14 冷たい校舎村10
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[ ねえ、ひめちゃんの思惑通りだった? ]
(424) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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[ でも、人は忘れてしまう生き物なんだ。 本人の意志とは関係なく。 指の隙間から砂粒が零れ落ちてくみたいに、 少しずつ少しずつ、 あたしの中から思い出が零れ落ちていく。 そこだけは、ひめちゃんも計算外だったかもしれないね。 ごめんね ]
(425) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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[ でもね、あたしは、それでも。 真実を知った今でもね、 ひめちゃんのこと、嫌いになりきれないんだ。 やっぱりあたしはひめちゃんがすきだよ ]
(426) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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[ ――――ああ。でももう、 ひめちゃんはあたしのすべてとは、言えないなあ。 今のあたしにはひめちゃん以外にも、 大切にしたいものがある。 好きな人たちがいる。 そしてね、その中には、 この校舎の主さん、あなたのことも、きっと、
――――――…………きっ、と ]
(427) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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[ ――――――――――――――――――――――――― ]
(428) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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―― AM8:50 ――
[ 屋上の扉の前に、一体のマネキンが転がっている。 全身をぶつけた跡があり、髪は乱れ、 首には小さな指に絞められたような跡がついている。 顔には涙の跡のようなものもあるが、 その表情は、どこか笑っているようにも見える ]**
(429) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/10(Wed) 23時半頃
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/* ぴぇ、私はこんな素敵なロルの後に落とすのか…
(-41) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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―― もう一度文化祭を ――
[髪色全然違うもんね。 長さだって。 身長は…あの頃から然程変わらなかったけど。 だから別に察しが悪いとは思わないよ。
本当ならホラー定番のワイヤーが切れて匣ごと 落ちちゃわないだろうかとか、そんな心配を していたところだったけど。 真梛さんの声は落ち着くから、紡がれる言葉を 静かに聴いていられた。]
(430) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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……うん、そうだね、何処にもいないよ。
真梛さんは強いなぁ。 人に恵まれたのかな? 気にしていた時間が無駄だったな。
[繋がったままの手も真梛さんの言葉も、温かい。 心のつっかえがが2で割られたみたい。 過去を完全に消せはしないけど、軽くなった。]
(431) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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あはは、うん、ありがと。 こっちこそ、聞いてくれて感謝だよ。
[辛気臭い話はここで終わらせて、今は文化祭を 楽しもうと促す言葉>>302に頷く。]
確か縁日とかあったよ。 射的や輪投げにヨーヨー釣り。 それから天文部や写真部の展示に―― って真梛さん危ないよ!
[扉が閉まりかけているのに進むとはなかなか チャレンジャーだな。 慌てて開ボタンを連打すれば、扉に当たる事態は 避けられただろうか。]
(432) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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/* 息を呑んで連投終わるの待ってしまった。 ほんと夏見いいやつだよなぁ……無事帰れよ…
(-42) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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/* あああああああああああ
(-43) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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[ふいに主語のない言葉が零れた。>>304 私も大概察しが悪い。 どこに繋がる言葉なのかすぐに理解は出来なくて。 エレベーターの外で再会した和歌奈さんと真梛さん が話してる間も考えてたけど答えは出なかった。 だから、]
……真梛さんのことも、また教えて欲しいな。 私より頼りになる人いっぱいいるけどさ。 ほら、私ばっかり話聞いてもらうのもあれだし。 気が向いたらでいいから。
[心当たりはないかという質問に、メールを送るのが 苦手だからと理由をつけた真梛さん。>>165 じゃあメールじゃなかったら、心当たりはあった のかなって引っ掛かりはあったんだ。]
(433) 2021/11/10(Wed) 23時半頃
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[だから、陽気なBGMに完全に紛れる前に、 昔の私みたいなその髪を見つめながらそう伝えて。 終わったはずの文化祭を一緒に楽しむために 連れ立って廊下を進んだんだ。
私は楽しかったよ。 二人で回れて。 真梛さんはどうだったかな―――]
