4 【突発R18】痴☆電車
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/* おはようございます。 陽子さん、黒絵さん、明海さん、ありがとうございます。 三者三様でとても楽しませてもらいました。 だいぶ好き勝手しましたが大丈夫でした?
(-9) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 08時半頃
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/* 悦んでもらえてよかったです。 過去なら現在とはまた違った黒絵さんが見られると思って振りました。 あと処女を奪うと見せかけて挿れないのは狙ってました。 処女喪失させて終わりよりもその方が未来というか現在に繋がると思いまして。
(-13) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 12時半頃
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/* そうですね。 今の軸でも触れたいですね(痴漢なので…)
(-15) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 17時頃
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─ 後日談 ─
『こひらようこさんですね』
“こだいら”だろ?
[陽子の視線の先にいる男。 女の配属先の係長“館本 進”、35歳独身。 エリートというわけではないが昇進は早い方で、特別何かが秀でているわけではないが、そこそこ仕事はできるという評判だった。]
もう……来てるみたいだな。
[いつから気づいていたのか、話をしていた部下に視線で角を示した。 男は確かにあの日、陽子が出会った痴漢のはずで、ただ違うところがあるとすれば、あのとき浮かべていた薄ら笑みが浮かんでいなかったところだろう。]
(2) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃
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[男はあの痴漢のはずだったが、陽子に対して手を出すどころか触れることすらしなかった。もちろん他の女性社員にも。 それにあの日のことを匂わせることすらなかった。
たまに同じ電車で帰る時も、電車の揺れで体が触れることはあっても、それ以上は決して何もせず、痴漢行為なんてものはその気配すらない。
そんな日々。
そしてある日、二人して残業になった夜。]
(3) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃
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[二人きりになってもやはり男は陽子に何もしない。]
すまない、こっちの資料も纏めてくれ。
[あるのは仕事の会話だけ。 書類を捲る音、パソコンのキーを叩く音。 二人だけのオフィスにはそれだけが響いていた。
そして、その日も何事もなく仕事を終えた。]*
(4) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃
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/* >>-16 陽子さん ありがとうございます。 読み返してみると電話はもう少し広げてもよかった気がします。 惜しいことをしたかも。
(-23) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃
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/* >>-20 黒絵さん どんな形でも美味しく頂きます。
(-24) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃
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/* 残業なんて滅べばいいのに。 本当。
(-25) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 19時半頃
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[女の言葉に男は口元をかすかに歪ませた。 眼鏡を外しデスクに置くと洋子へと近づく。]
ああ……忘れたな。
[浮かぶ薄ら笑い。男はネクタイを緩めるとシャツのボタンを一つ外すと距離を詰め、陽子の側へ。]
責める?何を? 散々イカせたことか?
[おもむろに手を伸ばすと陽子の頬に触れ、視線をこちらを向けさせる。あの日以来、男が陽子に触れたのはこれが初めてだった。職場でも、通勤電車の中でも、酒の席でさえ一度も触れなかったのに。]
(11) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 21時頃
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忘れていて欲しかったんじゃないのか?
[挑発的な声。 それは、そうではないことを確信している言葉。 陽子の頬に触れる男の手は熱を帯びていて、あの日と同じように熱く感じられることだろう。]
初めてだよ……素性を知られたのは。 こんな偶然もあるものだな。
[手が微かに動いて女の頬を優しく撫でた。]*
(12) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 21時頃
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[痴漢は犯罪だ。 言われるまでもない。 たが、それだって露見しなければ罪には問われない。 そしていまの今までそれは一度もなかったこと。]
恋人は要らないな。
[頬から顎を撫で、男の親指が女の唇に掛かる。 なぞるようにして、それから唇の内側、濡れたところに触れる。]
今までバレたこともない。
[不敵な笑みが陽子に近づいていく。]
(16) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 22時頃
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[男は日常的に、いつも痴漢している訳ではなかった。 それこそ昔は毎日のようにではあったが、今は休みの日や、たまに有給を取って智閑線に乗る程度。]
だけど。 陽子に痴漢できるのは魅力的な提案だ。
[近づく男の唇は陽子の耳元へ。 耳朶にキスを落として囁く。]
……シて欲しいんだろ?
[男の足が陽子の足の間へと強引に割り入った。]*
(17) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 22時頃
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[陽子のことを可愛らしい女だと男は思う その身に忘れられない快感を覚え、その欲求に逆らえないでいるのに、それでいてこちらの言葉一つに初心な女のように顔を赤らめる。 かと思えばまた大胆な告白。]
……忘れさせてやる。
[あの日の行為を今日の行為で塗り替える。 耳元から離れた男の唇が首筋に吸い付く。 這わせる舌が女の厚くなった肌をさらに熱くする。]
覚悟しろよ。
[あの時はニットにタイトスカートだったが今はどうだろうか。オフィスであることを考えれば派手な服装でないことは確かか。]*
(*7) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 22時半頃
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/* 間違えました。 赤窓は電車内でした。
(-41) 飛行機雲 2021/01/26(Tue) 23時頃
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……明日?
