[惑星アーラは、辺境の星だった。然程、資源が豊かという訳でもない。だから最初に侵略者達が現れた時、アーラの民は彼らの目的を計りかねていた。資源的に貧しく、翼持たぬ者には暮らしていくのが困難な星ではあるが、それでも生物が暮らしていける環境ではある。彼らが此処を気に入ったと言うのなら、明け渡して出て行くのもいいかも知れない。 ……そんな意見が、大勢を占める程には。けれど、それは誤りだったのだと、すぐに気付かされた。]
[────侵略者達の目的は、アーラの民そのものだったから。]
[背に色とりどりの羽を持つ、有翼人種。地球の旧い思想にある、天使と呼ばれるそれに限りなく近い生き物。それらは、その姿で在るだけで価値があったのだ。]
[意図に気付いてからは抵抗したものの、武器と呼ばれる物は持っておらず、元より数が多かった訳でもない。男は殺され、状態が良い者は剥製にされた。女子供は皆捕らえられ、好事家に売り飛ばされた。その殆どが劣悪な環境に送られた様だから、恐らくは皆、生きてはいないだろう。]
(150) 2021/11/14(Sun) 19時頃