─心臓が止まった後 ケイへ─
[ケイが髪を撫でる手>>310に、頭を摺り寄せた。俺の手はもう胸から離れてて、ケイの手が代わりに触れた>>311けど、そこに在るのは父さんの死体だ。俺の中だから、まだ冷たくはなってないけど。俺の血は、全部父さんが動かしてた。血が巡らないから、息してるはずなのに段々頭が巡らなくなって来る。]
ケイも、怖い? ……ごめんな。
来てくれる……? ちゃんと、来る?
独りはやなんだ、俺。
[キスしたいって、ケイは言った。ずっとしたかったんだろうな。俺がこんなだから、できなくて。ずっと我慢させてたんだろうな。]
俺は、ケイにしてやれること……全部、したい。
約、束……誓い、の。できなかった、から。
独りに、しないで……。
[息を吸ってるのに、全然酸素が来ない。苦しくなって、ぼやけてく。貧血みたいに、段々世界が暗くなっていく。ケイの顔、もっと見たいのに。やだな。死にたくないな。って、手を伸ばした。*]
(313) 2023/08/20(Sun) 21時頃