― 探索終了日 アリババのいつもの場所 ―
[どうにか自分の中での区切りを付け終えた時、真っ先に心配になったのがアリババのことだった。
何故だか、は、はっきりとはわからない。それはライジが沼に落ちかけた時、一も二もなく駆け出して強引な手段で飛び出していく姿を見ていたからなのか、それよりずっと以前から、軽口を叩き合う二人の姿を見てきたからか。
もしかしたらただこれ以上、自分が特別頼りに思っている仲間を失いたくないだけだったかもしれない。
きっと彼は、今回も安置室へは近づいていない。
部屋か、いつもの場所か。少し迷って、いつもの場所から見に行ってみる。
果たして彼は、そこにいた。
表情は読めない。それはそもそも、彼には無いものだから。]
……アリババ。今、忙しイ?
[声の掛け方に迷って、ひとまず、そう訊ねてみる。*]
(56) sleepingxalice 2021/11/17(Wed) 01時頃