10 冷たい校舎村9
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[ 柊君がここに来たのは、 私が来る少し前だったみたい。 マネキンだっていう意見は一致したけど、 柊君もそれ以上のことは知らないみたいだった。>>152 と思ったけど ]
上?
[ 上って言われて、反射的に見上げそうになって、 閲覧注意って言葉に慌てて止める。 そういえば、このマネキン、上を見上げてる。 視線の先に何が……ってすごく気になるけど、 閲覧注意とか、お札とか聞いちゃうとすごく怖い ]
(156) 2021/06/08(Tue) 16時頃
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えええ……すごく気になるんだけど……。
[ 鳩羽君のラピュタほどじゃないけど、 柊君の言い方も気になる。 他の言い方があるかというと、 私も思いつかないんだけど。 でも、ホラーは正直得意じゃない。 すごく気になるけど、見ない方がいいんだろうな。 血を流してる九重さんのマネキンだけで十分だ ]
(157) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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これが、九重さんのマネキン、だとして、 九重さんはどこにいるのかな。
[ 朝、教室に集合した時会った九重さんは、 断じてマネキンなんかではなかった。九重さんだった。 なぜかマネキンが現れたけど、 人間の、本物の九重さんはどこ? 柊君、どこかで見かけた?なんて聞こうとした時だった ]
(158) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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樫樹君!?
[ 柊君が名前を読んだのと、>>153 ごめんという声に私が振り向いたのは>>133 多分同時だった。 ショッキングな光景だもの。ちらっと見ただけでは 人間かマネキンかなんて判別も できなかったかもしれない。 無理もないもないと思う。 柊君と顔を見合わせた ] 注意書きはあった方がいいかも。
[ そういう時に字を書いてくれるの、 樫樹君が適任なんだけどな。 走り去ってしまった書記の様子を思い浮かべた。 無理強いは良くない ]
(159) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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[ 廊下から、大した怪我じゃないって向井君の声がしたら 油断は大敵だよって声をかけておいた。>>148 消毒はするみたいだから、大丈夫だと思うけど ]
(160) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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柊君は優しいね。 よく気が付くし。
[ マネキンがカーテンに覆われる。 最初の数枚は血を吸ってしまったけど、 枚数を重ねれば血もほとんど見えなくなった ]
私、こんな状況目撃したら、 なんとかしなきゃとは思うけど、 何したらいいかわからなかったと思う。
[ とっさにカーテンを外そうなんて、きっと思えなかった。 マネキンをカーテンで覆って、 入口に注意喚起の貼り紙を思いつく柊君は、 よく気が付く人だ** ]
(161) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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/* 校舎村でレンチップとご一緒するの、多分3回目?なんだけど、もちろん毎回設定は全然違うんだけど、光属性癒し枠っていうのは共通してて面白いw あと綿見さんは8の出席番号ラストわだつみまなっちと全然方向性が違ってて楽しいw
(-10) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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── 現在:2F廊下──
[ 首を振るだけの、それこそ子供のような向井に>>143 やっぱり炭蔵は大丈夫だとは思えない。 騒ぎ立てるつもりではなく、 ただ本当に心配しているだけだ。
もし大丈夫だと強がり続けるのなら、 一度見せてみろと言ったりもする。 ]
お前が大丈夫だと言っても、 俺が大丈夫じゃない。
[ 淡々と、嗜めるような言葉を紡ぐ。 ]
(162) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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[ 例えばこれが、 泣き出しそうな顔じゃなくても、 近頃の向井のように簡単に終わらそうとしていても、 きっと保健室という案は変わらなかっただろう。
黒沢と言葉を交わしている内に、>>122 どうやら喋れるようになったらしい。>>146 表情も先程よりも落ち着いている気がして 炭蔵は少しだけホッとしていた。 ]
……黒沢も、足元には気を付けろ
[ 付き添いが大勢だと、 向井は嫌がるだろうから、 隣を確認するのは、つい黒沢に託してしまう。>>123 ]
(163) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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[ ただ、足元についてを指摘しているにも関わらず 彼女の長袖の下、例の癖を思い出して 視線を左手首に向けてしまっていた。 ]
(164) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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── →保健室へ ──
