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「……ピアノ、だ。うちには大きなピアノがあったんだ。
小さな頃に兄さんが弾いていた。ピアニストになりたいって、言ってて……
いつか、そのピアノはなくなった。僕は忘れていたけどあれは、兄が指を怪我してピアノを辞めたから。
……僕のせいで怪我をしたから。」
ーーやっと思い出した? そう、貴方は匡の夢を奪ったのよ。 そしてそれを忘れ、のうのう生きてきた。
「兄さんは僕を責めなかったし、指を使わなくていい新しい趣味を始めた。それが天体観測だったんだ……。」
兄の指は動かなくなった訳ではない。ただピアノのように繊細な動きが必要とされるものは難しくなっただけ。
(84) 2023/11/19(Sun) 00時頃
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「兄さんは優しかった。自分の夢を奪った僕にずっと。
僕を護り愛してくれた。 それなのに、僕はーー兄さんの恋人、を……」
自分のしでかした大きな罪。 それが消える事はない。
「あ、あ、ーーあああッ」
僕は叫んだ。肩を震わせ、頭を抱える。
「兄さん、ごめんなさい。 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいッ
僕はやっぱり最低だ、最低の蛆虫だッ
他人を傷つけたり迷惑をかけることしか出来ないクズだッ」
音楽はどんどん大きくなる。
(85) 2023/11/19(Sun) 00時頃
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頭が割れそうだ!
僕は見る余裕がないが、敵ロボットのカーテンがゆっくりと開いた。
確かにロボットは人型であった。しかも僕らの予想通り女性の身体をしている。胸に二つの膨らみ、腰は細くしまり、お尻が大きい。
ーーそうよ、貴方は最低なの。 だから私とお似合いなのよ、恵一くん。
また声だ、今度はさっきより若い。
「……せん、ぱい?」
ーー貴方みたいな無価値な人間が 誰かに愛されるわけないでしょ?
私も匡から愛されなかった。 貴方も同じ。 貴方が恋人だと思ってる人は、本当に貴方を好きなの?
(86) 2023/11/19(Sun) 00時頃
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「コウは……コウは、僕を愛してるって、愛してる、って、……ちがう、の?違うの、か?」
言葉が消え入る。彼は僕にまだ語りかけているだろうか。
敵ロボットは両手を広げるようなポーズを取った。 その形状が変化する。 胸の膨らみ二つから無数の鋭いトゲが突き出たのだ。
いらっしゃい、恵一くん。 慰めあいましょ? さあ、私を抱いて……早く。 貴方の太いので貫いて……
(87) 2023/11/19(Sun) 00時頃
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「……雨竜、先輩、……せん、ぱい……」
敵ロボットと雨竜先輩の裸体が重なる。 アストロが一歩踏み出した。 それが僕の意思だからだ。
僕は完全に精神を支配されている。このまま進めば死の抱擁が待っている。
僕を救えるのはたった一人しか、いない。*
(88) 2023/11/19(Sun) 00時頃
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─数年後の俺ら─
[うちの改築が済んで同居が終わっても、ケイは変わらず俺のこと大好きだったし、いっぱい抱かれた。あん時思った通り、抱かれんのが“いつものこと”になるくらいに。ホテルの常連になる頃>>67には、俺はすっかり感じやすくなっちまった。それで困ることもあるっちゃあるけど、嫌じゃない。もし俺がなんか嫌がったら、ケイはやめてくれるだろうし。]
[大学は離れたけど、ケイも俺も実家から通えるとこ選んだから、あんま変わってないと言えば変わってない。一人暮らしも考えたけど、ケイんち行きにくくなっちまうし、父さん母さんにも反対された。やっぱ、うちってちょい過保護じゃね?]
