27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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迷惑かけて、ごめんなさい……。
[ 俺の言葉に、お婆ちゃんの笑顔が固まった。 ――ああ、違う、 そんな顔をさせたいんじゃなかったのに。
色々な事情があって離れ離れになって、>>1:29 たしかにどう話していいか分からないような 間柄ではあったけど、
それでも、俺のことを心配して こんなところまで来てくれた人に、 他人行儀なことを言って傷つけていいはずがない。 ]
(+18) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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[ 思えば、先に距離を開けたのはどっちだったか。
どうせお爺ちゃんもお婆ちゃんも 父さんという娘を傷つけた男の息子でもある俺より、 実の娘の方が大事に決まっているって、
最初から決めつけていたのは、 俺の方じゃなかったか―― ]
(+19) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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[ 入院手続きに行くからと 病室を出ようとしたお婆ちゃんの手首をつかんで、 俺はお婆ちゃんを引き留めながら、小さく笑う。 ]
来てくれてありがとう、嬉しい……。
[ そういうと、お婆ちゃんはぽろぽろと泣きながら 俺を抱き締めてくれたんだ。
「今までごめんね」と言うお婆ちゃんの言葉に、 俺は何度も首を横に振りながら、 お婆ちゃんのいつの間にか痩せて薄くなった体に 腕を回したんだ。 ]
(+20) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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[ それから、お婆ちゃんとはいくつか話をしたけど、 「病み上がりだから休んでなさい」と言われて、 入院手続きのために病室を後にするお婆ちゃんを 横になりながら見送った。
病室に一人になると、俺はスマホを開く。 研究室のメンバー以外の人から 俺のことを心配するメッセージが大量に届いていて、 ちゃんと元気な振りして返信できる気が しなかったから、未読スルーの形になる。
もし読んでいたら、事故の詳細について 少しは知れたかもしれなかったけど。>>3:*4
とにかく、もうスマホは放置しようか というタイミングで、 グループLINEの通知が届いた。>>+14 ]
(+21) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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あ、骨谷先輩。 はは、どう笑えばいいんすか、これ。
[ 乾いた笑いを浮かべつつ、 俺もぽちぽちとメッセージを送る。
『福原徳人 今起きました』 『頭に怪我しましたが元気です』 『休憩スペース俺も行きます』 ]
さてと、移動しますか。
[ ベッドから起き上がって、俺はスリッパを履いた。
ちなみに俺は、ノックして問題ないと言われたら、 常識の範囲内で銀先輩の病室を見舞うことは 悪ではないと思っている。>>+13 ]*
(+22) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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―― 病院・2階休憩スペース ――
骨谷先輩、おはようございます?
[ 休憩スペースにやってきた俺は、 骨谷先輩の姿を見つけると声を掛けて、>>+15 先輩の向かいの席に座ろうかと近寄った。
俺は何ともない調子で声を掛けたけど、 頭に包帯を巻いている俺を見て、 骨谷先輩はどう思ったかな。 ]*
(+23) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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[でも、その小さな田端は、本当の子供ではありませんでした。
えらいね。 お兄ちゃんのために頑張ってるんだね。 お母さんを支えてあげてるんだ。 えらいね。 すごいね。
私だったらとてもそんなことできないわ。
そんな言葉を支えにして、生きて来たのです。 自分がしていることは正しいこと。 あいつを支える為に生まれて来たの。 そうじゃなかったら私は生まれてこなかった。]
(98) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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[分かっています。 今更何を言ってもどうにもならないこと。 分かっています。 何にも悪いことは言われていないこと。 分かっています。
助けを求めなかった自分が悪いんだと言う真実を知らないふりして、強がって生きて来たことも。
弱みを見せられず虚勢を張って生き続けたことが、自分の首を絞めるのだと。]
(99) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
[頭を撫でられる瞬間>>97どうしても体がびくっと震えてしまいます。 ギュッと目を閉じて衝撃に備えますが、与えられるのは優しい手のひらの感覚です。]
うん。ばんがる。
[神妙な顔で繰り返します。 ママのお友達にも言われました。もっと頑張って、ままに褒められるようにしましょう。 我慢することはえらいことなんです。]
(100) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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[その後にご飯が出てくると、スプーンやフォークを使ってなんとか食べられたのでしょう。 肉じゃがのお芋は味が染みていてとても美味しかったです。 ゆっくり、ゆっくり、丁寧に食べました。 でも丁寧に、お皿からテーブルに落ちたお芋を手で掴んで、スプーンに乗せてから食べたりもしていました。 肉じゃがのお肉はあーたんの口元にべしゃりです。 「はい、あーたんあーん」が阻止されない限りそうなってしまうでしょう。 おにぎりよりはパンがあったほうが食べたでしょうが、あったでしょうか。 食べていると元気が出て来たのか、ぱたぱた短い足が揺れていました。]*
(101) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/08/02(Wed) 22時半頃
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[オレは腰を浮かせて周囲を見回して、 気のせいだったかと座り直すも、 どうにも落ち着かない。 小さな子供の声って、やたら神経に引っ掛かる。 アラートなんだから、本能としては それが正しいんだろうけど。]
…………こんばわー。
ノっくん、頭大丈夫?