[ そんなに声を張らなくてもいいのに、>>148 炭蔵は予防線を張ることを知らないで、 ただ震えもなく話せるようになった事実に、 安心していたのだったが。
ほんの、ほーんの少しだけ大きいだけで、 大差のない向井のやや上にある視線の先を、 同じように見ていた。 ]
……あとで確認しないとな、
[ あの布の下には何が隠されているのだろう。 いや、その前に布に染み渡る赤色が、 炭蔵を妙な気分にさせる。 ]
(165) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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俺も九重に聞いたよ ただ、様子が少しおかしかったんだが ……大丈夫だろうか、
[ 全く同じ話を聞いていた。>>149
まさか、その彼女が、 あの布の下に眠るとは想定していないから。 向井が会った時は大丈夫だったかとか、 あとで探しに行かないととか、 そう言ったことを考えていた。 ]
(166) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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かわいそう── か、 この世界の主の思考は分からないが、 俺たちの知っている文化祭じゃ カッターナイフも叫び声も、なかった
これが大切に持ってきたい思い出だとしたら、 メールの送り主は、 俺たちとは違う世界を見てるのかもな
[ 望んだ通りの世界だったら、という仮定の上だ。 しかし、─── ]
(167) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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もし、これが世界の主の想定と違うのなら、 つらい思いをしているのかもな
[ かわいそう≠ニいう言葉を 使いたくはなかった。
炭蔵がその人よりも上の立場に居て、 見下していると捉えられたくなかったからだ。 人を見下せるような立場にいないのだ、炭蔵は。 ]
(168) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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なあ、俺はお前と、 このクラスの誰よりも 共に過ごしてきた自負がある
けれど、あまり深い話はして来なかった 必要ないと思っていたからだが、
[ 足取りが重くなる、炭蔵も同じだった。>>150 ]
生きづらい、と思ったことはあるか?
[ 言葉を選ぼうとして、 結局のところ直球になってしまう。 まだ、オブラートは手に入れられそうにない。 **]
(169) 2021/06/08(Tue) 16時半頃
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— チャイムが鳴る前:1階探索中 —
[渡り廊下を離れたわたしたちは、 予定通りに1階の部屋を見て回った。
会議室や職員室で机の下を覗いてみたって、 ヨーコ先生が震えて隠れているなんてこともない。 探しても、探しても、 わたしたち以外の人間も答えも見つからなかった。
わたしは探索の合間に柊くん>>103を覗き見る。]
(170) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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— 回想:渡り廊下でのこと —
[空想に近いわたしたちの仮定は、 正解がないからこそ際限がない。
わたしの話す今日だった理由>>19だって、 わたしたちが選ばれたって考え方>>24だって、 所詮わたしが想像したことに過ぎない。
だってわたしは、あのメールの主じゃない。 確かに文化祭は楽しかったよ。心から、本当に。
でも、もしわたしが身体ごと死んじゃう時が来たとして、 わたしは何通、メールを送れるんだろう。]
(171) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[暮石さんって、都合のいい時だけ友だちだよね」>>0:524
誰が言ったかも分からなくなってしまった言葉。 だからわたしは言われた事実だけを覚えている。
それから、 わたしがその子を 一度だって友だちだと思わなかったんだろうってことも、 覚えている。分かっていた。
わたしは、友だちが少ない。]
(172) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[とっくに死んじゃったわたしは、 柊くん>>82>>84>>85が零した言葉にも 曖昧に反応するだけだった。
「うん」「分かんないけど」「そうだね」 へらへらの相槌に虚しさを覚えない訳じゃない。 でも、いつもの音楽室より近い距離。 察しのいい柊くんの前だから、 わたしは死んだ口もあんまり開かないようにした。
特に驚かなかったというのもある。 柊くんのこと、知っているつもりはないけれど、 先に進めない柊くんの寂しさを わたしは一度だけ見たことがある気がするから。]
(173) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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— 回想:文化祭と音楽室 —
[約束もしない。会話もほとんどない。 本当はきっとすぐ来なくなると思っていた柊くんは、 今でもふらっと音楽室へやって来る。
それに気づいたのは1ヶ月くらい柊くんが来なかった後、 また顔を見せてくれた時。 わたしは胸に広がる安心を素直に表情にした。
柊くんのお願い>>0:615を、 わたしが受け入れただけだと思っていた。 でもいつの間にか、 わたし>>0:1037の方が柊くんを待っていた。
わたしは柊くんを、道具みたいに利用していた。
いつもの感想に初めて「ありがとう」って伝えた時に 困ったような顔をしちゃったのは>>0:1036、 わたしがわたしにまた少し失望したからだ。]
(174) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[それでもわたしは柊くんに何も言わなかったし、 それからも柊くんでわたしの残された命を測った。