[男の舌が首筋を舐る。 キスマークこそ付けはしないが、絶妙な加減で絶妙な場所、陽子の反応を見る前からそこがウィークポイントだと知っているかのように。]
……欠勤は感心しないな。
[男の手が陽子の臀部に触れた。 あの時と同じ熱を帯びた手が、服の上からもわかるぐらい熱い。 だけど、陽子の体、手が触れるお尻も、舌の這う肌も、負けず熱を帯びて熱い。]
(-48) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 07時半頃
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[舌が首筋から喉元に、そこから舌先がツーと顎をまでなぞると、頬に触れていた手が陽子の頭を掴んで強引に唇を奪った。 重なった陽子の唇を男の舌がゆっくりとなぞる。 だけど、舌を割り込ませたりはせず、何かを待つようにチロチロと表面を舐めるだけ。
お尻を弄る手は腰や背中、太ももに触れていく。 その手も段々と大胆になっていき、後ろから陽子の割れ目に指先が触れる。 自然と密着は強まり、割り入った男の膝が陽子の股間にぐっと押しつけられた。
まるで本当に痴漢のように。 実際のところ、キスを除けば男は陽子に痴漢をしているのだった。]*
(-50) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 07時半頃
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/* 寝落ちしておりました。
[深々と頭を下げる]
(-49) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 07時半頃
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[舌を絡めて、陽子が吸うに任せる。 そらから今度は陽子の舌を誘い込んで、同じように吸い付く。蹂躙するようなキスではなく、まるで情を交わすように。
陽子の程よき肉付きは触り心地がいい。 ワンピースのスカートの上からお尻を、太ももを存分に撫で回す。イヤラしい手つきで、イヤラしい指使いで。
男は不意に、陽子の体をひょいと小さく持ち上げるとデスクに座らせた。そしていつかの日のように、膝頭に触れて、そこから太ももを登っていく。]
(-55) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 16時頃
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[手がスカートの中に侵入し、今日もストッキングだっただろうか、熱い指が陽子の柔らかな太ももを伝っていく。]
……もう濡らしてるのか。
[触れる。 一度快楽を刻まれたからだろうか、以前よりも反応が早い気がした。 スカート中で、男の親指が陽子の割れ目に触れ、布地の上からゆっくりとなぞり上げ、そのままクリトリスをキュッと摘む。]
ここに欲しいか?
[ 布地の上からくっと強めに押し込んでやる。 そのまま割れ目を開いくように押し込みながら入り口をなぞった。]*
(-56) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 16時頃
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/* 残業滅べ
(-57) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 18時頃
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[男の被害に遭い、それでも男を求めた女は今までにも居なかったわけではない。 再び出会い、再び痴漢をすることもあった。 だが、それは女が求めたにせよ、再会は偶然の産物。洋子との再会がそうであるのと同様に。 男は被害者に素性を明かしたくとはない。
それに会社の人間に手を出したこともない。
だから、陽子は例外中の例外。 何年も痴漢を続けてきて初めてのことだった。]
(-67) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 20時半頃
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[男は陽子のその目を気に入っていた。 どうしようもなく体を快楽に溶かされているのに、目だけはキっとこちらを睨むその仕草が可愛らしいとさえ思えた。]
……欲張りな女だな。
[伸ばされた陽子の手をスルリと交わし、陽子の首筋に顔を埋めると、赤い痕を一つ、マフラーでもしない限り隠せないような位置に。 戯れのマーキング。]
(-68) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 20時半頃
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[陽子がそれでも男の顔に手を伸ばすなら、それすらも交わしてしまう。 まるで女には囚われないとでも言うように。
スカートを捲り大きく足を開かせると、下着のところでストッキングを破いた。 以前とは違ってはいても、やはり可愛らしい下着がそこにはあって、その下着が覆うすぐ側、足の根元に唇を当て、そこにも一輪の花を咲かせた。
そうして男は陽子の太ももに舌を這わせた。 指でストッキングを裂いて、露わになった肌に舌でなぞっていく。指先よりももっと熱く、唾液に滑る舌が陽子を味わっていく。]
(-69) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 20時半頃
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[そうやって男はまた陽子に緩やかだが強い快感を与えながら、決定的な瞬間にそれを止めてしまう。 陽子の中の植え付けた快感を目覚めさせ、育て、熱を溜め込んでいく。 熱を与え、焦らし、昂らせら、また焦らし。]*
(-70) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 20時半頃
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[陽子の懇願に熱を充てがった。 意地悪にもっと焦らすこともできたが、すでに一度快楽に染まった体は、これ以上焦らさなくても十分すぎるほどに感じることができるはずだ。
ショーツをずらして、充てがった熱を埋め込んでいく。
ずぶりずぶりとゆっくりと飲み込まれていく。 涙を湛えた陽子の目を見つめて、十分に時間をかけて奥まで。 ギシリと机が音を立てて、男の太く硬く熱い肉棒が陽子の中に全て収まった。]
(-78) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 22時半頃
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[たが、男がグイっと腰を押し込むと、先端は数センチ更に陽子の奥へと入り込んだ。 以前よりももう一つ奥へ、深く。]
こんなに深いのは……初めてか?