[訝るオレに声をかけたのは、子供でなく 目覚めし者――ノっ君だった。 ボケの応酬に正しい時刻の挨拶を返す。 夢の中のタカナル先輩の腕はスルーできたけど、 さすがにリアルで頭に包帯は看過できなかった。 何とも失礼な心配の言葉になったのはご愛敬。 此方の頬のガーゼは、説明するまでもない、 35億分の一の破局の結果。]
(+24) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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ここに来るまでに、 子供とすれ違えへんかった?
なんか、泣き声みたいの、聞こえて――、
[それとも、夢の余波か幻聴で オレがおかしいこと口走っているのだろうか。
普通に考えれば、子供が迷い込むはずのない 時間と場所で。誰かの御見舞いではぐれたにしろ。
オレは眉間に皺寄せ深刻な面持ちで、 包帯男と化したノっ君に問う。*]
(+25) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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/* …………! …………!!
(中身がょぅι゛ょに悶えています、 しばらくお待ちください……)
(-52) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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―― 病院・2階休憩スペース ――
はい、こんばんは? [ 時間間隔がない頭だったが、 そうかもう夜だったのか、なんて思いながら、>>+24 ]
はい、頭の出血は止まってますし、 特に問題ないそうっす。 いくつか脳細胞は死んでるかもっすけど、 知能レベルも問題ないはずっすよー。
先輩の頬は…… 美術館に行く前のアレってことでいいんすかね。 それとも同じところに新たな怪我を?
[ チラリと骨谷先輩の頬を見つつ、 ]
(+26) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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子供の泣き声。いや、俺は見てないっすけど。
……もしかして、先輩、一瞬居眠りしてませんでした? それがあの夢の世界だったなら、おそらく――
[ つられたように深刻な気持ちになりながらも、>>+25 そこで俺は言葉を切る。
夢の世界で幼児化した田端先輩のことを>>60>>+9 俺は思い出していたのだけど、 勝手に言い触らすのも憚られたから。 ]*
(+27) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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[手を伸ばせば彼女がびく、と 怯えたように動くのが分かったけど ゆるゆるとなるべく刺激しないように撫でた。>>100
ばんがる、と神妙に口にする少女は 何だかずいぶんと気負っているように見えて いじらしくって。つい口を突いた。]
うん。えらいよ。けどね……
[我慢しなくていいんだよ、なんて、無責任だ。 助けてと言ったって、実際に誰かが助けてくれるわけでもない。それはそう思う。
でもだからってあたしは別に、 我慢を肯定したいわけじゃない。 お前そのものには価値がない、だなんて、 そんなこと絶対誰かに言いたくはない。>>98
こんな小さい少女に―――実際は子供じゃなくても。]
(102) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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――病室
[半身を起こしても痛みや気怠さがなかったため そのまま立ち上がろうとして、足首に巻かれた包帯と、 その部分が左右で僅かに嵩が違うことに気づく。
ナースコールを押しての病室での診察で、 外傷は右足首の捻挫程度であることを知った。 杖の必要はなさそうだが、すぐに退院というわけには行かないようだ。]
……腫れてると思うと 急に痛い気がしてくるわね。
[ひとりになると病室内を見回して、 床頭台に置かれた自身のバッグを手に取った。 病室内での携帯の使用は許可されている。
何件かの通知。 家族へ連絡が行っているのだろう。 母と姉から安否を問うLINEにまずは返信を。]
(+28) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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『銀です 検査結果待ちだけど ケガは足の捻挫ぐらいで概ね元気✨ 皆の具合はどうでしょうか』
[グループLINEへ送信。 頭を怪我したという福原は気になったが、 併せて元気とも書かれていたため、差し当たって 言及を避けた。 ついさっきまで、夢の中で遣り取りした 皆のメッセージは残っていない。 骨谷から届いたメッセージ以前の履歴の日時は 美術館に着く前のもの。 判りきっていたことなのに、物寂しい心地になる。]
『統一したモチーフで考えていないなら 私は蔓(葡萄か藤)とカギを組み合わせた デザインがいいな』
[こちらは骨谷への個人メッセージで送った。]
(+29) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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[ぽふんとベッドに仰向けになって目を瞑る。 もう十分に夢を見たのだ。 眠気はすぐに訪れる気配を見せない。]
…………。
[――――回谷か大藤か田端。 ひとりずつの顔が浮かんでは消える。
胸の辺りが重くなるのが分かって、 考えることをやめた。**]