わたしはわたしに失望したけど、 柊くんに罪悪感を抱いた訳じゃない。
だってわたしたちのこの時間の終わりは、 柊くんに委ねられている。 柊くんは聞きたくなったら来なくなる>>0:728。 だからわたしは柊くんに甘えて観客を利用し続けた。]
(175) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[文化祭の翌週、月曜日。 柊くんは音楽室にやって来た。
いつものように挨拶だけ交わすつもりだったわたしの口は たった一言、柊くんを気にかける。
柊くん>>89がぽかんとした顔をした。 その顔、あんまり見たことないな。 わたしはすぐ「なんでもないよ」って続ける。]
……。
[柊くんは察しがいい。 わたしの分かってもらう気がない言葉からも 的確に意味を拾ったみたいで、 普段より弱々しい響き>>90がわたしの耳に届く。
視線をちらりと柊くんの方に向けると、 体育座りをした膝に顔を埋めていた。 明るめの髪が秋の風に揺れている。]
(176) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[わたしは何も言えなかったから、 いつもと同じようにピアノを弾く。 それしか、できない。
春が過ぎ、夏休みも挟んだわたしの指は もう一瞬でも思い通りに動いてくれない。 それでもある程度の曲までなら弾き切ることができる。
ここがわたしの底なのかもしれない。 もつれた音が時折わたしの耳を掠めた。]
え……。
[わたしが鍵盤から指を離した後、柊くん>>91が呟いた。 いつもの感想>>0:847を待っていたわたしは、 予想外の言葉にちょっとだけ面食らう。]
(177) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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……うん。 音楽にもいろいろある、けど。 必要な時に寄り添ってくれるものだって、 わたしは、思うよ。
[休符をいくつか挟んで、わたしも静かな声で返した。 不思議な気分だった。 その一瞬だけはいろんなしがらみも忘れて、 言いたいことを言えた気がする。
わたしの音楽はもうほとんど息をしていなくて、 いつ月曜日が嫌になってもおかしくなかったのに。 それでもわたしがピアノを弾き続けた理由のひとつは、 1人の観客がいてくれたからだった、のかも、ね。]*
(178) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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— チャイムが鳴る前:柊くんと それから、 —
[結局どれだけ探しても有力な情報は見つけられなくて、 わたしたち探索隊は寝床の準備>>105のために解散した。
わたしの手には柊くん>>104が買ってくれた クリームパンがある。 最初わたしは遠慮したんだけど、 そこそこ大きなお腹の音が鳴ったところで観念した。
お昼ご飯に食べる物は決まってなくて、 むしろ同じ物にしないことがこだわりかってくらい ころころ変わる。]
(179) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[おにぎりの日もあればパンの日もあるけれど、 強いていうなら甘いもの>>0:595が多かった。 乃絵ちゃんと一緒にご飯を食べる日にも 時々登場するメンバー>>0:772だ。
くるんと丸くて、中のカスタードはとろっと甘い。 わたしは「後で返すね」って柊くんにお礼を言って、 まるまるとしたクリームパンを受け取った。
それからあちこちを回ってお手伝いをしても エネルギー切れにならなかったのは、 クリームパンを食べたおかげだったのかも。]*
(180) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[それから、午後8時50分。 二度目のチャイムが鳴る。]
(181) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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— 現在:3F音楽室前 —
[夜は何も食べていないから、 口内に広がる酸味は、微かに甘い匂いがした。 わたしは身を折って、口元を押さえて、 なけなしの中身をひっくり返そうとする胃に抗う。
全身が死を拒んでいた。]
(182) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[どう思ったらいいんだろう>>1:530、なんて。 わたしはきっと死を記号としか捉えられていなかった。
わたしは九重さんをよく知らない。 ひとみちゃんや綿見さんみたいに話したことも多くない。 屋台のデザインにいいねーって言ったくらい。 今日もわたしがあんまりひと所に留まらなかったせいか、 姿すら見かける機会がなかった。]
う……。
[赤い血、裂けた首。 顔が上を向いていたのはそのせいだ。 段ボールもそうした方が折り曲げやすくなるもんね。
そんなこと考えなくていいのに、わたしの頭には ・・ 九重さんの死体とぎっしり貼られたお札みたいなものが 焼きついてしまっている。]
(183) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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[音に気づいたのは、その人が近くに来てからだ。 ひとみちゃん>>70の声にわたしは顔を上げる。]
ひとみ、ちゃ……。
[3年、一緒に帰ったけれど、 わたし、ひとみちゃんにこんな姿見せたことない。 こんな顔、見せたくなかった。 こんな弱々しい声、聞かせたくなかった。
だって、楽しいことだけでいいでしょう? 表面をなぞって、笑って、それだけで。
でも今のわたしに実行するだけの余裕はなくて、 そのままこちらを見るひとみちゃんと目を合わせた。 泣いてないことだけが救いだ。]
(184) 2021/06/08(Tue) 17時頃
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