(434) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[ 平野莉希は普通の女子高校生 ]
(435) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[ に、なりたかった ]
(436) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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いただきます。
[こんがり焼いたトースト。 彩り野菜と海藻のサラダに生姜とネギ入りの 温かい春雨スープ。 トロッとした卵にトマトを合わせたスクランブル エッグはちゃんと冷蔵庫に入っていたやつを 拝借した。 それからフルーツのヨーグルトがけ。
いつものようにそんな朝食を用意した。 食堂に食材がある>>346と、石頭君が教えてくれ たから。 いろいろ手伝えなかった代わりにみんなの分も 作ろうと思ったけど、さすがに八人分は作ったこと ないから足りるかどうかもわからない。]
(437) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[一応3−1の黒板に、 『朝ごはん食べたい人は食堂まで』 なんて書いておいたけど、誰か気づいてくれるかな。
他の人も用意するかもしれないから、 余たらお昼や夜に食べればいいか。 ってそんなことを呑気に考えていた。]
(438) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[ぺろりと平らげた後、朝の散歩がてら校舎を 散策する。
すると、体育館の方に明るい光が見えて。 そういえば行くと言っておいてまだ行って なかったな、って思いだしたんだ。
重い扉を開けば、あの日の劇と同じ大道具が ステージに置かれていた。 文化祭を再現しているのだから、それはなんら 不思議じゃない。 けど、なんだか近づきたくはなかった。
でも―――]
(439) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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………っ!? なに、これ……
[気づけば腕に、細い糸が絡まっていた。 抵抗すれば肉が裂けそうなほど、強い力で ステージの方へ引きずられていく。]
(440) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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『どうしてあんなことが出来ないの?』
[ふいに聴こえた声を、私はよく知っていた。]
『もう一度ちゃんとやりなさい。 貴方は出来る子でしょ?』
………ま、ま
[なんだこれ。なんだこれ。 やめてよ。やめて!!]
(441) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[そんな声は、喉元に張り付いて出てこない。 今までだって、そうだった。
けれど一度だけ勇気を振り絞って、 高校は住んでる場所から遠く離れた望月に 行きたいと言った。 勉強を頑張りたいからといえば、渋々ながらも 俳優にも学は必要よね、と納得してくれた。
本当は、ママから離れたかっただけだ。
息苦しかったんだよ。 仕事が出来なくなってからもレッスンレッスン、 時々オーディション。 いつか入るかもしれない仕事の為の、 ルールだらけの生活。]
(442) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[離れれば、マシになるかと思っていた。 けど離れたって、変わらなかった。 変われなかった。
この精神世界でまで、ルールを守るほどに。 私にとってママは、ホラーよりも怖かった。
軽い気持ちで甘いものを食べたら酷く怒られた。 日焼け止めを忘れても。 うっかり怪我をしても。 ご飯を食べるのがちょっと遅くなっても。 宿題が終わらなくて少しだけ夜更かししても。]
『天野莉希という自覚をもう少し持ちなさい』
[そんな言葉にうんざりしてる私がいた。 けれど、逆らえない私もいた。]
(443) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[離れたって、 後ろにママが立っている気がするんだ。
私を見降ろして 『あなたにどれだけお金をかけたと思ってるの』
って、囁いてくる。]
(444) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[ そんなの私は頼んでないよ ]
(445) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[そう言えたら良かった。 けれど、いつだって口から出るのは 幼い子供のような]
―――ごめんなさい、ママ
[そんな言葉だけ]
(446) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[絡んだ糸が身体を締め付ける。 肌に食い込めば、ぽたり落ちた赤が床を染めていく。 息が、出来ない。
日食君は、帰ったかもしれないんだっけ? 集団失踪事件の失踪者は、ほとんどの場合 帰還するんだっけ?
じゃあ、私も帰れるのかな?]
(447) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[……このまま死んじゃえば。 ママは悲しんでくれるかな?]
(448) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[…… …… ……ないな。ないない。
だって、あの人が求めてるのは。 平塚莉希ではなく、天野莉希なのだから。
―――でもね、平塚莉希を求めてくれる人も、 私ちゃんと見つけたよ。 この高校を選んでよかったって思うんだ。
文化祭を共に過ごしたメンバーを頭に浮かべながら 少しだけ誇った表情を浮かべて、瞳を閉じた。]
(449) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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[私をここへ呼んだ誰かさん。 貴方が何を悩んで飛ぼうとしたのか私には わからないけど。
そうだね、普通になりたいっていう気持ちなら、 私きっと共感できると思うよ。 もしまた生きて会えたら、その時は。 話、聞かせてくれたら嬉しいな。]
(450) 2021/11/11(Thu) 00時頃
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