― 安置室 ―
うん、 だいじ ばしょ。
[長く生きてきた、人の姿になってそれなりの期間を生きてきた。ずっと独りでようやく見つけた居場所がここだった。
色んな人に触れた。優しい人意地悪な人、気の合う人合わない人、ずっと一緒にいる人すぐいなくなってしまった人、初めて人と深く関われた。
スペランツァに乗ったことでチャーチグリムはやっと人になれたのだ。人としては赤子にも等しいのかもしれない、それでもチャーチグリムは人になれたことが嬉しかった。
嬉しかったからどんどん悲しくなってしまった]
いーすたー かえる かたづけ いそがしい、 さがす してた。
[実際に誰かが探してたわけではない。ライジとナユタを悼みに来た人が忙しなく通信機に向かって「手の空いてる奴は片っ端から帰還準備に取り掛かれ」と怒鳴っていたの聞いただけだ]
[嬉しいと悲しいと残りたいと去りたいで心がぐちゃぐちゃになったチャーチグリムは泣きそうになった。だから一人になりたかった**]
(133) tanuki 2021/11/20(Sat) 14時頃