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珊瑚が送ってくれた写真はとても素敵だった。大人びはにかむ彼女の艶姿が素晴らしい。 これがマーメイドラインというのだなと僕は学ぶ。
珊瑚のアドバイスの通り、康生にはお姫様ぽいのが似合うと僕も思った。
前に試着した時もめちゃくちゃ可愛くてその後ホテルに駆け込んで五発ぐらい抜かずにしてしまったし……。
僕には何故かたまに思い出す不思議な記憶があった。
康生と二人で訪れた、想い出の教会。 そこで彼はウェディングドレスを纏い、僕となんちゃってな挙式を挙げるのだ。
参列者は誰もいない、お遊びの。
あの記憶はなんだろう。 僕らはとても悲しい運命を背負っていた気がするんだが……。
(131) 2023/11/19(Sun) 20時半頃
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ーー僕らのウェディングベルーー
愛を誓うだけなら僕らはもう済ませていた。だから、もしかしたらこの挙式は僕らではなく、見守ってくれる両親たちや祝福をくれる友人たちの為なのかもしれない。
勿論僕はセレモニーが大好きだし、康生の可愛らしいウェディングドレスを拝めるだけで嬉しいから、可能なら何回でもやりたい。
ちなみにドレス以上に僕が拘ったのはガーターベルトだ。
「花嫁は白のガーター!!これが正義。」
びしッと指を立てる僕を康生はどんな目で見ていたか。
嗚呼、裸にガーターと白スト、そして頭にヴェールだけをつけた康生とガンガンやりたい!
(132) 2023/11/19(Sun) 20時半頃
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僕の妄想は膨らんだ。 どうでもいい僕のタキシードは灰色。大和の白もかっこよく迷ったが……
僕らの式はお父さんと共に歩くバージンロードを康生がおごそかに歩き、それを僕が迎え入れるオーソドックスに始まった。
最前列の僕の母さんは嗚咽し、兄と父が支えている。
神前でみんなに見つめられて、改めて愛を誓い、僕は彼の唇に唇を寄せる。
ピンク色でふっくらして。 微笑むと天使みたい。 そんな彼を花嫁として。 永遠に、僕のものにーー。
珊瑚と大和たちの挙式には、僕らは参列者として席につく。
(133) 2023/11/19(Sun) 20時半頃
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ビシッとタキシードを決めた大和はイケメンだ。キリッとした眉、意思を感じる瞳。 彼なら絶対珊瑚を幸せにするだろう。
珊瑚は本当に綺麗だった。 小さな頃の彼女を知る僕は、人の成長って凄いなとしみじみ思う。
二人の幸せが自分の事のように嬉しくて堪らない。
「おめでとう、珊瑚、大和。末永く幸せに……!」
二人の手を硬く握り僕は告げただろう。*
(134) 2023/11/19(Sun) 20時半頃
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──if・大和の葬儀と珊瑚の戦い──
僕はまだ、珊瑚みたいに近しい人を亡くした経験がない。田舎の祖父母も健在だ。
葬儀にはまだーー慣れない。
下級生であり千映が亡くなり、その喪が明ける暇もなく大和の葬儀を迎える。
何度も友を失い続けたら悲しみも苦しみも麻痺するのか? そんな事はない。
僕にだって価値があると言ってくれた大和。 最期まで珊瑚を愛し抜いた男らしい大和。
白い百合に囲まれた大和の死に顔は穏やかだ。 生きて眠っているみたいにしか見えない。
(=29) 2023/11/19(Sun) 21時半頃
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僕の悲しみ、僕の憤り。
恋人である珊瑚とは比べ物にならなくとも、こんな若く死ぬ理由なんかまるでなかった大和の死に抱えきれない想いで苛まれた。
葬儀の後にパイロットに選ばれた珊瑚。 大和の元に行けると語る彼女は微笑んでいたから、寂しい嫌だなんて僕は叫べなかった。
本当は、珊瑚を失うのが僕は凄く嫌だったし堪えられなかったが。
こんな地獄は何時迄続くのか。
(=30) 2023/11/19(Sun) 21時半頃