[相性というものがあるのなら、きっと男と陽子のそれはかなりいいのだろう。 収めているものを出口近くまで引いて、ズンと再び奥へと突き刺す。その度に事務用のデスクがギシリと音を立てた。]*
(-79) 飛行機雲 2021/01/27(Wed) 22時半頃
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[陽子が伸ばした指先がようやく男に触れる。 頬に触れたそれを掴むとその指に口付け、舌を這わせる。]
加賀が……陽子のことを気に入っているみたいだな。
[陽子の隣のデスク。 陽子とは一緒に組んで仕事をすることも多い。 歳も陽子と近く、顔もよく爽やかで仕事もよくできる男。女子社員からのウケはいい。 欠点といえばデスク周りが乱雑というぐらか。]
……アプローチされてるんだろ?
[薄く笑う目が意地悪に細められる。]
(-88) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 07時半頃
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[浅いところを集中的に責めたと思えば、また奥を抉り、強く突き込んだと思えば焦らすように緩やかに柔肉を摩る。 刺激するポイントを変え、あるいは緩急を付け、陽子を何度も昇らせていく。]
付き合ってやったらどうだ?
[再び最奥を貫く。 わかって言っている。 陽子が自分に気があるのも、教え込んだ快楽から逃れられなくなっているのも。
しがみつく陽子のからだを支え、揺さぶりながら、突き入れる腰の動きは陽子に息つく暇を与えない。]*
(-89) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 07時半頃
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/* 陽子を狙う男がセクハラ部長から爽やかイケメンに代わりました。
(-90) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 07時半頃
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[「好き」その言葉の意味。 自分の淫らな部分に気づかないまま快楽を植え付けられた女は特にそう。 開かれた身体に追いつかない心、悦を求めてしまう体とのバランスを取ろうとして男を「好き」だと錯覚する。好きな男に抱かれたいのだと。
“えっちな女じゃない”
陽子はまさにそういう女だった。 痴漢され、セックスまでしてグズグズに身体を蕩けさせられた。こんなはずじゃないと思いながらも燻る欲求に抗えなかった。
言い訳も十分だろう。 上司として館本という男として、仕事をする姿、痴漢以外の姿も見てきた。 “好きになる理由”は用意できた。]
(-96) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 16時半頃
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[男は歪んでいる。 だから気づかない。言い訳のための理由は、本当に好きになる理由にだってなるということを。
突き込む肉棒がひときわ熱を帯びる。 しがみつき、足さえも男を捕らえて離さない陽子に男は答えの代わりに囁く。]
そろそろイクぞ。 ちゃんと孕めよ。
[陽子の片足を抱え上げ、激しく中を蹂躙する。 ズチュズチュと肉と肉が擦れ合い、蜜が結合部から淫らな水音を鳴らす。]
(-97) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 16時半頃
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[陽子を支えていた手をぐっと引き寄せて、最奥にグリと先端を押し付けると、男の精が勢いよく陽子の中を染めていった。 長い射精。 女に包まれながら、ビクビクと震えて何度も精を吐き出していく。 溢れようにも蓋をされ行き場を無くした精子は奥へ奥へと流れ込んでいったか。]
(-98) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 16時半頃
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[男はいわゆる無精子症だった。 正確には、全く子種がないわけではないが普通の人の1万分の1程度。ほぼ確実に自然妊娠のできない量だった。 だから、こうして生で出したところで、子供ができる可能性は皆無だった。]*
(-99) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 16時半頃
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/* 残業滅びてください
(-103) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 20時半頃
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[陽子の手が頬を撫でる。 熱い、他人の手はこんなにも熱いものだっただろうか。]
……出来てたらな。
[一瞬だけ男の薄ら笑いが自嘲気味な笑みに変わる。 それを振り払うように、搾り取られてなお萎えることなく陽子を貫いたままの熱がピストンを再開する。
受け入れもしない、かといって手放しもしない。
口付ける。 余計な言葉は要らないとその口を封じるように。 男はただ女を穿ち続ける。]
(-105) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 21時頃
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[それから男は何度も陽子を果てさせた。 まるであの日のように、執拗に陽子の体を弄んだ。 デスクの上で、床に寝かせ、壁に押しつけ、後ろから前から貫いて。
ただあの日と違ったのは、男もまた何度も陽子の中で達していた。
それと。 先に帰ってしまうことなく、陽子が動けるようになるまで待っていたのだった。]*
(-106) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 21時頃
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[手を握られた。 男の顔にはすでに薄ら笑いはなく、いつもの係長としての姿がそこにあった。
陽子が加賀と付き合えないと言えば苦笑いが浮かぶ。 まだ何もしていない何も言い出さないうちに振られた加賀。合掌。]
