元気なのが、最後のままでいい、かあ。
……ちょっと、わかる気がするヨ。
[本当にわかったかは、わからないけれど。そういう考え方は、あってもおかしくない気がした。
シュトゥレクの民は、『母なる大樹』に命と、身体を貰う。貰った命を使い切ったら、魂は夜の旅に出る。残される身体は土に還し、母へ返す。少なくとも、彼ら自身はそう考えている。
いつか旅先で追いついて、そのときまた、一緒に笑い合う。別れは悲しいけれど、一緒にいたいけれど、次に笑いあえるいつかを信じて、先へ旅立つ者を見送る。
どこまでも、死は、死だ。生には置き変わらない。目の前の自然を受け止め、共生する故の価値観なのかもしれなかった。]
うーン……そうだネ。行ってくるヨ。
あんまり夜更かしすると、明日の探索に響いちゃうからネ。
明日は、森に行きたいんダ。一緒に行ク?
[同じ岩場には、あまり行きたくないんじゃないかな、とも思いながら。
約束して、一緒に行けば、ふらふらいつの間にか着いてしまうこともないだろう。*]
(74) 2021/11/09(Tue) 23時半頃