─ 医療処置室 ─
[キランディの様子を見て最初に思ったのは 痛々しい だった。もちろん、怪我をしているということもある。それ以上に心が傷ついていると感じられたのだ。
チャーチグリムは何度も似たような人を見てきた。若くして親を喪った青年、憎い妻が死んで清々したと豪語した中年男性、子どもなんてまた産めばいいと言い張った女性。みな同じ顔をしていた]
きらんでぃ むり する してる、 よい ない。
[自分の心を守るために必死で強がっている、そんな顔で、キランディも彼らと同じような顔だと思った。
そんな状態の彼にこんなことを言っていいのかわからない、だがチャーチグリムは悩みぬいて、自分が下した結論を伝えた]
ぼく ふね おりる しない。
[この船に残ると、そして]
きらんでぃ いきる する、 ずっと ぼく いっしょ おねがいします。
[生きている間はずっと一緒にいてほしいと、そう言った**]
(123) tanuki 2021/11/20(Sat) 00時頃