― 船内ロビー ―
イースターも、後ほど。アシモフ様にお会いしに行こうと思います。
……ありがとうございます、ライジ様。ケトゥートゥ様。
[静かに涙を零しながら礼を告げる。
暫くそのまま感情に身を任せていたが、ふと聞こえた声>>31に再度目を開ければ。そこには丸く青い物体が、例えば彼(?)が名乗った名と同じ星を連想させる球体が、在った。]
……チキュウ、様?
[驚いたように何度も瞬きをして、年長分に続き>>35名を繰り返す。涙も触角の震えも、止まっていた。
イースターの記憶の中には、その様な名前のクルーも機械も存在しない。『地球』は己を生みだした者の祖先の星の名だ。そして、もっとも有名な星の名でもある。もし記憶の中に存在したならば、そんな名前が付けられている相手を忘れることはまず間違いなく無い筈だ。
その球体が映している映像と音楽は、とても優しいものだった。声を上げ泣いていた年長分を慰めようとしている、とイースターもまた理解した。が、果たしてこれは一体、何だろう?]
(36) 2021/11/09(Tue) 14時半頃