(+30) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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がんばることも、我慢することも、 当たり前じゃないんだからね。 本当は嫌ならやめても、逃げてもいーんだよ。 自分のために生きていーの。
[さっちゃんの人生なんだからさ。 って、伝えたいことは、ちゃんと伝わるんだろうか。]
(103) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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[あらかたテーブルのセットが終われば キッチンの方に向かって運ぶのとかを手伝うつもり。
仁科が椅子についたならあたしも一緒に いただきますをしようか。**]
(104) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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/* うーん返しミスったっぽ いや、割とガチに退行してるっぽかったから3歳児にそんなん言ってもわかんなくない?とか そんなこといまさら言われれても…ってならん?とか
色々考えてこの返しになったんだけど 田端先輩は多分そんなんいいから ド直球に我慢しなくていいよって言って欲しい感じだったんかな……… なんかこう、うまいこと言えなくてごめん…ってなる…w
(-53) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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アリババ氏の宣告通り、 目覚めてるみたいでよかった。
いや刻一刻と、寝覚め悪い事態には なってってるけどなあ。
[一度、目眩いを堪えるように 額を押さえて目を瞑る。 耳鳴りのように、また幼子の声が響く。]
――っごめ、うん。 まだちょっと、油断すると意識が 引っ張られるみたいな感じするな。
[もし、その声の主を視認したなら、 タバたん先輩の隠し子かと疑ったかも知れない、が 必死に子守りするニトちゃんとメグココちゃん含め、 未だ見ぬ夢の切れ端。]
(+31) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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脳細胞とか恐いこと言うなあ。
オレの方も、うん。 シロマちゃんみたいに、 更に自罰を加えたりはしてない。
この災害ってもう ニュースになってるのかな? 身内(とアカリん)からの安否確認がすごくて……。
[そういえば、夢の中ではお揃いの赤手形があったけど、 現実のシロマちゃんは打撲も鼻血もないはずで。 あったことと、なかったこと、まだ相当混乱しているオレだった。*]
(+32) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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/* あとシンプルにこころが知ってる情報が少なすぎるので あんまりエスパーすんのもなァ……みたいな
大人しく仁科ちゃんに任せとけばよかったんかもしれない…… (でも女の子たちとも話したくて………)
(-54) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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/* 本来お前のこと気にしてるぞは嬉しいどころか地雷寄りなんだろうなと だって本当の自分を隠してるつもりなわけだから
(-55) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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/* っていうかあれだね逆に えー叩くとかひどい!我慢なんてしなくていいよ!たまにはガツンと言っちゃえ!っていう何も知らん感じの女子ムーブの方が良かったんかもしれないなw ……ってちょっと思ったけどこころがそのへんあんま乗り越えてないので言えないっていう〜………………
(-56) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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[暗いビデオルームに動いた影は手で蝶を霧散させ 傷を脱ぐう事で甲に薄く伸びた赤は、見るまに酸化し黒に近づいていく。 丸で痛みを伴って居ない顔をして、平然と喋るから]
何だって傷は痛いだろ。 肉体にしろ精神にしろ、夢にしろな。
[ほんの少し眉を寄せたが、その機微が伝わったかはしれない。
高祈がいつものように話す。 自分も常と変わらぬ態度で、向き合うでもなく隣に 椅子があればそこに腰を下ろした。]
もしかしたら自分の夢かもしれないからな。
(105) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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[ポケットの中に、黒く汚れた手を差し込む。 ヒヤリと冷たい感触は薄く丸い金属のもの。]
やり残してただろ、コイントス。
[双子かもしれないとまことしやかに噂されたあの時。 ならばどちらが兄か弟かと、決めようと言ったのも遠い日のよう。 こちらからも、そして向こうからも出されることのなかった硬貨を 今手のひらに出し。]
心残りは少ない方がいい。
[霧散した中から一匹だけ、標本になった蝶を見つけ。 あれが高祈の心残りだろうかなと、少し思考を泳がせながら。*]
(106) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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