──僕は、るくあちゃんと友達とかではないんだけど……、
演劇みたいなものをやっていて、彼女は熱心なお客さんだったから。少しだけ、交流があった、程度かな。
[大雑把だが嘘ではない内容だ。
るくあとは、実は一度だけプライベートで会った事がある。とは言え男女の仲だったわけではないが。歌舞伎座の新鋭スターとしては、あまり広めたくないエピソードではあった。ファンの女の子と密会だとか、余計な尾ひれが着いて噂になる事は避けたい。
目の前の女子高生をジッと見つめて、手を頭の後ろで組んだ。
まかり間違ってもこの大人しそうな女の子が、煙崎るくあを殺した犯人だなんて事はないんじゃないか?と思えた……。]
雛子ちゃんが犯人………、なんてさすがにないよねえぇ。
[勿論僕だってないない、と首を振りつつ。
仕草がややオーバー気味になるのは演者であるが所以だった。]
そうだな。他にも招待客いるみたいだし、探してみよっか。
(129) 2023/11/16(Thu) 01時頃