[最初は、ただ「まだ学生やりたいから」って理由で大学行ってたんだけどさ。通ってる内に、俺は「先生になりたい」って思うようになった。カガセンを始め、いい先生にいっぱい会ったのもあるし、学校生活自体に憧れもあった。ケイに勉強教えたりしてたのも、影響してる。俺の知ってること、誰かに伝えられんのって素敵だよなって思ったから。]
(89) 2023/11/19(Sun) 06時半頃
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[幸い、単位をちょっとやりくりすれば教員免許が取れるってことだったから、そっちは問題がなかったんだけど。一番困ったのは、俺の説明下手をどうにかしなきゃならないってことだった。ケイにいっぱい付き合ってもらって特訓して、今は人並み程度には説明できるようになった…と思う。多分。気ぃ抜くとすぐ、前みたいに色々すっ飛ばしちまうんだけどな。]
[そんな頃、珊瑚からW結婚式の提案>>30があった。前に、命と結婚式には行くって約束してたけど、W結婚式(ってかW披露宴?)なら互いに参列したことになる…のか? その辺がわからなかったけど、珊瑚は先に命に話通してるだろうし大丈夫か。]
[俺は形に拘る必要ないと思ってるし、法律上なんか変わるわけでもないから、結婚願望があるわけじゃない。特別なんかやらなくても、ケイが俺のこと一番に考えてくれてるってのはわかってるし。でも、ケイが結婚願望めちゃくちゃ強いのは知ってるし、「大人になってからしたい」って言ってんのも聞いた。今も、ドキドキした顔してる>>68し。そんで今、(内面は兎も角)俺らは年齢的に“大人”だ。]
(90) 2023/11/19(Sun) 06時半頃
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ちょうどいいじゃん。やろうぜ、結婚式。 俺ら、もう大人なんだしさ。
[いつもの感じで了承すると、ケイは真剣な顔で、父さん達に挨拶したいって言い出した>>69。できたら祝福されたいって思ってた俺は、喜んでOKした。]
[その日の夕食後に「ケイが結婚の挨拶したいって言ってんだけど、いつ空いてる?」って訊いたら、父さんは思いっきり噎せた。食後のコーヒーが変なとこに入ったらしい。咳き込むのが治まっても変な顔のままだったけど、日程はちゃんと擦り合わせてくれた。母さんは妙にテンションが上がってた。]
[父さんは最初、ケイの言葉>>69に「康生は私達夫婦の一人息子で、男だ。嫁にはやれない」って言った。それから、食い下がるケイに溜息を一つ吐くと「……恵一くんも私達の息子になりたいと言うなら、嫌とは言わないが」って続けた。]
[つまり、俺がケイの家に入る形じゃなくて、ケイが俺の家に入るって形なら認めてくれるって意味だ。ケイんちには匡先輩も居るしな。俺には好きな仕事してほしいけど、自分の事業を継がす相手もほしい父さんは、ケイに目を付けたらしかった。ケイが頷かない理由は多分無いから、そっからはトントン拍子だったはずだ。]
(91) 2023/11/19(Sun) 06時半頃