……帰るぞ。 送っていく。
[だけど、その後に続く言葉には何も返さず、ただそう言って帰り支度を始めた。 陽子が断らなければ、タクシーでも拾って送っていくつもりで。]*
(-114) 飛行機雲 2021/01/28(Thu) 22時頃
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[その夜、陽子を送り届け帰路についた。 男の腕にしがみつく姿は他人からはどう見えたのだろう。 けれど、タクシーの中でも、部屋の前まで来ても男はそれ以上は陽子に何もしなかった。
翌日、普段通りの姿がそこにあった。 表情をあまり変えず、淡々と仕事をこなす。 陽子が睨みつけてもどこ吹く風。
それでも。]
『今日の係長、機嫌いいですね』
[とは加賀の言葉だった。]
(-125) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 07時半頃
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[そして確かな変化が一つ。
話をするとき、側を通るとき。 いつもよりも陽子との距離が微かに近いし、それに。]
この資料、今日中に直しておいてくれ。
[ポンと、確かに男の手が陽子の背中に触れた。 昨夜をのぞけば今まで決して触れることはなかったのに。]
……俺はアップの方が好きだな。
[なんて陽子にしか聞こえない声で囁いたりも。]
(-126) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 07時半頃
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[それからというもの、館本は陽子に触れてくるようになった。 デスクで、廊下で、給湯室で、あるいは会議の最中机の下で、人の目につかないように、痴漢をするようになった。
飲み会の席で陽子と加賀を近づけたり、仕事でも前より加賀と組ませることが多くなった。 なもしも、それを陽子が問い詰めれば逆に「公私混同するな」と言い放つ。
そうしておきながら、社内で平然と痴漢行為に及んだ。残業で二人になれば当たり前のように手を出してきた。 ホテルに連れ込んだり、陽子の部屋に上がり込んだこともあったかもしれない。
恋人とは呼べない、でも、手放しもしない。]*
(-127) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 07時半頃
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/* 土日丸々ありますね。 ありがたい。
(-131) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 12時半頃
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─ 某日 ─
[それもまた偶然だった。 土曜にニットにチノパンというラフな格好で買い物へ行く途中のこと。智閑線ではない普通の路線。満員電車というわけではないがそこそこの混雑。
そこに女を見つけた。
流れに逆らうことなく、むしろその流れを利用して女の横に並ぶと、まずは小手調にお尻に手を伸ばす。 揺れに合わせ偶然を装って一度、そして二度と手を当てる。そして三度目にはそのお尻に掌を合わせた。
ここはいつもの路線とは違う。 女が声をあげればそれで全てが終わる。]
(*11) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 12時半頃
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[随分と大人っぽくなった。 それに何より雰囲気が違う。漂うのは隠しきれない抑えきれない淫靡な気配。 変わらないのは黒く長い髪と地味な眼鏡ぐらいか。]
………どんな感じ? 正直に言ってみなよ。
[耳元でそっと囁いて、指先がお尻の割れ目を沿って下に降りると、もう一つの割れ目の端に触れる。 5年の歳月を経て、女──黒絵はどのように花開いのだろうか。]*
(*12) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 12時半頃
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/* 黒絵さんとの再会はやっておかないと。
(-132) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 12時半頃
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/* 実家暮らし把握してませんでした(頭深々
(-133) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 15時頃
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/* それはいい。 両親の目の前で(痴漢
(-135) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 15時頃
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─ そんなある日 ─
[その頃になれば館本と陽子の関係を疑う者も出始めたが、館本は気にする素振りもなく、二人きりになればやはり行為に及んでいた。
だが、それも最近は陽子か拒むことも増えた。 痴漢は受け入れるが、それ以上は拒む。それはポーズではなく、本心から嫌がっているようだった。
そんなある日。 その日もまた残業だったが、こうして二人で残るのは久しぶりのこと。 だというのに、館本は陽子に触れようとはしなかった。近寄ることも、何かを囁くことも。 まるで他の社員がいるときのように、淡々と仕事だけを進めて、遂には帰り支度を始めた。]
(26) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 16時頃
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[『振られるか私が諦めるまで』 館本はきっとその日が近いのだろうと考えていた。 歪んだ自分と、歪んだ関係を持つのは陽子にとっても幸せなことではないだろう。
それに、快楽に染まりながらも拒む女と無理に関係を続ける気も館本にはなかった。 頭に一つの言葉が浮かぶ。
───潮時。
そういうものだと理解していた。 だから、今この場で痴漢すらしないということは、今後もそういうことはもうしないという意思表示であった。 明日からはただの上司と部下に戻る。]*
