─大和命戦から数日後 手紙─
[加賀先生は、康生の手紙を受け取ってくれた>>@9。誰に見せる、見せないの判断も、任せてしまって大丈夫だろう。康生は、そう考えている様だった。]
マメったってコピーだけどな!
一人一人に書いてて、間に合わなくなる方が困るし。
[「ばぁか」と笑う教師に、康生もまた笑い返した。]
そっかな〜?
俺、知ってるんだ。俺が居なくても、世界は回ってくんだって。
俺が居なくても世界は回ってたんだから、元に戻るだけ。
────それでも俺、この世界が大好きなんだ。
[康生が療養している長い間、世界は康生の存在抜きで回って来た。この辺りは、長期で世間から隔絶された事のない人間には理解し難い感覚だろう。私とて、解ってやれているとは言い難い。康生は、胸元へと手を当て微笑んだ。]
俺は平気。一人じゃねーから。
ケイだって力になってくれるし、カガセンに後も任せられる。
……母さんのことは、気掛かりだけどさ。
全く心残りがない人生が無理だってのも、知ってるから。
(136) 2023/08/19(Sat) 21時半頃