18 星間回遊オテル・デカダン
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[この船に乗ってから、食べていない? その問いに大きく頷いた。むろん、その姿が見えるわけがない]
『この船に乗ってからは喰ってない』 『ただの一人も、だ』
[きっと聞きたいのはロバートのことだろうと察する。安心してほしいと言いたかった、でも言わないでと言われたから、言わなかった]
『かーちゃんの部屋の区画は……ああ、その辺は俺の……最初の頃のデザイン、だな』 『うっわ、今見ると古いデザインだな!?今すぐリフォームしてぇ!!』
[その区画の画像を見てのたうち回っている。もちろん、姿は見えない]
(-99) 2022/05/10(Tue) 23時頃
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『ふふ、お見通しってわけか』 『伝えるとき、美化はしなくてもいい。でも、これだけは伝えてくれ』 『カクレに食われても、地下軌道エフとしての自我を通して作品を作り続けた。って』
[普通は捕食した時点で自我もなくなるのだ。だが、芸術を追い求め、半ば狂人と化した男の執念は、逆にカクレを取り込んだ。エフ自身、自分がカクレなのかエフなのかがわからなくなっていた]
『美術史に地下軌道の最高傑作って言われるような部屋、作ってやるよ』
(-102) 2022/05/10(Tue) 23時頃
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『愛、か』
[長らく一人でいることを選び続けてきたエフにはそれがよくわからない]
『オレはそういうのを与えてもらった覚えはないから、よくはわからないが……』 『作品を気に入ってもらえる、作品を好きと言ってもらえる、そういう時は嬉しく感じた』 『だから、かーちゃんがそう言ってくれるようなのを作りたい』 『あ、まて、それだと俺からの愛じゃないのか?』 『なんだ、よくわからん。が、かーちゃんが気に入るようなのを、作る』
(-103) 2022/05/10(Tue) 23時半頃
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[『人が人を、疑うのを簡単に出来るのに 疑った事自体を疑う事が難しいのは どうしてなのかしらね。』 そう言われて思い出すのはあの日の出来事だ]
『それは……自分が間違ってることを認めたくないから、じゃねぇか?』
[仲良くしていた男がいた。ある日、男がカクレだという噂が広まった。エフはその噂を信じた、信じてしまった。 何故なら皆がそう言っているから。
男は連れていかれた。
男は帰ってこなかった]
『自分の信じたものを……自分がやったことを、否定するのが、誤りを認めるのが、怖いから』 『疑ったことを肯定し続けたくなる』
[自分がその疑いを否定すれば男は助かったかもしれない、助からなくても絶望に飲まれることはなかったかもしれない。 でもそうはならなかった。 だから疑ったことを肯定し続けてきた]
(-106) 2022/05/10(Tue) 23時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/11(Wed) 00時頃
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言い残すことか……ねぇな。 思い残すことなら途中で仕事投げだすことになった、ってことくらいか。それに対しての評価が聞けないのが残念だ。
[最後の一日も仕事に費やす男にとって、顧客からのフィードバックを聞けないのが一番残念なのだろう]
ああ、それじゃ一つだけ言い残しておこうか。 俺の作品について言い広めてくれ。いいと思ったところ、不満に持ったところ、全部だ。
[直球な問いに]
俺は味方売るような真似はしねぇぞ。
[それだけ返す]
(-131) 2022/05/11(Wed) 11時頃
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[今は自分が一番の古株だったが、今度はそれが逆転するのとかとぼんやり思い]