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[これは完全に余談だけど。産まれた俺が身体弱かったから、父さんはいろんな趣味を中断してた。俺が普通の生活送れるようになって、まず再開したのがプラモデル作り。そんで10年ぶりにアーマーなんとかの新作が出たのを切っ掛けに、ゲームも再開したらしい。ケイに「君はゲームをするのか?」って聞いてた。どうも、俺が父さんのオタクっぽい話にあんま付いてけねーから、ケイを話し相手にしようとしてるっぽい。顔にも口にも出さないけど、息子が増えたこと実は喜んでるだろ?って俺は思ってる。]
[この頃にはもう、俺は自分がウェディングドレス着ることになるんだろうなって思ってたし、ケイがリクエストして来たのは予想通りドレスだった。父さんは「バージンロードを歩く事になるとは……」って唸ってたけど、反対はしなかった。その代わり会社関係の人とかは呼ばずに、身内と俺らが呼んだ人達だけで挙げたいって希望した。立場とかあるもんな。]
『お姫様抱っこって、ドレスの形によっちゃムズいだろ』 『提案すんのはいいけど、命と珊瑚にもプランあんだから』
[そんな風にLINE>>70でケイを宥めつつ、俺もその日が楽しみでワクワクしてた。*]
(92) 2023/11/19(Sun) 06時半頃
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─乾恵一戦 コックピットにて─
[乾恵一の必死の弁解>>79、そして頭を撫でられた>>81事により、康生は照れ臭そうに笑いつつ機嫌を直した。熱っぽいのもあり、恋する乙女の様な可愛らしさ>>80ではあっただろう。色々と突っ込みたくはあるが。]
[康生は、彼が自分へ向ける嫉妬自体には気付いている>>0:170。つまり、嫉妬の定義は理解していた。ただ、自分が抱いた感情>>75が嫉妬だという自覚は、まだ無いのかも知れない。]
ああ。確か、急に実写になったとこで流れてたと思う。 向こうがレヴァファンってこともないと思うけど……。
[そんな康生の返答は、もう彼の耳に届いていなかった>>82。地面に転がった状態だから、彼の踵くらいしか見えない。康生は見上げようとしたが、体勢が良くないのか、後頭部から首筋に掛けて強く痛みが走った。彼の様子を確認するのは断念し、匍匐前進で近付くと左手を伸ばす。彼が立ち止まるなら、足首を掴んだだろう。]
[その間、彼は過去の出来事を述懐していた>>84>>85。そして“先輩”を呼ぶと、あろう事か康生の気持ちを疑い始めた>>86。高熱に朦朧としながら、それでも彼へと手を伸ばす康生を見もせずに。]
(93) 2023/11/19(Sun) 08時半頃
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「僕のせいで」って、なんだよそれ……。 傷つけたり、迷惑をかける? ……匡先輩、死なねえだろ。
俺なんて、殺すことしかできねーよ。 七尾だって、命だって────ケイだって。本郷だって。 追加でパイロットになる人も、父さんも、みんな。 ……ケイが蛆虫なら、俺なんて蛆虫の餌同然だっての。
[は、と自嘲の笑みが零れた。天道縁士の名が漏れているが、これは無意識だろう。彼の真意を確かめる間も無く今に至ってるから、彼は康生の中で“自分が死なせてしまう相手”に含まれていないのだ。少なくとも、この時点では。]
──……でもさ、ケイは俺を「好きだ」って言ったじゃん。 「愛してる」って、何度も……何度も言ってくれたじゃん。
それなのに……匡先輩や、雨竜先輩んとこ行くのかよ。 いっぱいくれた言葉も……全部、嘘なのかよ。 一つになれたって思ったの、俺だけ……?
