― 四日目・そのあと 船内廊下 ―
[あまりにも綺麗な感情を向けられて、言葉に詰まる。永く一人で居たせいで、誰かと辛さを分け合う事なんてすっかり忘れていたから。彼女の優しさを、何とかして断らなければと、再度イースターを視界に入れた。]
[その瞬間、嘗て失った純白(>>4:151)が脳裡を過った。声も語り口も姿も、その白さ以外に共通点は無い筈なのに。自分に寄り添おうとするその姿勢は、同じものに思えて。]
…………駄目なのに、な。
[きっと一生、この純白には勝てない。]
……そうだよ。イースターの言う通りだ。
ライジのバカ、なんで勝手に決めちゃったんだよ。
アンタには、相談出来る人が沢山居たじゃないか。
オレなんかに言ったって、アンタの“自由”にさせてやる事しか出来ないのにさ。
こんなの、辛くない訳、ないだろ……。
[頬を涙が伝い、抵抗する事無く手を取られる。右腕は未だギプスで固定されているから、あなたが握ったのは左手だろう。通常の人類だとすれば、高熱を出しているのに近い体温が伝わる筈だ。鳥類に近い身体をしてるというだけで、骨折によって熱が出ているという訳ではないのだが。少し、驚かせてしまうかも知れない。*]
(28) RIN 2021/11/15(Mon) 22時半頃