(Fri) 21時頃
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(灰羅に個別送信)
ホテルの503室にいるよ。
ドアストッパー嚙ませてるから開く。ご自由に。
必要ならロビーのカフェに降りる。
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誓うと言ったろ? 心配しなくていい。
[>>95>>25 己を見上げる、 気遣わし気な眼差しを見つめ返して。 手を伸ばし、白皙の頬を指でなぞった。]
それがいい。今夜は、 できることならゆっくり休んでくれ。 おやすみ。
[音楽が鳴り止み、ホログラムも消えて 静まり返った園内を密星と歩いて、 部屋へと送り届ける。]
(96) yunamagi 2023/11/24(Fri) 22時頃
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[扉の向こう側に見えなくなる姿に、 離れがたいな、過る感情を諫めて、 「また明日」告げて、背を向けた。]
……明日の楽しみがあるってのは、 いいもんだねェ。
[歩きながら呟きひとつを落とす。*]
(97) yunamagi 2023/11/24(Fri) 22時頃
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