[声は震え、途切れがちになっていく。床しか映っていない視界が歪み、ぽたりと雫が落ちた。]
(94) 2023/11/19(Sun) 08時半頃
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っ……やっぱ、なに願ったって、叶わない>>6んだな。 気持ち、疑われて…………き、傷付いてばっかだ、俺。 もう、これ以上やれるものなんて……なんも、ねー…のに。
[足首を掴んでいた手から、力が抜ける。滲んだ視界は閉ざされ、そのまま動かなくなった。]
[鉛の心臓すら持たない幸福の王子が、全てを分け与えてしまったのなら。其処から救われる方法なんて、果たして有るのだろうか。**]
(95) 2023/11/19(Sun) 08時半頃
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/* >後頭部から首筋に掛けて強く痛みが走った>>93
髄膜炎で項部硬直起きてます 恵一くんを見上げることさえ許されない
全てを擲った柊木(息子)を見たポチチが 自分の息子のこと「幸福の王子」とか言い出したけど この王子、自前の心臓ないからメリバの条件すら満たせない
あ、「ナイチンゲールと薔薇」は「幸福の王子」以上に 救いのない童話です オスカー・ワイルド、ホント心臓大好きだし恋愛感情不信者
(-15) 2023/11/19(Sun) 09時頃
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抱きしめあって、キスし合って。 この体勢は動きこそ激しくないけど、求め合っている感じがしてとても心が満たされる。 私からもキスできるし、全身が触れ合っていて…わたし、これ好きかも、なんて思っちゃう。 実際、私はこれが好きだった。 繋がりは少し浅くなる気もしたけど、夢中で命くんとキスを繰り返す。 舌先が絡まってはしたない音がするけれど、トロンと蕩け切った理性の前ではそんなこと関係なかった。 耳朶を喰まれて、また違った快感が淡く生まれて来る。 もう、どこもかしこも気持ちよくて──特に耳や首筋は、なんでこんなところが?と思うのに身体の芯に響いて来るの。
でも、命くんの言うことすごいわかる。 お互いだから気持ちいい。たぶん、命くん相手じゃなかったらこんなに気持ちよくない。想像もしたくないけど、命くんじゃなかったらこんなに乱れたりしないと思う。
(-16) 2023/11/19(Sun) 09時半頃
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「んんぅっ♡だって、奥の方が 沢山命くんを感じられるからぁ…っ♡」
浅いところも気持ち良いけど、たくさんたくさん命くんを感じられるのが大好き♡ それに子宮をノックされる感覚が、本当に奥底まで愛されてるって感じがして…事実気持ちも良いし、そんな所まで命くんに可愛がってもらえて精神的にも本当に満たされるんだもの。 抱きしめ合っているとその気持ちも強くなる。 だけど、今度はその体が離れていった。きょと…、と呼吸を整えながら見ていると、命くんは寝てしまって。その上に跨る私は自重でより深くまで貫かれる感覚に小さく体を振るわせる。
(-17) 2023/11/19(Sun) 09時半頃
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「んっ♡深い…すごく深いけど…ええっ!? あっ!? や、やあんっ!? ふあっ♡ やっ、きゃううっ♡♡♡」
ただその深さに身を震わせてる場合ではなかった。 言われて見下ろしてみると、ぎちぃっと太い物を咥え込んだ自分のあそこが垣間見えて、急に恥ずかしくなってしまったもの。 あっ、と両手で胸とそこを隠そうとしたのを見越されたのか恋人繋ぎになった手は離れなくて、下から突き上げられると淫猥な光景が広がっていく。 突き上げられて腰が浮かされ、命くんが腰を引いた瞬間に現れる黒光する熱杭が見えて、打ち込まれるとその度に蜜が散る。 子宮を直接揺さぶられて私はまだ緩やかなロデオなのにたまらず繋いだ手に力を込めた。 胸もぷるんぷるんと揺さぶられて、私はお尻に力を込めながら左右の腕で胸を寄せる姿勢になった。 だって、どこかに力を込めてないとあっという間に──。
(-18) 2023/11/19(Sun) 10時頃
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「んあうっ♡だめ、奥まできてりゅ…んんんっ♡♡♡ あっ♡あああああっ!!! んんんっ、ふああっ♡♡♡ も、ダメ……っ〜〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡」
見られてると自覚した恥ずかしさも相待って、私はまた果ててしまう。 背筋をそらして何度も痙攣してしまうけど、もしかしたら命くんはまだ果ててなかったかもしれない。 焦らされた分、抑えが効かなくなってるのもあるけれど、──今のは羞恥も手伝っていたかも。
