人狼議事

15 青き星のスペランツァ


【人】 黒い取引先 アリババ

 ― 船内ロビー:独り言 ―

 星の本来の姿、か

[ヨーランダとの通信の間、暫し自分の種族について幾つか思考する。>>147>>148
ホログラムで映し出された風景、嘗て生命があった痕跡や、過去に示す為の色彩。それを残す気があった彼等が羨ましい。

自分の出身地は、科学技術が発展した場所だった。
いや、発展しすぎてしまったと言うべきか。

唯々広がる加工金属、セラミック、化学合成物が敷き詰められた大地。
栄えていた色彩さえも忘れたモノクロの都市、何も育たなくなった不毛の地、黒いビルの群れ、雨の降らない曇天の空。
全てが死んだ環境でも生きて行けてしまう技術と知識、天に聳え星を貫き、次の資源を求め吸いつくす軌道エレベータ。

そこにベッタリと張り付く生物が自分達であり、この星唯一の生命体である。

再現されたホログラムの空や植物すら存在しない都市。微生物さえ死んでしまった、生態ピラミッドの存在しない世界。
その上で何故か自分達だけが生きて居た。

死の上で無理やり生きて行く為の膨大な知識だけがそこに在った。]

(156) 2021/11/08(Mon) 22時半頃

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