(27) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 16時頃
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[男は思う奇跡は起きないから奇跡なのだと。
陽子の体の変化に気づいたとき、男はそれが理由だったのだと理解した。 妊娠、つまりそれが陽子が男を拒んだ理由。 ならば仕方のないこと、それは男には与えられないものだから。
陽子はこの手で咲かせた花だ。 惜しくないと言えば嘘になる、他の男のものになったことが悔しくないかと言えば嘘になる。
だけど、それはどうしようもないこと。 どんなに女を悦ばせても、どんなに淫らに堕としても、自分は男として致命的な欠陥を抱えているのだから。]
(30) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 17時半頃
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─ 回想・拒絶 ─
[まだ男が陽子の体の変化に気づく前の話。]
陽子か、俺だ。
[スマートフォンの向こうから聞こえる陽子の声。休みの日に、館本から私用の電話をすることは稀というより今まで一度もなかった。]
今から出て来れるか? 飯でも一緒にどうかと思って。 場所は……
[散々その体を弄び、何度も体を重ねても、思えばデートどころか二人で食事をしたこともなかったように思う。恋人ではないのだらか当たり前なのだけど。 だからこれはただの気まぐれ、何となく誘ってみただけの電話だった。 それが、この関係を終わらせる、その始まりになるとも知らず。]*
(-137) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 17時半頃
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/* 残業さん頼むから滅びてください。
(-139) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 18時半頃
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[はにかんだ笑顔が眩しく思えた。 いつも啼かせている時の恍惚とした表情とはまた違う。どちらかと言えばシてるときのほうが好みではあったが。]
まだ少し早いか。 買い物に行こう。
[二人でディナーというには太陽はまだ高すぎる。 予約したホテルのレストランもまだ開いてすらいない。]
何か買いたいものとかは?
[一人なら気ままにブラブラと物色するところだが、陽子が何か買い物したいならそれに付き合うつもりだった。]*
(32) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 19時半頃
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/* 先の展開がある程度決まっている中でのRPも乙なものです。 普通にデートしてるその先に……
(-142) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 19時半頃
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[紅茶が欲しいと言われれば頷いて、二人横並びにその店へ。 歩き出してすぐに館本の手が陽子の腰のあたりに添えられる。引き寄せるでも、痴漢のように弄るでもなく、ただ添えられただけ。
陽子が手を繋ごうとするそれすらも躊躇していてなんて知りもせず、事もなげに。
それは館本自身が何かしようとしてわけではなく、自然とそうなっていただけだったが。]
(35) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 21時頃
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[館本はコーヒー党だった。 甘さを加えず、ブラックで飲むのが好きだった。 仕事場では主に自分で淹れている。 陽子や他の子に頼むことはほとんどなかった。]
紅茶には疎いな。 有名な銘柄ぐらいは知っているけど。
[だからというわけではないが、紅茶についての知識はほとんどない。かといってコーヒーに詳しいかといえばそういうわけでもないのだが。
店に入れば自然と手が離れる。 今日は悪さもしない手だ。]*
(36) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 21時頃
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─ 回想の回想 ─
『こだわりの淹れ方でもあるんですか?』
[給湯室でコーヒーを淹れている時にそんな声をかけられた。コーヒー党ではあるが、実は大したこだわりはない。コーヒーそのものが好きかと言われればそうでもなかったりする。 ただ、なんとなく、苦味のあるもので少し頭をスッキリさせたい、それがいつのまにかルーティンになっていた。]
……ある。
[薄ら笑いを浮かべて妖狐を手招きする。]
蒸らしたあとに、指を突っ込んで掻き混ぜるんだ。
[中指を立てて掻き混ぜるゼスチャー]
(39) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃
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……嘘に決まってるだろ。 そんなことしたら火傷する。
[ふっと笑うと陽子の耳元に顔を寄せて囁いた。]
……陽子のあそこも火傷しそうだけどな。
[給湯室に二人でいればそうしない理由がない。 スカートの上から陽子秘部へと指先を触れさせると、ぐりぐりと弄るのではなく、その先を想像させるように軽く撫でるだけ。
そんな上司と部下の良好な関係があった。]
(40) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃
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─ 回想 ─
[ルイボスティーといえば茶葉ではなく別の植物で、それが何かは知らない(ルイボスという名であることぐらいは知っている)か、日本でいうところの麦茶のようなものと勝手に思っていた。]
たまにはこういうもの飲んでみるのもいい。
[コーヒーでなければいけない理由は大してない。ただそれが常だったというだけのこと。]
会社用に買っていくか。 どれがいい?
