― 安置室 ―
[頭の中がごちゃごちゃしている。
ここにいてはいけないと思う、徹底的に管理された社会のあの星は例外を許そうとしない。だから帰還したらきっとこの船に『ヨーランダ』を捕まえに来るだろう。みんなに迷惑をかけてしまう。……捕まった後はどうなるかわからない、縛り首だろうか?きっと死んでしまう。……死ぬのだろうか?わからない。死んだらみんなは悲しんでくれるのだろうか?
ここにいたいと思う。ここにいる限りはチャーチグリムの本質が満たされる。みんなは僕を一人の人間として見てくれる。ここにいる限り墓場の風景の一部ではない。話しかけてくれる、触ってくれる。なにより、みんなと離れたら寂しい。人といることが当たり前になって、独りでいるのが寂しく感じる。寂しいのは嫌だと思った]
[ヨーランダは毛布をかぶって みんなにばれませんように と祈っていた。誰に対しての祈りか、隠そうとしていることは何かなのか、ヨーランダにもわからなくなっていた]
[扉が開いた>>87ことに気づかないほどに]
(105) tanuki 2021/11/18(Thu) 23時頃