[関係者故に、教祖が星喰いアメーバの犠牲と為った事が、先んじて知らされたのだろうか?
其れなら、まだ良い。けれど彼らが、予め知って居て動いたのだとしたら。客船に侵入した星喰いアメーバは全て追放された、其の報だけで教祖の死を悟ったのだとしたら。
教祖は、何れ程前から星喰いアメーバで。教団の内情は、如何為って居たのだろう?
──わたくしは、誰にでも救いが与えられて欲しいのです。
──世界がそのようであって欲しいと、願っています。
──誰であろうとも、助けを求めて手を伸ばした時に、その手をとる者があって欲しいと願っています。
然う語った声>>3:88が、耳元に蘇る。
嘘だとは、感じなかった。星喰いアメーバだったと知った今でも、嘘では無かった気が為ている。
或いは、嘘で無かった事こそが問題なのかも知れない。『誰にでも』に、初めから星喰いアメーバが含まれて居た事だけでは無く。
捕食と侵略を行いながら、本心から其れを語れる事こそが──。]
貴方の求めていた、救いって。
私に呉れようとした、救いって。
何だったのかしら、ね。
[少女の、酷くか細い独り言を。
聴く者は恐らく、誰も居ない。**]
(14) sleepingxalice 2022/05/16(Mon) 13時頃