[陽子に尋ねる、そんなやりとりはきっと周りのカップルたちと同じように見えているだろう。 誰が二人を見て痴漢する側とされる側ということを想像できるというのだろうか。]*
(41) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃
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/* 毎回『妖狐』が変換候補に。
(-146) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 22時頃
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[問われても、答えは気が向いただけと。 握られた手を振り解く。 そうして今度は指を絡めて握り直した。
恋人ごっこ。
言ってしまえばそういうこと。 休日のデートのような一日も、二人でする買い物も、予約したイタリアンも、こうして手を繋ぐ事も。
陽子がこういう普通のことも望んでいるは知っている。だからこうして叶えてやることで、きっと陽子の熱の昂りもまた激しくなる。
そう、頭で思っていた。]
(44) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 23時半頃
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[食事を終え、陽子を連れてきたのはレストランと同じホテルの一室。 スイートとはならないが、そこそこいい部屋で、窓からの景色もなかなかのもの。
部屋に入れば、陽子を抱き寄せて唇を重ねた。 甘い口付け、緩やかな触れ合い。 まるでる恋人のように。
だが、恋人ごっこもそこまで。 陽子に触れ始めればそれはいつもの指さき、いつもの手つき。恋人の交わりなど知る由もない。 だから、あとはいつものように陽子を昂らせていくだけ。]
(45) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 23時半頃
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[キスをしたまま、両手で陽子の首筋をなぞる。 そらから肩と腕を撫でて、ゆっくりと降りていく手がお尻に触れる。
陽子の反応はどうか。
お尻を撫で、太ももを摩る指、服の上から胸を弄る手。陽子の体に触れる手が、早々に衣服を脱がしにかかる。]*
(-147) 飛行機雲 2021/01/29(Fri) 23時半頃
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[それは、きっと初めてのことだった。 こうして関係を持ってから陽子が館本を、快楽を拒んだのは。 陽子の中で何かが変わりつつある。 そんな気配を感じてはいたが。
見つめる目の奥に何かがある。 陽子にとって館本の与える快楽よりも大事な何かが。
衣服を脱がせようとしていた手が陽子から離れる。]
(47) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 08時頃
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わかった。 ……やめておこう。
[自分でも驚くぐらい冷えた声。 舞い上がっていたのは自分の方か。恋人の真似事なんて慣れないことをしたせいか、どうやららしくないことになっていた。
陽子から離れるとソファに座り、テーブルに置かれたシャンパンをグラスに注ぐ。]
今日は……楽しかったか?
[なぜそんなことを聞いたのか。 わからないまま、呷るようにして喉を潤した。]*
(48) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 08時頃
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/* おはようございます。 案の定寝落ちしてました。 休日出勤なんて滅んで仕舞えばいいのに。
(-150) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 08時頃
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[普通のデート。 何を勘違いしていたのか。 男にできることは女に快感を与え、その身を堕とすことだけ。洋子と出会った日、あの夜の女の子を思い出す。誰かに壊され堕とされた女。 やってることは同じ。
陽子はいい意味で普通だった。 快楽に溺れても、堕ちてさえいても普通のまま。 求める先はやはりそちらなのだ。
傲慢さ。 男は自分の傲慢さに自省する。]
(51) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 09時頃
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今度……か。
[意図せず漏れた呟き。 歪んだ男が求めるものは普通ではない。今日のことも求めたのは普通のデートではなくらその先にあるもののはずだ。
陽子の内心を知らず、体の変化を知らず。 男はただ一人、己の歪みの中に沈んでいく。
思えばこの夜、すでに陽子は新たな命を宿していたのだ。 自分ではない、他の男の子を。]**
(52) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 09時頃
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─ その日 ─
[土曜、男は混雑した電車に揺られていた。 気に入った女を見つけ、近づき行為に及んだ。 いつもの様に手技を披露し、何度も女をイカせ、締めに挿入というところで、男は躊躇した。 躊躇してしまった。
どうしたのかと問う女に、男は眉を顰めた。 気分が乗らない、そんなことは初めてだった。]
悪いがセックスは無しだ。
[散々痴漢し、散々イカせておいて、何を言うのかと自分でも馬鹿馬鹿しく思う。思うが。]
……好きな女がいるんだ。
(*15) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[小さく呟いた言葉。 その言葉がストンと腑に落ちた。 そうして電車を降りて街に降り立つ。 雑踏、人の流れのその中で、館本はスマートフォンを取り出した。]
『陽子か、俺だ。』
(58) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[所詮、恋人ごっこ。 寄せられた陽子の身体を抱き寄せて、ただそれだけで何もせず。