「ひうっ、んんっ…♡」
私、今以上にバカになったらどうしよ…♡ そんな事を思いながらも、全身性感帯みたいになってしまった私は甘い声を止められない。**
(-19) 2023/11/19(Sun) 10時頃
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青い星 地球は、メモを貼った。
2023/11/19(Sun) 10時頃
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──コックピット/僕の闘い──
僕が正気であったなら。
点滴が外れ床に倒れた康生をそのままになんかしなかったろう。
だが今や僕の精神は完全に蝕まれていた。
清らかな音楽に耳を犯され、思考を奪われて。 懐かしい光景を見せられて。
だが、母の言葉はありもしないものだ。
(96) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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確かに兄は怪我をした。それは事実。そしてピアノを辞めたのも指が理由だ。
だがそれで僕を責めるような母ではない。幼い僕が兄にじゃれついてしまったのは仕方ない事で事故でしかない。
むしろ兄も両親も、僕に自責の念を抱かせぬ為に必死に隠してきたぐらいだ。
つまり僕は脳内に偽りの声を聴いた。ただし、外部からその声が実際に送り込まれた訳ではないだろう。何故なら、母の台詞を捏造するには僕の過去を正確に把握する必要があり、そんなのは外部の人間には不可能だから。
僕は起きた事実は把握していたから、母の声の内容は恐らく、僕の深層心理が産み出したものなのだ。
人は勝手に他人がこう思っているんじゃないか、を産み出し思い込むのが得意であるから。
(97) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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それは僕が知らずに抱えていた重荷であった。
では何故それが唐突に解放されたのかーー。
一度、康生に焦点をあてよう。
もし彼が正気であったなら。 聡明な彼は気付いたに違いない。僕の異変と敵ロボットの行動の関連性に。
敵ロボットの発する音色は精神を操る波動であった。 行動を直接的に指示するとか、そこまで絶対的な力はない。しかし、心弱い人間の精神の隙間を突く作用があるのだーー
康生が冷静さを欠いた可能性は二つ、またはその複合が考えられる。
(98) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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1つは、彼もまた敵の精神攻撃に巻き込まれた場合。 音楽は全員に聴こえているからだ。ただし影響はその人間の精神の強さによって変わるだろうし、パイロット以外にはただの音色であり作用はない可能性も考えられる。
もう1つは、彼が僕以外に気を払う余裕を失っているから。 今や僕に対する彼の愛情が限界まで膨れ上がっているのは明白。何度も指輪を嵌めて欲しいと願うところから不安定さ、目に見える確かなものへの依存傾向も窺われる。
彼は僕に愛されたくて。 その愛がまやかしだったり、失われるのを酷く恐れている。
子供のように。
(99) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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僕しか見えない。僕の状態、彼が僕を見ているか以外に興味がなければ敵など気にする余裕はないだろうから。
更に言うなれば体調の影響もある。熱に浮かされながら冷静なら彼はスーパーマン過ぎるとも。
どういう理由にせよ、彼はただ僕だけを見つめていた。 そして絶望に至る。
狂気という沼がすっぽりと僕ら二人を飲み込んで、絡み付く泥が身体を離さない。
蛆虫にはふさわしい最期なのか。僕らはこのまま、敗けてしまうのかーー。
(100) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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ふら、と前に僕の脚が出た。同時にアストロも一歩前に動いた。それが止まったのは、床を這いながら僕に近づき、康生が足首を掴んでくれたから。
僕は一瞬ポカンとして、視線を落として彼の事を漸く眺める。
コックピットの床を腹で拭くように、身体を引き摺り近づいた彼はまるでぼろ雑巾みたいだ。
何故彼はこんなに必死なんだ? 僕は蛆虫で、みんなから嫌われている。必要となんかされないし、価値もないのに。 止めて何をしようと?