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珊瑚は僕のハンカチを受け取らなかった。それは拒絶でないのは、いつも優しい、優しすぎる彼女を知っている僕にはわかる。
吐瀉物を処理して欲しいと言ったのもきっと康生のためだ。
こんなに追い詰められて自分が大変なのに他人を慮る彼女は……本当に素敵な女の子だと思う。
康生のアドバイスは冷静で合理性の高い内容だ。しかし、結果論ではそうでも全滅させたらいいという言葉に僕は戸惑った。 珊瑚はーー自らでなんとかすると、力強く語る。
「……珊瑚、……」
(=31) 2023/11/19(Sun) 21時半頃
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立派過ぎる彼女。女の子なんだからもっと弱音を吐いてもいいのに。大和の死が彼女を強くしたのだろうか……愛の力が。
彼女は僕らに死の理不尽を押し付けた存在に最期まで抗う覚悟だ。
僕は珊瑚に頷く。
「君は出来る。君は独りじゃない。大和がいる……君の中に。」
僕は彼女の舞台を見守る。 どんな凄惨な光景からも目を逸らさないと心に決めた。*
(=32) 2023/11/19(Sun) 21時半頃
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ーー僕の闘い/コックピットーー
カッとなった僕は歯止めが効かない。敵ロボットに何度も何度も武器を振り下ろした。
刺しているのはアストロなのだが、僕の手にはその手応えが伝わってくるような不思議な感覚の共有がある。
特に念入りに刺したのは子宮の辺りだ。剥がれたのは装甲だが 肉を裂いて中身をメチャクチャにするように。
最初はそこにコックピットがあると考えたのだ。もしそうなら、闘いはあっという間に決着が着いていただろう。
(137) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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丸くモンスターボールみたいなつるりとした形状のコックピットは腹部に隠れていた為致命傷は逃れる。
とはいえ露出したならそれを一気に突き刺せば終わりだ。
ーー終わり、つまりは勝利。 すなわち僕の死が確定する。
「……アストロ、武器を下ろせ。そのままマウント姿勢で押さえ付けていろ。」
そう、静かな声で指示を出す。 そして僕はスクリーンに背を向けた。 一同を見渡した僕の頬は紅潮し目は輝いている。
(138) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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「みんな……僕はやったよ。僕は、みんなみたいに正義感の強い人間じゃない。弱虫で意気地無しの矮小だよ。
兄さんには何をやっても及ばなかった。 頑張っても失敗ばかりでーー活躍できた野球も怪我で止めることになった。
取り柄がない、価値がない、僕だ。
だけどーーだけど僕はもう勝ったも同然だッ ここまで追い詰めたなら、僕の勝利だッ!
僕はーー僕はやったんだよ。 ……ねえ、褒めてよ。 みんな、七尾さんの事も大和の事も、褒め千切って感謝してたじゃないか。
僕にも感謝してよ……僕、死ぬんだよ?」
それは当たり前に得られると思っていたのに、誰も、何も言わない。もしかしたら音楽攻撃の影響で動けないのかもしれないが、僕にはみんなが畏怖の表情を浮かべているような気がした。
みんなは僕を見ている。
(139) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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だが一歩下がり、気持ち悪そうに、道端の吐瀉物や腐った林檎でも見るかのような視線を投げている。
僕の差し出した手を取るものは誰もいない。 舞台の幕はもうすぐ降りようとしているのに、拍手喝采は起きない。
ただ独り僕は、ポツリと。
「……コ、ウ。コウ……コウッ!何処、何処にいるんだ?」
みるみる青ざめ狼狽した僕は彼を探した。しかし立っているメンバーにはいないし、彼の椅子である病院ベッドは空っぽだ。
点滴が倒れている。 その先の床にも”何か”が転がっているが……なんだ?
