― 三日目 安置室前廊下 ―
[いたわるような手の動きで、撫で続ける。つらさにただ寄り添うように。
いつもより赤い眼>>118を覗き込む青灰色の瞳は、問いかけを受けて、少し遠くを見るように深まった。]
うン。泣かないヨ。
お別れじゃなくて、『一緒に生きる』を、してみようと思うかラ。
……いつものお別れは、ハロとはしないんダ。
[いつもと違うことをしたいから、いつもと同じことをすると、それが出来ない気がするから。ケトゥートゥにとっての『今まで』を、やりたくない。それも、間違いなく、答えの一つだ。
自分を許せない気持ちももちろんある。楽になってはいけない、という気持ちも、きっとある。けれどそれらを話せば、そんなことはない、と言われてしまうかもしれない。そこに齟齬を感じるのは、少し寂しいし、申し訳ないから、それは言わずにおくことにする。]
(121) 2021/11/14(Sun) 14時頃