[通達からさほど時間が経っていない頃だった、空のカプセルが運ばれてきたのは。ヨーランダに謹慎処分が下ったことは、本人への通達と同時に全クルーに知らされている。
カプセルを運び入れたやたら独り言の大きい船員は
「落石事故だってよ。一緒にいたキランディはだいぶ憔悴してるんだってな」
と、弔いの準備をしているヨーランダの背後で、やたらと大きな独り言を言い続けている。
キランディはハロと調査に行くと言っていた。きっと自分に責任があるという念に苦しんでいるのだろう。
ヨーランダもその気持ちはよくわかる、自分が頼まなければギロチンの運命は変わっていただろうから。
……いや、比較するのも失礼だなとヨーランダは思い直した。だが、同じ気持ちを持っているとしたら話しくらいは聞けるだろうか?]
[ヨーランダは“うっかり”メモとお供えのお菓子を包んだ紙包を落としてしまった。
やたらと独り言の大きい船員は これは誰の忘れ物かな と包み紙を拾い、ニヤリと笑いながら安置室を出て行った]
(+1) 2021/11/13(Sat) 09時半頃