『好きです。』
その言葉が酷く虚しく思えた。 今更、普通など手に入るはずもない。 自分の歪みも欠陥も痛いほど理解している。
こうして恋人のような真似事をしていても、明日には他の女を痴漢しているのだ。 自身がそういう人間だということを男は理解している。]
(59) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[誘われた映画は観に行った。 暗がりで隣に座る陽子の身体を弄る。 感度のいい陽子の身体、だけど前とは違う。快感に身を震わせても、どこかブレーキをかけている。陽子は快楽に身を任せようとはしない。
後に理解する。 陽子はすでに他の男のものなのだと。
徐々に大きくなる陽子のお腹。 産休の申請に渋る部長に『問題になりますよ』と苦言を呈したりもした。
それぐらいはしてもいいだろうと思ったから。]
(60) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[そんなある日の夜。 妊婦とわかってからは出来るだけ残業する様なことにはならない様にしてきたが、どうしても陽子にお願いしなければならない仕事があった。
こうして二人で残業をするのも久しぶりのこと。
もちろん手を出すことはない。 二人の関係はすでに終わったもの。
だから、陽子が自分を呼ぶその呼び方が変わったことにすら気が付かなかった。
男はただ顔を上げ、笑わぬ係長の顔で陽子の方に視線を向けた。]*
(61) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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……ありえない。
[そう、そんなことはありえない。 普通の人の一万分の一、医者からは自然妊娠はできないと言われた。それでもいい、普通の家庭を築くなんて不可能だと思っていた。 だから、出来るはずがない。]
ありえないんだ。 俺には……精子かほとんど存在しない。
[無精子、正しくは乏精子症と言うらしいが。 確かに全くのゼロということではないが、その確率は奇跡と呼ぶしかない。]
(66) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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[他の男の子、他の男に抱かれたのかと、そう問いただそうとして言葉が喉に詰まった。
信じられない、信じたい、そんな奇跡など起こらない、ここに奇跡が起きた。 様々な思いが男の顔に浮かぶ。 もはや自分がどんな顔をしているのかわからない。]
…………本当なのか?
[気づく。 頭をよぎる可能性や感情に、陽子を疑うものがふくまれていないことに。 疑ってない。 陽子が嘘をついているなんてことは欠片も疑っていなかった。]
(67) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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[椅背もたりに背を預け、ギシリと椅子が音を立てる。 なぜ、もっと早く言い出さなかったのか。]
……言わせなかったのは……俺か。
[歪んだ人間、痴漢という犯罪者。 父親という存在からはあまりにも程遠い、陽子の子の父親になれる様な人間ではない。 だからか。 陽子が父親を不要としたのは。]
(68) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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……必要なものは全て用意する。
[机に両肘をつき俯く顔を手で覆った。]
認知が必要なら認知もする。 養育にかかる費用も。 全て、何もかも……。
[ここまでの人生の中で、これほどに自分が真人間でないことを恨めしく思ったことはなかった。]*
(69) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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[ほうと大きくため息を吐いた。 何度目だろうか、陽子が自分のことを好きだと言ったのは。 痴漢とその被害者、それを普通のことに置き換えようとしているのだと、ずっとそう思っていた。思おうとしていた。 普通ではない自分が、普通の男女のようにはなれないと、普通ではないなのだからとそう思っていた様に。]
……部長への説明が難しいな。
[顔を上げて困った様に力なく笑った。]
(76) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 15時頃
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[席を立って陽子の側へ向かう。 いつもの無表情でも、薄ら笑いでもなく、照れたような困ったような顔。]
陽子のご両親に挨拶もしないとな。 籍だけ入れて、式は落ち着いてからにしようか。 やることがいっぱいだな。
[溢れる涙を指で拭う。 こんな風に、陽子に触れたのは初めてだろうか。]
触ってもいいか? 俺の……俺と陽子の子に。
[思いもしない奇跡がここにあった。]*
(77) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 15時頃
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/* この村って痴漢する村でしたっけ?(とぼける
(-152) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 15時頃
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[お腹の内側から力強い衝撃。 びくっと手を引いてしまう。だけど、陽子が嬉しそうにしているから、恐る恐るもう一度触れる。]
わかる……のかな。
[父親が触れていると。 それとも母親を取られまいと威嚇しているのか。]
きっと、男の子だな。
[そう予想して、今まで陽子に見せたことない様な、穏やかな笑顔を向けた。]*
(80) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 18時半頃
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さぁ……どうだろうな。
[答えをはぐらかして唇を塞いだ。 濃厚なキス、くちゅくちゅと互いの唾液が混ざり合う水音。]
……どうだと思う?
