「はい、誓います。」
>>74司祭の言葉に私も誓いを返す。
少し緊張するけれど微笑みを浮かべて。
互いに向かい合い、命くんがまず私の手を取って指輪をはめてくれた。
選んだ結婚指輪は星座や星をモチーフにした指輪ブランドのものが気に入って、その中でも南十字星をテーマにしたと言う指輪にした。
四角のダイヤをレールの様に並べたデザインは普段使いがしやすいらしいし、引っ掛かりがないからこれからの生活にも支障がなさそう。
それに人生の航海を迷わず進める様見守る南十字星というテーマに惹かれてしまった。
そんな指輪を左薬指にはめてもらい、今度は私の番。
命くんの手を取り、指輪を手にする。
ゆっくりと彼の左手薬指に嵌めて──少し視界がぼやけたのは、本当に嬉しかったから。
誓いのキスを。そう言われて、命くんを見つめる姿勢からそっと俯いて軽く膝を曲げる。
彼がヴェールをあげれば、普段とは違ってしっかりとメイクされた私の顔があって。
(112) 2023/11/19(Sun) 12時頃