──回想・とある日の図書喫茶──
[キラには気に入っている図書喫茶があった。都内から少し外れたところにある、木漏れ日に包まれた小さなブックカフェ。オフの日には、少なくない頻度で通っていた。
とりわけ中二階にある、仄暗い一人掛けソファの席が気に入っていて。
ある日、棚の端にあるシーシャ関連の本を取ろうとして、同じ本を取ろうとする女性の手が触れた。手の主は、咄嗟に引っ込めて、こちらを見た数秒後に、小さく「あっ……!!」と驚愕の声を漏らす。
目が合ったその女性は、煙崎るくあだった。
その時のキラはサングラスをしていたし、地毛だったが──(実は紫の髪が地毛で、テレビ出演などの際は黒髪のウィッグを付けている)──、彼の大ファンである煙崎るくあは瞬時にして分かってしまったらしい。キラはキラで、彼女の顔も認識してしまっていたので。]
……るくあちゃん?びっくりしたー。
こんにちは。
(149) 2023/11/16(Thu) 03時半頃