― 探索二日目 帰艦後 ―
[今日の探索の成果を解析班に預けるのと入れ替わりに、解析を終えた昨日の成果物の一部を受け取ったケトゥートゥは、そこでハロと別れて、植生研究室のほうへ向かった。
植生研究室は、ケトゥートゥがスペランツァに乗船することが決まってから要望に要望を重ねて、ようやく出来上がった特別な部屋だ。
内部にずらりと並べられた巨大なガラスケースごとに、重力と大気のステータスを独自に設定・調整可能で、さまざまな生育環境下で植物の生育を実際に行い、データを収集することが可能になっている。
また、そうして集めたデータを元に、森の生成をシミュレート可能な機材も置かれている。別々の惑星同士で発見された植物どうしを同時に育てた場合、どういった経過が見込まれるのか。その膨大な組み合わせを、ケトゥートゥは箱庭作りのような感覚で楽しんでいる。
『母なる大樹』に適した森が何処にもなかったとしても、新たに何処かへ作り出したらいい。
個人的な野望も含みつつ、意外と真面目に、研究者らしい仕事をしていた。]
(17) 2021/11/11(Thu) 12時半頃