[さすがに自分から言って来た事なので突き飛ばされたりは無いと思ってたけど、背中に腕が回ってきたのは少し驚いて。次の言葉に、二度驚いた。
僕は、ずっと夏水は弟が好きなのだと思っていたし、
言葉だけだと信じられなかったかもしれないけど。
密着していると夏水の心臓の音も聴こえてきて。それはとても、雄弁に。]
…………えっ。
まじで………
夏水は縁牙が好きなんだと思ってた。ずっと。
[何なら本郷さんにもそう言ってしまったような……と一瞬赤い顔が青くなったけど、それには触れず。というか。]
本郷さんは友達だって……。
まさかそんな誤解されると思ってなかったんだよ。
[それはそうだ。夏水が自分に対してその手の関心があると考えていなかったんだから。
夏水の腕が一度解かれたけど、構わず抱き締めたまま、続けた。]
(286) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