─ 三日目・夜/談話室 ─
[二度と使う気は無かったし、名乗る気も無かった。それなのに名乗ってしまったのは、死ぬ気しかないコイツが悪い。でなきゃ酒のせいだ。もしかしたら自分のせいも少しあるかもしれないけど、今日は色々あり過ぎて参ってるんだよ本当に。]
……いいけど、一文の得にもなりゃしないよ。
持って来たいって言うなら、止めないけど。
[笑うライジに対して、自分は憮然とした表情になってたんじゃないかと思う。“キランディ”なら、まずしない顔だ。互いに、らしくないなと思う。]
[顔に来るとは思ってなかった癖に、随分と余裕のある態度だし、此方の拳の心配までしてくる始末だ。それにまた、腹が立つ。]
平気に決まってる。
こんなので折ったりなんかしてみろよ、タプルを驚かせるじゃ済まないだろ。
[右腕を折ってる身で言う事じゃないが、どれだけ脆いと思われてるんだろうか。]
……もういいよ、バカライジ。
アンタなんか知らない。何処へでも、好きにいっちゃえ。
[杯を重ねて、最後の夜を過ごす。別れた後は、処置室へ戻り、そのまままんじりともせずベッドに座っていた。]
[ライジを示す座標が、動き出すまで。*]
(193) 2021/11/15(Mon) 00時頃