僕は近付き、足先で”それ”を転がして仰向けにする。
(140) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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乱れた髪はぼさぼさで艶がない。顔は赤黒い腫れがあり形が崩れて醜いし、巻かれた包帯もゾッとする感じだ。 もっと酷いのは脚で、ギプスが重たそうに纏わりついていて人間っぽくない。
「誰だ、お前。」
髪の色は何処か康生に似ているがーー違う、彼ではない。
何故なら?簡単だ。 だって康生の髪はサラサラで。 頬は桜色でもちもちしていて。 脚はスラッとしてもっと格好いい。 そして何より康生でない証拠は、彼は僕を深く愛しているから名を呼んだらすぐ応えてくれるはずだ。
あの澄んだ声で、ケイ、どうした?とか言って笑い掛けてくれるはずなんだ。
(141) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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ーーケイ凄いな!ちゃんと戦えたじゃん、格好良かった。 惚れ直した。
このぐらいは褒めてくれるんじゃなかろうか。
しかしこの芋虫と来たら、無様に転がるだけで息も絶え絶えの様子だ。
何か話すなら聴いてやるが、言葉を発するだろうか?
「おい、なんとか言えよお前。僕が話しかけてんのに……話せよ、ほらッ!」
足先で、僕はその頭をぐりぐり踏みつけ最後に蹴った。
みんなは凍り付いている。 誰も、動かない。
(142) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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コウは何処にいるんだ?どうして姿がないんだろうか。 頭の片隅がチリチリして、鍋が焦げるみたいな臭いがする。
とても不快で、胸がムカムカして吐きそうだ。 このままコイツの顔の上にゲロってしまおうかーー。
(143) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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スクリーンを見る者はいるだろうか。
敵ロボットがゆっくりとーー身を持ち上げようとしていた。*
(144) 2023/11/20(Mon) 09時頃
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ーー四人の披露宴ーー
珊瑚が纏った長いヴェールは神秘的であった。天の川という喩えはまさに。 隣に並ぶ白いタキシードの大和は学生の頃より背が伸びより男らしい。
2人の結婚式は最高だった。 互いに挙式に参列出来るなんて、僕らは本当に幸せだ。
披露宴は高砂席が用意されて、珊瑚と大和は和装に。 僕らも同じように合わせることにした。
結婚式の和装と言えば白無垢か色打掛である。簡単に違いを言うなら、白一色なのが前者、色が混じれば後者だ。
珊瑚は豪華絢爛な色打掛を着ている。ドレスとは一変してまた素晴らしい。
僕は康生に白無垢をお願いした。 康生の肌は白粉を塗らなくとも綺麗なぐらい白いから、きっと似合うだろうと。
(145) 2023/11/20(Mon) 21時頃
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大和と珊瑚はお茶漬けのサービスを花婿花嫁自ら参列者たちに行う。
ほっこりする素晴らしい行事だ。味付けは勿論珊瑚がしたんだよね?
僕と康生は升タワーをすることにした。シャンパンタワーの和風バージョンだ。
といっても注ぐのはお酒ではない。 升にはドライアイスが入れてあり、僕と康生が二人で大きな手尺にて水を差し入れるともくもく白い煙が立つ演出だ。
中々に派手で盛り上がっただろう。
僕の両親も兄も、康生の両親も。みんなが喜びに溢れていた。*
(146) 2023/11/20(Mon) 21時頃
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ーー僕の闘い/終章ーー
記憶ーー人間の記憶は分類するなら新しい記憶と古い記憶に分けられる。
まず、日常的な出来事や勉強して覚えた情報などが海馬という脳の部位に一度ファイルされ整理整頓される。これが新しい記憶だ。
その後、記憶が蓄積して古くなると大脳皮質という部位に貯められていくと解明されている。
実はこの海馬は非常に壊れやすくデリケートな性質を持っている。
恐怖やプレッシャーといった強い精神的ストレスを受けたり、酸素が不足すると働かなくなるのだ。 つまり、古い記憶は消えなくとも海馬にある新しい記憶は消えてしまう。
(152) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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僕は弱虫だ。康生に対して「死ぬ覚悟が、闘う覚悟が出来た」と言ったが、心の底では本当は怖かったのだ。
ロボットなんて動かせない。 絶対ちゃんと出来ない。 敵ロボットも恐ろしい。
怖い、嫌だ、怖い怖い怖い!