[一度に何でもかんでも飛び越えるのは難しい。 伝えられた奇跡を受け入れることで今夜は精一杯。 いつか普通の恋人の様に、いつか普通の夫婦の様に、愛を口にする日がくるかもしれないが、きっとまだそれは先のこと。]
(83) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 20時頃
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[部長にはネチネチと責められた。 部下に手を出したこととか、孕ませておいて今の今まで認知してなかったのかとか、余りにも煩かったので『産休とりますよ』と脅しておいた。
陽子の両親には思い切り白い目で見られた。 お叱りは主に陽子の方へと向かったが、終始ニコニコと営業スマイルを貼り付けて見守った。 なお、その場での痴漢行為はやめておいた、もしも陽子のお腹が大きくなければ……という妄想だけにしておいて。
逆にうちの両親のことを聞かれれば。 『とうの昔に縁を切った』とだけ。]
(84) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 20時頃
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[それから、痴漢はすっぱりとやめた。 いや、とうにやめていた。 陽子のことが好きだと自覚したあの時から、電車に乗っていても、女に視線をやることは無くなり、その手が他の誰かに触れることはなくなっていた。
未だ自身の歪みは強い。 だが、それも少しずつ普通になりつつある。 大切な妻と子が、真人間へと変えてくれる。
ふと、駅で見上げた智閑線の案内。 かつての居場所に二度と戻ることはないだろう。 そこは、洋子と出会った場所としてだけ記憶に残される。
ただ、それだけ────]**
(85) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 20時頃
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/* 大事なところで名前の変換ミス。 すまないすまない。
(-157) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 20時頃
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[慌てなくても大丈夫と言われて慌てずに済むのなら、世の中から慌てて失敗するような人間はいなくなる。 その知らせを受け、それでも務めて冷静に抱えている仕事を引き継ぐと、大慌てで病院へと向かった。
陽子は無事だろうか。 お腹の子は。 病院へ向かう間、悪いことばかりが頭をよぎる。
これまで真っ当に生きてきたとは言い難い。 その報いが、陽子や子に行くのではないかと。
そんな漠然とした不安ばかりが募っていく。 病院へ辿りついたとき、陽子の様子はどうだったのだろうか。]*
(89) 飛行機雲 2021/01/31(Sun) 09時半頃
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/* お待たせしました。 疲れてバタンキューしてました。
(-159) 飛行機雲 2021/01/31(Sun) 09時半頃
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[陽子の手を握りしめた。 かつてはあれ程に自信があった自慢のこの手も、今はこうしてただ握りしめることしかできない。
漏れそうになる本音を噛み殺す。 頑張らなくていい、子はまた作ればいい。 それがたとえ奇跡のような確率でも、陽子を失うことに比べれば。 子ができたから陽子との関係を変えたのではない、陽子への想いが変わったから父親に寝ることを決めたのだ。普通になることを決めた。
だけど、自分の無力感も、その不安感も全て押し殺して言葉を絞り出す。]
……頑張れ……
[祈るように、縋るように。 誕生の瞬間まで陽子の側に居続けた。]*
(91) 飛行機雲 2021/01/31(Sun) 11時頃
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[我が子が腕の中にいる。 想像できないような確率を超えて生まれてきてくれた小さな命。 頬を触ろうとしたらキュと指を掴まれた。]
……陽子……見ろよ、指を掴まれた。
[今自分はどんな顔をしている? はっきりとわかることは、今まで一番幸せな顔をしているだろう。]*
(94) 飛行機雲 2021/01/31(Sun) 14時半頃
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ああ……好きだ、陽子。
[いつからかそう素直に言えた。 何よりも誰よりも大切な二人。 いつまでも守り続けると胸に誓って、最愛の妻に口付けた。]**
(97) 飛行機雲 2021/01/31(Sun) 15時半頃
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/* こちらこそずっと相手してくれてありがとう陽子さん。 逮捕されたり事故に遭ったりも考えましたが普通に幸せにりました。
(-163) 飛行機雲 2021/01/31(Sun) 15時半頃
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