― 探索終了日:アリババのいつもの場所 ―
[ゆっくりと零れてくる、静かな言葉たち>>124>>125>>126>>128>>129。枝葉の隙間から降り注ぐ、穏やかな雨のような。
その中の、相棒と一緒に、という言葉が、不意にすとん、と胸に落ちる。
乗せてもらうと揺れが凄くて、面白いけれどケトゥートゥは少し酔ってしまう、旧型の二足歩行探査機。手をかけて整備して、頑ななまでに一途に、そして大事に使い続けていたあの機体に、ライジは最後まで乗っていったんだ、と。
それは、画面上の赤い丸からだけでははっきりとは認識できなかった、今更といえば今更の気づきだった。]
そう、だネ。一人じゃ、なかったネ。
……ふふ、じゃあライジ、夜の旅も、あの機体でズンズン行くのかナ?
[その光景は、想像すると何だか少し面白い。ケトゥートゥの中で、乗り物に乗って旅を行くのは、ライジが初めてだ。けれど、とてもしっくりくるような気もする。
そしてその旅の中では、辿り着く先では、アリババの言うように、泣いたり、楽になったり、してくれていたらいい。
そっちは見たことがない分、うまく想像できないから。いつか遠い未来で、再会する時のお楽しみだ。]
(134) sleepingxalice 2021/11/20(Sat) 15時頃