ーー僕は強い強いストレスを受けて海馬を破壊され、記憶の混濁を起こした。
康生に傷を負わせた事をすっかり忘れてしまった。 それは僕にとって忘れたい重荷だったから。
僕に残ったのは、僕をひたすら愛する都合のいい彼だけ。
康生にどうしても愛されたくて、愛して欲しくて僕は虚勢を張った。 精一杯強い自分を演じた。
(153) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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彼を愛していたのは嘘じゃない。本当に僕は彼を、心の底から。
ただ僕はーー弱かった。 弱い精神を揺さぶられたら、どう足掻いても棄てきれない自虐と自責の念や、隠していた暴力まがいの性欲が表面化するのは当たり前だった。
弱く、醜く。 誰にも好かれず振り向いて貰えない自分。
たった独り、彼だけは。 自分を偽っても手に入れたかった。
助けて欲しかったすがりたかった、愛して欲しかったーー。
僕らは二人で力を合わせても独りにすら満たなかった。 弱くて小さな子供がただ、身を寄せ合い泣きじゃくっただけ。
だからーーもう。 互いを支えることも救うことも叶わない。
(154) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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これがパイロットという運命に巻き込まれ、互いに想いを伝えきれずすれ違い、傷つけあい、弱さに飲まれた僕らの結末。
終わりが近付く。
(155) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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床に転がる芋虫まがいは、脚で蹴ると反応した。 生きてはいたか。
“それ”は両腕を伸ばすと何やら譫言みたいに呟いている。 誰かをしきりに呼んでいた。 両親?
「芋虫の親はちょうちょか? ちょーちょ、ちょーちょ。菜の花にとまれって?ハハッ!」
笑い飛ばしたら、芋虫が顔を上げた。僕の事は見ていない。その視線は虚空を漂う。
「ーーあ?」
“ケイ”
そう僕を呼ぶのはこの世にただ一人。 僕の最愛、僕の恋人、僕のーー
助けて?傍にいて?
(156) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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それはまるで康生が僕に救いを求めるような。よう、な……
「ーー……止めろ。」
肩を震わせ、僕は喉から声を絞り出す。
「その名で僕を呼んでいいのは、コウーーコウだけだッ!」
何かが弾けた。僕の中で。 大切なものが崩れて砂のように。
僕は仰向けで天井に腕を伸ばす”ソイツ”に馬乗りになった。 反射的に頚を鷲掴む。最初は両手で行ったが右肩に痛みが走った。
「ーー、ッ」
中学時代、野球をしていた僕はオーバーワークが理由で肩を壊した。 先程敵ロボットに対する攻撃を失敗したのも、アストロの体勢が崩れたのもすべて右だ。
ーー僕はとっくに壊れていた。
(157) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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無意識に右を使うのを拒む僕は。
しかし、左手だけで十分だ。 こんな細い頚を締め上げるには。
「……コウみたいに僕を呼ぶな、コウのふりをするか、お前なんか知らない、僕は知らない!」
万力を込める。骨を砕く勢いで圧をかける。
(158) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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「目障りなんだよ。
ーー死ね。」
(159) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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何故だろうか。僕は。 “それ”の頚を絞めながら泣いていた。
涙が止まらなかった。 片目からはらはら溢した涙は包帯を濡らす。止めどなくただーー落涙。
誰かが僕を制止しようと駆け寄って来たが、それは間に合わなかった。 僕を止められなかった、という意味ではない。
ーー敵ロボットが動き出し、アストロに攻撃を加えた。 至近距離の一撃は、アストロのコア、つまり僕らがいるコックピットを正確に貫く。
スクリーンいっぱいに目映い光が広がる。一瞬の出来事に誰もーー何も出来ない。
(160) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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始めに神は言った。 『光あれ』と。
僕らは光から産まれて、光に還っていった。
全てがーー消えた。**
(161) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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/* りんさんキャラ殺すの三回目だね……笑
(-57) 2023/11/20(Mon) 22時半頃
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