うまくカクレに生まれ変われるかどうかわかんねぇからなぁ…。 まあ、カクレ以外に生まれ変わっても、アンタらは見つけ出してやるさ。その時は食うのは簡便な。
[冗談めかした反応に]
おっと、言質取らせてもらいましたよ。 今度は3人でどこか……、海でも行くか。教祖さんは嫌がりそうだが、そこは無理やり連れて行くか。あの人はアレでなかなか面倒見がよかったからな、案外無理やり連れて行かなくてもついてきてくれるかもしれんし。
[冗談で返す。こんな場所で、こんな状況じゃなきゃさぞかし楽しかっただろうなと、少しだけ思う]
……ババァの件。悪いな。 何度も言うが、アンタが生き残ることが最優先だ。俺の思いよりも自分の身を守ることを優先しろ。
[声が震える]
そのままの姿の方が……探しやすいだろうしな……。
(*11) 2022/05/11(Wed) 11時半頃
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[感情が昂ぶりすぎたと思ったのか、しばらく間が空き]
あーなんだ。俺も教祖さんもしばらく会えなくなるだけだと、そう思って待ってろ。 これ以上話してると……恥ずかしい話、泣きそうだからな。しばらく会えなくなるってのに、そういうしょぼくれたままなのは、俺としても勘弁してほしいし。
[しばらく会えなくなるだけ、そう。 実際に生まれ変わりがあるのかどうかはわかない、それでもそう信じて死のうと思ったのだ。前向きな死として、それを受け入れるつもりになれたのだ]
それじゃあ、いつかの未来でな! 無理だけはするなよ。
[いつも通りのエフのまま、ちょっと出かけてくるかのような気軽さで別れを告げると、エフは念を遮断した]
(*12) 2022/05/11(Wed) 12時頃
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『それこそ 信じるか信じないか、あなた次第 ってやつだ』
[喰っていないのは事実、だがずっと欺いていたのも事実。 100%の信頼が得られるとは思っていなかった]
『すげーな、長生きするとそこまで達観できるようになるのかよ……』 『俺は今すぐぶっ壊して作り直したい衝動に駆られてるのによぉ』
[若さ(全然若くない)故の衝動なのだろうか、いまだにモダモダしている]
(-133) 2022/05/11(Wed) 12時頃
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[PJの質問にしばし悩む]
『人を喰うことを当然に思い、襲うことに対して何の躊躇もない。仲間を増やすことを望む俺がいる』 『それと同時に、作品を生み出し、それが評価されることに異常な執着をしているオレもいる』 『人を襲うことで作品を生み出せなくなるデメリットの方を重視しているのは……カクレとしての本能を逸脱してると思う』 『俺もオレがどうなってるのかわからんが』
『そういう一人のデザイナーなど思ってるよ』
『オレの作った稚拙な作品も、俺の作った学習の末の作品もどっちもエフの作品だ』
『そういう意味では地下軌道は共同ペンネームかもな』 『でも、そうなるように動かされてるんだったら、俺は逆に喰われたんだろうな。オレに』
(-135) 2022/05/11(Wed) 13時頃
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[人を愛する、人に愛される。そういったことがよくわからない男は唸った]
『なんとなく』 『なんとなくだけど感覚的にはわかる気がする』 『感覚的にだからうまく説明はできんんが』
[作品を気に入ってくれる、その 気に入る という部分が作品ではなく人に向けられる。そういうことだと捉えたようだ]
『おう、精一杯かーちゃんのために、かーちゃんが好きそうなデザイン考えさせてもらうぜ』 『愛、かどうかはわからんけどな』
(-136) 2022/05/11(Wed) 13時頃
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/* 全然関係ないけどPJの声くじらでしょ、絶対
(-137) 2022/05/11(Wed) 13時頃
