───現在・2F廊下
[ゆりの誘いも耳に入らず(>>202)、來花の声掛けすら耳に入らず教室を飛び出した。
…焦燥からか、喉が張り付くような感覚がして、こんな時まで自分に起きたことよりも、彼の心配をしてしまう。
────もしここに居るのなら、大人がいるという事実だけで安心かもしれないのに?
急いでいるのに廊下は長く感じて、足まで縺れそうになる。
ここに居たとして、何を話すかなんて考えるほど頭も回らないのに。
だから、「どこに行くの?」と聞かれた声も、耳に入らないはずだった。(>>297)]
……っっっ?!
[続いた言葉さえなければ、きっと走り去ってたかもしれない。
キュッ、と上履きのゴム底が音を立てて私の動きを止めた。
実際、こんな状況でいつも通り隠し事をするなんて、無理なのだ。
不自然な沈黙のあと、振り返り呼びかけた人物────レイ(>>298)の目を見る。]
(299) 2020/11/10(Tue) 09時半頃