聞き上手なマスターに甘えて、随分と饒舌に自身のことを喋ってしまった。キャンディならいざ知らず、ワにスポットが当たることなど殆どなかったから、奇妙な気分だ。
今まで想像だにしなかった、るくあの真意の推理が捗って、かなり気分が高揚していた。血色良く紅潮した頬は、作り物めいたキャンディの仮面に生気を灯す。
「ありがとう、卯木さん。
えっと、いっぱい聞いて貰ったお礼に、
そちらも何か話したいことがあれば、
ボクでよければ聞きますよ!
全然、相談とかされるタイプじゃないですけど。
何ならメールでも。」
冷たくなってしまったオムレツの残りを、急いで頬張る。スプーンの背でケチャップを塗り拡げ、SUSUMUの名は薄焼き玉子の表面で見えなくなった。
卯木と数言交した後、室内スリッパのまま出てしまった園内で5個ほどアトラクションを楽しんでから、夜には自室に*戻ることになる。*
(14) 2023/11/21(Tue) 00時半頃