とりあえず、朝飯でも買いに行くか
[自分自身はまだ何も口にしていなかったことを思いだし、ひとまずパン屋へ向かう。お気に入りのあのパンはあるだろうか
パン屋へ向かう道すがら、金色の髪に目隠しをし、靴音が特徴的な女性とすれ違った。
踵がよほど鋭いのか、カツンという音に混じって地面を削る音も聞こえくる
しかし空腹の彼には、そんなことよりも段々と鼻腔を擽る焼きたてのパンの香りのほうが気になっていた]
イイニオイ! フラワッサン!タベル
お前はさっき食べただろー。ってかなんだよその新しい名前は。
[そういえば、楽器屋の娘と本屋は元気にしているだろうか。何か美味しそうなものがあれば久しぶりに差し入れに行ってもいいかもしれない。
そう思いながら店先の木に鸚哥を留まらせ、カランカランとドアベルを鳴らしながら小麦の香りに包まれる店内へと入っていった]
(8) 2021/10/04(Mon) 22時半頃