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[難しい話だなと思った。 例えば、同じくらいの寿命で似たような生態で、生態系でも同じような位置にいる生き物同士なら、ある程度共通の解答も出るのだろう]
[解答を擦り合わせるには二人の生態があまりにも離れすぎている。脅威と感じるものが違いすぎる]
『それは』 『突き詰めたら哲学の世界の話になりそうだな』
(-138) 2022/05/11(Wed) 13時半頃
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『昨夜』
[どういうことかと首を傾げる。……いや、余計な事をいうのはやめておこう。 この状況だ、自分も含めて誰が何を欺いていてもおかしくない。ここにいる全員が生き残るため、誰かを生き残らせるために必死になっているのだから]
(-148) 2022/05/11(Wed) 16時半頃
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『俺が言ったのはあくまでも俺と言う個体の意見、つーか感想だな』 『かーちゃんが寿命を全うできるように、アドバイスって言うのか?そういうの言っておく』
『星喰いアメーバ全体としてはどうかはわからないが、カクレと呼ばれる連中には個性があった』 『多分個体による記憶の差、学習の差だとは思うが……』 『ひどく傲慢で生物すべてを同胞にしようとしたやつ、日和見でなんとなく捕食増殖をしようとするやつ、臆病で最低限の捕食で済ませようとするやつ……色々いた』
『俺みたいなのは相当なレアケースだと思う』
『参考にならねぇと思うが、寿命を迎えるために頭の片隅にでも置いといてくれ』
(-149) 2022/05/11(Wed) 17時頃
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[種族による価値観の違いの議論。平時ならそのことで一晩語り合えるだろう。 だが、今は何よりも時間がなかった]
『そういう話はこうなる前にしたかったところだぜ』
『それじゃあ、最高傑作生み出すためにちょっと集中して仕事しますか』 『この仕事にゃ締め切りまでの時間が短すぎるんでね』
(-150) 2022/05/11(Wed) 17時頃
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/* デリクソン襲撃したはずなのにババァ襲われたの????教祖さんはババァ襲おうとしてた?来世のフィアンセ(フィアンセではない)がババァ襲撃にしてた????俺間違ってババァ襲う設定にしてた????なんで????
(-153) 2022/05/11(Wed) 17時頃
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/* 俺が一番わからんになってるが??????何が起こってるんだ????おっさんはお腹空いたからかりんとう貪り食うわ
(-154) 2022/05/11(Wed) 17時頃
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/* 赤窓組の現パロ
「パンダの子供が生まれたんだと。ああ、このホテルの内装はなかなかだ。海も近い(チラチラ」 「ぱんだ、あの白黒の生き物じゃな!見よう見よう。海沿いのほてるというのもよさそうじゃ(チラチラ」 「行きませんよ」 「クエ料理コースなんかいいんじゃないか(チラチラ」 「くえ……、なんと、高級魚!このこーすにしよう(チラチラ」 「だから行きませんよ!」
絶対こうだろ。二人で教祖さんにウザ絡みするやつだろ
(-167) 2022/05/11(Wed) 18時頃
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俺の評判はアンタのもちもちボディにかかってる。 頼んだぞ。
[商人のハロならきっといろいろな星に行くのだろう、それはとても都合がよかった。エフの作品を知らない人にも評判が届くだろうから!]
[返答があまりにも気に入ったのか、返ってきたのは]
君 は こ の 船 か ら 生 き て 帰 る こ と が で き る か な ?