まともな判断力を欠いた僕は混乱する。
(101) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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「違うよコウ……最低最悪なのは僕だけだ。意気地無しで中途半端で、君を殺すと約束したのにそれすら出来ない役立たず。
君は違うだろ。だって人を殺せるなら……みんなをパイロット席に送り込んで殺せるなら、地球を護れるじゃないか。
死にたくないと喚き、逃げようとし、他人が死ぬことも許容出来ず、ただ我が儘を叫んでだだを捏ねた僕とは雲泥の差がある。
君は立派で勇猛果敢な人間だよ、コウ。 蛆虫なんかじゃない。
……だから。」
僕はふ、と寂しそうな表情を浮かべる。諦めきったような、それでいて唇にだけは弧を描く。
「君に相応しくないんだ、僕なんか。」
(102) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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幾ら僕が彼を愛しても、僕には愛される資格はない。 そしてこんな僕を彼が愛するなんてやっぱりないんだ……
すると不思議な事に、彼も僕の気持ちを疑う言葉を口にするのだ。
「……僕の気持ちは、ずっと変わってないよ。 ただ自分がどんな人間かを思い出したに過ぎない。
赦されない罪を抱えた人間であるのを……
行かなくちゃ。彼女が待ってる。抱いて欲しいって言ってる……。」
彼の手が僕から離れた。嗚咽も聴こえたが、それは更にボリュームを増した音楽が消してしまう。
脚が動かないまま床に蹲る彼は蛆虫というよりは芋虫みたいだ。
(103) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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僕は彼を置いてきぼりにして前に進んだ。スクリーンの方へ。 アストロも同じように歩き、敵ロボットとの距離をどんどん縮めていく。
ーー恵一くん、早く。 セックスしましょう? 抱いて……。
「うん、今行く……僕のおちんちんが欲しいんだね?」
うっとりした表情を僕は浮かべる。
そしてーーアストロの身体に変化が起きた。いや正確にはロボットなんだから変形と呼ぶべきか?
アストロの下半身、股間の部分が両引戸のように開き、四角い窓が出来る。そこから現れたのは細長い形状のーー黒光りするもの。
形は男性の性器にそっくりだ。金属のような材質感からそのものよりは大人の玩具に近い。
(104) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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アストロの変形は始めてではない。大和戦の時も起こった事だから、元々そういう決まった機能や武器が内臓されているというより、パイロットの思念に応じて変わるというのが正しいか。
瞬間に行われる分子的な構造変化はこの地球の化学レベルでは不可能だが、アストロが瞬間的に現れたり消えたりするのを考えたら、アストロの存在する次元では可能なのだろう。
僕が抱きたいと望んだからそれに必要なものが現れたのだ。
ーー逞しくて素敵よ、恵一くん。
敵ロボットは股を開くようなポーズはしていない。 ただ両手を広げ立っているだけだ。アストロを串刺しにする武器を胸に露出させながら。
それでも僕は恍惚の表情で両手を広げる。
(105) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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アストロも両手を上げ敵ロボットと熱い抱擁を交わそうとーー
「あッ!」
ガタッとまた大きな揺れがコックピットを襲う。
スクリーン内のアストロはまた、右側に傾いて倒れる。膝をつく。
「?!……な、……」
びっくりした僕は一瞬正気に返った。
なんだ、何が起きている? 敵はーーもう目の前にいるじゃないか!
「コイツッ!……アストロ、脚を払えッ!」
立ち上がる暇はない。アストロは片膝をついた姿勢から脚を伸ばして敵ロボットの足首を狙う。それは見事にヒットし、敵ロボットが仰向けに倒れる。
(106) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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ーー何するの?!恵一くん!
ーー恵一おいやめろッ! お前は大人しく死ね、死ぬんだッ!
雨竜先輩と兄の声が交差する。
「黙れッ!兄さんの声で騙るな、この下衆がッ!」
そうだ、僕は操られたんだ、この敵ロボットに。 僕の大切な兄や、心の負債である雨竜先輩を利用しーー
「ふざけやがって……! そんなに犯されたいか?ああ? なら、くれてやるよッ!
アストロ、その薄汚い牝をーー犯せッ!」
カッとなった僕はめちゃくちゃな命令を下した。 アストロはすぐに立ち上がると、倒れている敵ロボットにマウント姿勢を取る。
(107) 2023/11/19(Sun) 11時半頃
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