[というB級映画のキャッチコピーのような返事だった]
(-170) 2022/05/11(Wed) 18時頃
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/* 生まれ変わったら全員同性で「結婚できねぇじゃん……」って崩れ落ちるエフはいますよ
(-171) 2022/05/11(Wed) 18時半頃
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[仕事の手が止まる。 サラ……ロバートとギョウブのクヨウをしてくれた少女だ]
『感想、嬉しいね』 『連絡先は好きに伝えていい』
『ああ、かーちゃんの端末から送るのか』 『わかった』
(-189) 2022/05/11(Wed) 22時半頃
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──自室──
[端末の時計を見る。 そろそろ皆で集まって会議をしている頃かと思う]
[視線を再びモニターに戻した。行ったところで歓迎はされるまい。 それよりも今は余計な事に気を回したくない。一瞬すら無駄にしたくない]
[刻一刻とリミットは迫っている。何としてもこれだけは、この仕事だけは完成させないといけないから……]
(134) 2022/05/11(Wed) 22時半頃
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[メッセージを受け取り、ひどく傲慢で不遜な内容だと思った。思っただけで不思議と腹は立たなかった]
[さて、どう返そうかと思案する。 アンタと同じように俺も仲間が大事だ か? どうせアンタの友人たちの数の暴力で仲間を殺すんだろう か? どれもしっくりこなかった]
[だから思ったことをそのまま送った]
『運がよければ生き残れるだろうな』
[エフはこのメッセージを見なかったことにした]
(-192) 2022/05/11(Wed) 22時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/11(Wed) 22時半頃
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[サラからの直接の感想を静かに聞いている]
『ありがとうと言っといてくれ』 『それと、可能な限り万人に受け入れられるように気を使った部分を評価してくれたことを喜んでる……って伝えてくれ』
(-194) 2022/05/11(Wed) 23時頃
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──自室──
[出来上がった。生涯最後の作品が。最高傑作が。 そのあまりの出来栄えに思わず手を叩いて笑った]
ひっで……ひっでぇな、おい!!!!これ、こんなん……ぜってぇコンペ通らねぇ!!!!
["エフ"が自分のセンスだけで作った結果がこれだ。 セオリーを全く無視した、ごちゃごちゃのおもちゃ箱のような、居住性を一切考慮していないデザイン。 床には犬の足跡のような模様、どこか遠い星の飲食店を思わせる装飾、壁紙には巨大な狸のようなデザインが、そして寝室はどこかの小さな星の在りし日の姿を思わせるような壁紙を]
[これはエフのこの船での思い出だ。 エフがPJに贈れる精一杯の愛の形が、この船での楽しかった記憶の詰まった部屋のデザインだった]
こんなに楽しい仕事は初めてだ。
[まったくどこの公募に通らず、本を読み漁り、独学で得た知識を試行錯誤しながら、がむしゃらに紙に書き殴っていた時期。ただデザインすることが楽しかった時期を思い出す仕事だった]
さて、と。
(-196) 2022/05/11(Wed) 23時半頃
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[必要なデータを記憶媒体に移す。 この記憶媒体をそのままデザイン部の連中に渡せばいつでも改装できる そう書かれたテキストデータを添えて、取り出した枕元の小さなテーブルに置いた]
これで仕事納めだ。
[命を、魂を燃やし尽くした。そんな気分だった]
(-198) 2022/05/11(Wed) 23時半頃
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──自室──
[すべての仕事が終わった]
[解放感に包まれたままシャワーを浴びると、冷蔵庫からとっておきの一本を取り出し、一気に缶を呷る]
っつ……、あーーーーーー!!!終わったぁ!!!!
[伸びをして缶を片手にリクライニングチェアに体を沈める]
やることは全部やった。 今日は……、今日は一日いい日だったな。
[片づけられるものは全て片付けた。綺麗になった部屋を見回しながら酒を飲み進める]
……本当にいい日だった。
[端末を手に取りボーっと眺める。いい感じにアルコールが回ったのか段々瞼が重くなり]
[そのまま目を閉じた]
(153) 2022/05/11(Wed) 23時半頃
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[エフからの最期のメッセージ。音声のデータだ]
ほんの一瞬でもオレのかーちゃんになってくれてありがとうな。 それじゃ、またどこかでな。
[奇跡、もしくは遠い星の生まれ変わりという概念を信じて、エフはそれだけを言い残していった]
[送信時間を指定されたこのメッセージをPJが見るのは、おそらく明日の朝だろう]
(-203) 2022/05/11(Wed) 23時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/12(Thu) 00時頃
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/* これで生き残ったら恥ずかしいにもほどがあるわ
(-204) 2022/05/12(Thu) 00時頃
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/* まあ明日には死んでるけど
(-205) 2022/05/12(Thu) 00時頃
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